5月に入ってムギイカ束釣り連発! これから本格シーズン突入だ!


水深は100mほどあるが、狙うのは60mよりも上

「直結は幅広い層を素早く探れます」

ほら、この通り釣れました!

大島匠さんは直結で攻めて掛けていった

直結は電動シャクリ!

「直結は広く反応が出ていると有利ですよ。一気に探れて手返しも早いです」

「ブランコの基本は落とし込みです。海面近くのタナで釣れるときはとくに威力を発揮しますよ!」

「アタリを取って掛けていくスタイルで面白いですよ」

ブランコは落とし込みで乗せろ!

高槻慧さんはブランコ仕掛けでゲーム性の高い釣りを展開

この日は単発が多かったが、これから多点掛けの連発も期待大

小ぶりだけど食べるならこのサイズが一番美味しいよ

こちらは最近多いカギイカ。煮ても焼いても食えないと評判?なのでリリースがおすすめ

水中ライトは必需品。白が一番安定しているという

手釣り用のグッズも用意されている。手釣りもまた楽しい

こちらは船宿仕掛け

エサ巻きスッテ

直結は夜光布巻きスッテの2.5号

ブランコは11cmプラヅノとスッテで

今回、取材にご協力いただいたのは、静岡・戸田港「福将丸」。

駿河湾、初夏の風物詩ともいえる夜のムギイカ釣りが開幕した。
「今年は4月に入って釣れ出しましたが、ムラが多くてなかなか安定しませんでしたね。ちょっと遅れていますが、連休くらいから数がまとまってきました」と話す、戸田港「福将丸」の真野康臣船長だ。
駿河湾の夜イカは、短時間で爆発的な釣果を得ることも可能で人気が高い釣りだ。小型のスルメイカ=ムギイカは味もよく刺身、沖漬けから煮る、焼くなど何でもイケる。一昔前までは「漁」的な釣りが多かったが最近はゲーム性を重視した人が増えている。
「ライトタックルでアタリを取って掛けていくというスタイルが面白くてハマります」と、高槻慧さんと大島匠さんは声をそろえる。
今シーズンは、ゲーム性を重視しながらトップ釣果もたたき出す、最先端の釣りで入れ乗り体験をしよう!
直結&ブランコ仕掛けの釣り方。それぞれのメリットを詳しく解説


今回は、ライトタックルでの釣りに特化して解説する。
竿は1.8m前後、8対2から7対3調子。オモリ負荷40〜80号程度のゲームロッドを使用する。リールは小型電動または小型両軸リール。
「直結のときは電動シャクリをするので、小型電動がいいですよ」と話す、この釣りに詳しい大島匠さん。
道糸はPE1号を200m巻いておく。オモリは船宿では100号までを用意しているが、このクラスのタックルの場合なら60号でいいだろう。念のため、80号も持参しておこう。
「仕掛けは大きく分けて2通りです。直結とブランコです」
それぞれのメリットなどは釣り方で解説するとして、まずは仕掛けから。
①直結
直結の場合、圧倒的に2.5号の夜光布巻きスッテが乗るという。このため、仕掛けはこのスッテを多い人は8本程度、慣れない人は5本程度使うといいだろう。スッテは赤白、赤緑、白ベースのもの、ピンク系など。幹糸は8号程度を1m。
②ブランコ仕掛け
ブランコの場合は、プラヅノ11㎝と2.5号の夜光スッテを使い分ける。
「ブランコの場合は、日によって乗る仕掛けが変わることがあります。プラヅノ、スッテともに使います」とは、高槻慧さん。ブランコ仕掛けに使うプラヅノは、シルエットの大きい、ヒラヒラしたものなどがいいという。カンナはシングル、ダブルどちらでもいいだろう。
「乗るプラヅノやスッテを交換しやすいように、枝糸はスナップを付けています。これですぐに交換できるんです」
このほか、夜釣りの必需品は水中ライトだ。
「水中ライトは小型のものがいいですね。白い光が一番無難ですね。緑などもいいかもしれませんが、赤系などは乗りが悪いような気がします」と話す、大島さん。
その日の状況、群れの具合によって、直結、ブランコ仕掛けどちらがいいかを見極めて使い分けるのが重要だ。
①直結のメリット
直結仕掛けは電動リールを使用した電動シャクリをするので、広い範囲を一気に探ることができ、多点掛けもしやすい。さらに、取り込んでからの再投入も早く、手返しは抜群だ。
「不利になるのは、ポツポツとした乗りのときや、海面近くのタナでしか乗らないときは難しくなります。こんなときはブランコにチェンジします」と話す、大島さん。
②ブランコのメリット
ブランコ仕掛けでの基本は落とし込みで乗せることにある。このため、アタリを取って確実に乗せていくことができる。また、慣れない人でもバラシが少ない。
「落とし込みで触りを見ていくので拾い釣りもできます。確実性がありますよ。また、活性が上がって海面近くでしか乗らないときなどは、ブランコ仕掛けが圧倒的有利です」と話す、高槻さん。
●直結の釣り方
直結、ブランコともに開始してまだ乗りがあまりないようなときは60mほどまでを下限に、その上を探っていく。
直結のときは電動を中速より少し遅いぐらいのスピードに入れて、竿を上下にあおりながら上げていく電動シャクリが基本。
「乗るタナがはっきりするまでは、広く探ってきます。ある程度の場所がわかったらその周辺から探っていき、なるべく上、上で乗るようにして、あまり下に落とさないようにします」と話す、大島さん。
イカの乗りは明確で、動かしていた竿の動きが止まるような感触だ。乗ったらそのままのスピードで巻いて追い乗りを狙う。活性が上がるとかなり上でも乗ってくる。
●ブランコの釣り方
「ブランコの基本は落とし込みでアタリを取って掛けていく釣りです」と話す、高槻さん。
基本の釣り方は、「2m落として止めて2秒待つ」。この繰り返しだと言う。
「竿を止めたときにアタリが出ます。このときはしっかりと竿先を見ておきましょう。ここで変化があったらすかさずアワせてやります」
開始時は20mほどのタナから60mほどまで落とし込んで探り、今度は誘い上げて止め、誘い上げて止め、を繰り返していく。乗りを感じたら軽くアワせ、そのまましばらく手巻きで追い乗りを狙う。
「最初は広く探りますが、乗り出したらその範囲を狭めることができるので楽ですよ。乗り出したらあまりタナを下げないで浅いタナで乗せるようにすると、手返しも早く効率よく乗せられます」
前述したが、超高活性時に海面周辺に群れが集まってきたら海面からの落とし込みで威力絶大だという。
2つの釣り方の特性を理解して、その日、その時にマッチした釣りを選択して楽しもう。
以上の記事は「つり丸」2018年6月1日号の掲載記事です。
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