食わせサビキ釣りは、だれにでも簡単にできる反面、意外と奥が深くテクニックも必要なのだ


世田谷区の野畑広幸さんは4.3㎏の大ビラメをキャッチ。

ちょっと深場でサビキに大アジがこの通り。

「ちょっと小さいけどヒラメです」

「アカハタは高級魚でとてもオイシイですよ!」

「カサゴもうまい!」

これも食わせサビキに掛かったイサキ。なんでも掛かる。

トゴットメバルを狙うとパーファクト。

「ふじなみ丸」では食わせサビキ仕掛けでお土産に大アジやメバルも狙わせてくれることも。

今回、取材にご協力いただいたのは、静岡・安良里港「ふじなみ丸」。
今年も西伊豆沿岸にイワシが回遊してきた。イワシの正体はカタクチイワシ。毎年、5月から7月にイワシの大群が大挙して伊豆半島全体にわたって接岸する。
イワシは海の肥やしと言われているように、あらゆる海のフィッシュイーターたちの大好物。イワシの大群の周りには、もちろんイワシを捕食するためにさまざまな魚が集まる。
そのイワシをサビキで掛けてそのままエサにしてしまえ、というなんとも単純な発想の釣りが、この食わせサビキ釣りだ。
釣り方は簡単。イワシをサビキにたくさん掛けてからそれをそのままフィッシュイーターたちがいるタナに仕掛けを落とすだけ。
底まで落とせば、ヒラメやカサゴ、ハタなどの根魚。中層ならば青物がターゲット。
この食わせサビキ釣りを得意とする安良里港「ふじなみ丸」は、安良里沖から松崎沖、波勝崎沖までがホームポイント。例年6月からイワシが本格的に回遊するというので、シーズンはまさにこれから。
この釣りはだれにでも簡単にできる反面、意外と奥が深くテクニックも必要だ。この機会にぜひ食わせサビキ釣りを西伊豆沖で体験してみてはいかがだろう。びっくりするような高級魚たちが待ってるぞ!
西伊豆沖食わせサビキ釣り、その釣り方を詳しく解説。早アワセは禁物。サビキの ハリを魚にからませろ!!

何が来るか分からないのもこの釣りの魅力だ。

伊豆エリアはこのサバ皮サビキがテッパンだ。

表層から底までイワシの反応がびっしりとあるときはチャンス!

食わせサビキ釣りは、まず、エサとなるベイトを専用のハリにかける。そして、そのままタナに落とし込むだけ。単純な動作だが、もっと具体的に説明していく。
まず、ベイトに合わせた食わせサビキ仕掛けを選択。仕掛けの選択を誤るとベイト(エサ)が掛からない。
西伊豆では、金バリのサバ皮サビキが定番だ。まずこれを使えば、間違いない。
オモリは60号を使用。これ以上重すぎると、ベイトのイワシの掛かりが悪くなる。また、軽くしすぎるとイワシが掛かったあと、イワシたちの泳ぎに負けて、仕掛けを底まで落とすことができなくなる。
基本的にコマセは使用しない。
ここからが大事なところ。イワシなどベイトの掛け方は、“落とし込み”だ。
サバ皮サビキ釣りは、和製ルアーと思うとよい。ルアーは動かして釣るのが基本だ。この釣りもルアーのように常にタナを探りながら釣る。
イワシは基本的に表層に近い魚ほど活性が高い。だから、上ダナでイワシを掛けるほど、たくさんの数のイワシがサビキに掛かる。
船長の指示ダナより少し上から、サミングをする。タナでは、1mおきに1〜2秒ほど止めながら、落とし込みの誘いをする。
魚が掛かると、仕掛けのフォールを魚に止められる。そこのタナでできるだけたくさんのイワシをサビキに掛けるようにしよう。
この釣りでは、ハリの数だけエサが掛かっていたほうが、フィッシュイーターたちに強くアピールできる。
コツは、いかに多くサビキにエサを掛けられるかなのだ。
たくさんエサが付いたところで、底までそのまま仕掛けを落とす。あとは、オモリトントン、もしくは根掛かりしないていどに底からオモリをあげてアタリを待つ。
ターゲットのフィッシュイーターが付近にいれば、すぐにアタリが訪れるはず。
イワシが多く釣れるときは、エサのイワシは1投入1回のみの使用を心がけよう。生きがよいほうが、魚が暴れて、バイブレーションの振動を発生させ集魚効果があるからだ。
「グングングン」と明確なアタリがあったら、早アワセは禁物。エサがとられても、サビキにはまだエサはあるし、大ビラメや青物などハリス切れするような大型魚は、口に掛かったハリ以外に他のハリが魚体に絡まるように掛かるとより確実に取り込むことが可能だ。
以上の記事は「つり丸」2013年6月15日号の掲載情報です。
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ベイトとなる小魚はイワシや小サバ、小アジだ。これが高級大型魚にかわる!!