LTでマルイカと両狙いもOK! 手軽に楽しめるおいしいイカ釣り


ムギイカは小型で外れやすいので取り込みは慎重に。

ブランコ仕掛けのノーマルタックルでムギイカ2、マルイカ1杯ゲット。

ダブル、トリプルは頻繁にあった。束釣りを目指すなら手釣りが有利だ。

「小さいね~!」なんてみなさんおっしゃいますが、小さい方がうれしいのがこのムギイカだ。だってやわらかくておいしいからね!

LTタックルでアタリを取って乗せるのもおもしろい。

沖漬けにして食べちゃおう!

直結仕掛けは手返しが早くなる。

LTは5、6cmのスッテにプラヅノをまぜる。

手釣りはプラヅノ、ナマリヅノで。

ノーマルタックルはプラヅノ11cmメインで。

今回、取材にご協力いただいたのは、神奈川・小田原早川港「坂口丸」。

相模湾の初夏の釣りといってまず最初に思い浮かぶのはこのムギイカだろう。「ムギイカ」とはスルメイカの子どものことで、麦秋=初夏に釣れることからこの名前で呼ばれる。普通、釣りでは「より大きなもの」を釣るのがいいとされるが、このイカは「小さいほうがうれしい」のである。小さいほど身が柔らかく、舌の上でとろけるような味わいを楽しめるからだ。一年中イカ釣りをする人たちも「スルメはこの時期だけ刺身で食べる」と言う人が多いほど。
ムギイカはいろいろな釣り方ができる。それぞれのタックルと釣り方を説明していこう。それぞれどんなときに威力を発揮するかが違うので、それを理解して挑もう。
【ノーマルタックル】
イカ釣り用の通常の電動リールタックルで狙う。仕掛けはブランコ、直結を使用する。ブランコ仕掛けは、バラシが少なく初心者でも多点掛けが可能な仕掛けだ。
釣り方の基本は、仕掛けを海底まで落とし、竿をシャクリながら少しずつ上げていく。シャクったあとに竿先を見ると、竿先がフワフワとか、ガタガタと揺れるようなアタリが出る。これがムギイカが乗った合図だ。
海底に群れがいるときにいい。ポツポツと拾い釣りのときに有利だが、広範囲に群れがいるときに追いきれない。
直結仕掛けは扱いに慣れが必要になるが、ブランコ仕掛けの不利な点を補うことができる。とくに広範囲に群れがあるような場合は、電動のスイッチを入れて一気に探ることが可能で、より多点掛けのチャンスが広がる。
いずれの場合も、仕掛けはプラヅノ11㎝が基本。7㎝のウキスッテをまぜるのもおすすめだ。
【ライトタックル】
最近はムギイカ釣りでもマルイカ用のライトタックルで楽しむ人が増えている。このタックルの利点は何よりタックルが軽くて手軽なこと。そして細かいアタリを取って掛けるというゲーム性の高さにある。
タックルは道糸を1号以下にしてより繊細なアタリを取れるようにしておく。仕掛けは直ブラ、直結だが、少し慣れたらぜひ直結に挑戦してみよう。
釣り方は、海底まで仕掛けを沈め、少しタナを上げてまずは竿を動かさないで竿先を見る。このときに一番アタリが多く出る。アタったと思ったら竿を持ち上げてアワせ、そのまま巻き上げていく。
マルイカがいる場合、下の層がマルイカ、上の層がムギイカということも多いので、マルイカを狙って釣りたい場合は、底中心に探ろう。
ムギイカが多く、広い範囲に群れが出ているような場合は、竿先を止めてアタリを取るのではなく、竿をシャクりながら上へ上へと探っていくとガツンガツンと乗ってくることが多い。多点掛けが多い場合、スッテのかわりにプラヅノを用いるのもいいだろう。
海底付近に群れが多い場合は、小さいアタリも確実に取れるので有利。しかし、中層に群れが多い場合はやはり追いきれない。
【手釣り】
もっとも伝統的な釣り方ながら圧倒的な釣果をたたき出すのが手釣りだ。
最近はやる人が少なくなったが、水深が50mほどなので、じつは簡単な釣りなのだ。仕掛けが着底したら、底から20mほど一気に手繰ってくる。この時期のイカならただ手繰ってくるだけで乗るので簡単だ。乗ると、いくら小型のイカでもしっかりと重要感が伝わってくる。そのまま手を緩めずに手繰って仕掛けを回収する。
群れが広範囲に出ている場合、その群れの中を一気に探れ、さらにツノ数が多いことから多点掛けのチャンスが増える。さらに、手返しが早いので、2回、3回と釣ることも可能で、短時間で束釣りも可能なのだ。
しかし、反応が底にしかでない、群れが少なく拾い釣りになったときは手釣りの優位性は低下する。
このように、それぞれの釣り方に一長一短がある。もし、ムギイカのあともそのままスルメイカ釣りをしようとするなら、ノーマルタックルの直結仕掛け、さらに手釣りにも挑戦してみよう。本格的な沖のスルメイカ釣りにもそのまま入っていけるはずだ。
以上の記事は「つり丸」2015年6月1日号の掲載記事です。
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