東伊豆の乗っ込み大場所、初島周り。6〜7kgの大物も姿を見せる


この日は大ダイは上がらなかったが、船中ボウズなし。今後は大型含みで数釣りも楽しめそう

小ぶりだけど食べるにはちょうど良いサイズ

まじりでカイワリや青物も

ビシは船に用意してある。キーパーも船にセットしてあるので持参は不要だ

今回、取材にご協力いただいたのは、伊豆半島・宇佐美港「富八丸」。

取材前日の4月20日には3.7㎏に2.5㎏が上がり、乗っ込みスタートか!? と思ったのだが、電話で木部高治船長に話を聞くと、まだ乗っ込みは始まってないようだと言う。婚姻色に黒ずんだ雄のマダイがまだ少ないというのがその理由。
初島周りの乗っ込みハイシーズンは、例年ならもう少し先になる。春の汚れ潮(植物プランクトンの死骸)が消えてくる5月後半からが大ダイの実績が高い。
「まあ、大型が出るかはわかんないけど、タイは釣れているからおいでよ」と船長は言う。
この日の集合は4時15分。出船時はまだ暗いがポイントに着くころには明るくなってきた。投入開始時間までハリスの絡みなどをチェックして、いつでも投入できるように備える。初島沖のマダイは、いかなるときでも朝の一投目は大きなチャンスになる。
「はい、50mでやってください」のアナウンスで仕掛けを入れる。ハリスは12mなので、60mまでビシを下ろし、コマセを振りながら巻き上げて海面から50mのタナに合わせる。基本は置き竿にしてアタリを待つが、ゆっくりと竿を持ち上げ、ゆっくりと下ろす誘いも効果的だ。
ほどなく、反対舷の人がやり取りを始めた。鋭い突っ込みで道糸を引き出すのはマダイの特徴、慎重に浮かせて海面にピンク色の魚体が見えてきた。1.9㎏のマダイだった。
潮はトロトロ動いていて、浮いた魚探反応も出ているようだ。流し替えのたびに竿が曲がって、キロ前後のマダイが取り込まれる。そしてアタリが到来。しかし、単調に突っ込む重い引き方をする。これはマダイではなく青物だろう。ハリスを手にしても重みが消えない。案の定、50㎝ほどのイナダが浮いてきた。
これを見て、「イナダがまわってますから、コマセを絞りましょう」と船長。初島周りは、イナダ、ワラサの他、秋になるとメジマグロやカンパチも回遊してくるポイントだ。美味しい外道ではあるが、青物が寄ってくるとマダイの食いは悪くなると言う。
船中全員本命マダイゲット! これだから釣りはやめられない
次に来たアタリはメリハリのある引きだった。鋭く突っ込んだと思えば止まり、また突っ込むことを繰り返すのがマダイの特徴。大型になれば最初の突っ込み一発でハリスが切られることもある。そのため、ドラグは常に緩めに調整するのを忘れないようにしよう。
ドラグから糸を出すほどの引きは見せずに上がってきたのは1㎏のマダイだった。全体が黒ずんでいる、乗っ込みの雄の特徴だ。家に戻ってからさばくと、腹からは白子が出てきた。
その後もアタリは続き、この日は全員がマダイの型をみた。大型は顔を見せずに終わり、船長の言うように、乗っ込みにはまだ早かったようだ。しかし、婚姻色の雄も顔を出して、これからのシーズンに期待が高まる。
「富八丸」では、全員が同じタナに合わせて釣る。ハリス長は10m~12mだが、潮が速いときなどは途中にサルカンとガン玉を介すると効果的なこともある。また、蛍光ビーズがマダイに効果的なことも多い、仕掛けやアクセサリーについては、各自工夫してみてほしい。
以上の記事は「つり丸」2018年6月1日号の掲載記事です。
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他地区に遅れて本格化する東伊豆の乗っ込み。これからが本番だ!