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釣る前に、食べる前に、カツオという魚を知ろう!

釣る前に、食べる前に、カツオという魚を知ろう!

カツオは、スズキ目・サバ科に属する魚の一種。暖海・外洋性の大型肉食魚。 地方名やマナガツオ・ソウダガツオやハガツオとの判別名としてホンガツオ、マガツオ(各地)コヤツ、ビンゴ(仙台 : 若魚)ヤタ(仙台 : 成魚)サツウ(小名浜)マンダラ(北陸)スジガツオ(和歌山・高知)などがある。


カツオ(スズキ目サバ科カツオ属)の生態

日本近海、世界中の温帯から熱帯域に広く生息する。日本海にはあまりいない。
サバ類とともにほとんど地方名がない。これは古代から「硬魚(かたうお)」と呼ばれていて、それが今の標準和名に転訛したものだからだ。すなわち正倉院文書(738年)にもあるように、浜でとれたものを固く干し、平城京へと送られて来ていたのだ。生の状態を知らなかった都での呼び名が全国津々浦々に伝わり、今日に至っている。ただ、東シナ海、日本海にはカツオが少なく、単にカツオというとヒラソウダガツオのことをさし、本種は富山県では「まんき」、熊本県では「本ガツオ」などと呼ぶ。

カツオの値段は?

カツオは新しければ新しいほど値が高い。また巻き網でもとれるが、釣りものの方が高価である。2㎏サイズまではあまり値がつかず、3㎏前後になるとぐんと高くなる。すなわち釣りもので3㎏以上がいちばん高くて、1㎏あたり卸値で2000~3000円ほど。3㎏を近海の相模湾などで釣り上げたら、1尾6000円以上になる。くれぐれもハリス切れには気をつけていただきたい。

カツオの釣行レポート

今期は少々遅れ気味だった駿河湾のカツオが、ついにスパーク。7月25日にご覧のような疾風怒濤の食いを見せ、開幕したのだ!!「6月の終わり頃から気配はあったんだけど、なかなか釣果に結びつかなくてさ。これでようやくスタートって感じだよね」と笑顔で語ったのが、西伊豆戸田港「福将丸」の眞野康臣船長の声だ。

福将丸の釣行レポート

相模湾のコマセ釣りによるキハダ、カツオは8月1日に開幕を迎えた。当日は約9カ月ぶりの出船を待ちわびたファンの熱気で、最高気温までもぐんぐん上げる勢いだった。昨年は開幕からカツオ、デカキハダとも好調だったため期待は高まったが、今年はなかなか群れが見つからず苦戦。
「今年は事前情報では相模湾にはカツオ、キハダはあまり多くないようでした。ただ、回遊魚なのでいきなり食うこともありますよ」と話す、小坪港「洋征丸」の高木洋征船長。

洋征丸の釣行レポート

「ここにカツオがいるのはわかっていたんだけど、まさかここまで食うとはね」と話す、葉山あぶずり港「たいぞう丸」の山本真一郎船長。釣果は2〜9本で、アタリの数は釣果の倍以上だ。
今後はキハダがコマセに食い出せばさらに面白い展開に。今年の相模湾は超激アツだ!

たいぞう丸の釣行レポート

「カツオ」の寿司…“鉄心にカツオ”は握りよりも、丼よりもいいかも

「相模湾のカツオが食べたい」

とつぶやいたら、すぐに伊豆半島東沖のカツオが届いた。家の量りは二キロまでなので、重さはわからないが体長は五十五センチもあった。

お願いすると、魚が届くというのは、ここ数年なかったことだ。その上、届いたカツオの素晴らしいこと。

釣り上げたその日に食べたら、死後硬直前で、モチモチっとした弾力がすごい。酸味をほとんど感じないのは、これも新しいからだろう。

血合いの部分はみそ、青じそ、玉ねぎとたたいて「なめろう」にした。これも新しくないと作れない。腹の部分の塩焼きもまことにうまい。

頭は二つ割りにして塩ゆでにした。この料理は鹿児島県の魚屋さんが教えてくれたのだけれど、故郷から送られて来た、すだちをかけて身をこまめにほじくり出し、出しして食べたら、酒がすすんでこまった。

届けてくれたのは今、釣り人生の盛期を迎えている、ご近所の釣り名人・鮹さんである。昔、これまたご近所の釣り名人・そば屋の浅やんが、お願いするとなんでも釣って届けてくれたが、これが二回り以上年下の鮹さんに世代交代したようだ。

オキアミ餌のコマセ釣りで釣れたというが、ボクが相模湾に通っていたときには、カツオと言えばカッタクリだった。今年は一日十本以上も釣れるというが、重労働だろう。

翌日、『市場寿司』に半身を持って行った。受け取ると、たかさんが一瞬イヤな顔をする。実を言うと、すしの世界ではカツオを「足の速い魚」と言って嫌うのだ。

不機嫌そうに、まな板の上で血合いを切り取っているのを見て、酒を飲んでいたマグロ屋が、「腹のところくれよ。皮つきでね」と言った。

「このサイズだと皮固いよ」

たかさんが、皮つきで出すとうれしそうに、酒の肴につまむ。

「なにこれ。モチモチだね。噛めば噛むほどうま味がじわじわくる」

ちなみにマグロ屋の仕事は午前零時からなので、午前九時過ぎの今は、一般的な時間になおすと、夕方にあたるわけだ。ちなみにこの男、味には非常にうるさい。

「ほめるの珍しいね」

「バカ言え、こっちゃー赤身のプロだよ。このカツオは今季一位だね」

確かに腹の部分の皮は硬いが、今日もモチモチしている上に、噛めば噛むほどうま味が染み出してくる。

「たかさん、朝ご飯に丼ね」

切りつけて軽くしょうゆ洗い、丼に並べられてきた。背の部分もまだいい食感が残っている。うま味豊かだ。あまりにもうまいので、箸が止まらなくなる。握り二かんを追加してもまだ、なんとなくもの足りない。

「たかさん、お昼も来るからね」

今年、相模湾で釣れ盛っているのは、秋のカツオのように脂がのっている。そういえば、築地場内の仲卸が、ここ数年、「脂ののったカツオがとれるのが早くなったようだ」と言っていたが、まさにその通りだ。

午後一時半の店仕舞い時にのれんをくぐると、「中巻き二本でいいかな」というので、うなずく。この鉄心(鉄火巻きの芯という意味)にカツオというのも素晴らしい。握りよりも、丼よりもいいかも知れない。

残ったカツオを丁寧に晒しで巻き、保冷バッグにしまっている。

「まさか孫に」と聞くとニヤニヤと幸せそうな顔になる。

「いいジイサンだね」

さて、鮹さんにもらってから後、同じような釣りもののカツオが何本かやってきた。どれも同じ条件なのに、味が数段落ちる。

「たぶん、釣ったあとの処理だね」

「そうだね。鮹さんのは、しっかり首を折っていたんだ」

「鮹様、次はマグロをお願いします。オヤジふたりで待ってまーす」

◆協力『市場寿司 たか』
八王子市北野八王子綜合卸売センター内の寿司店。店主の渡辺隆之さんは寿司職人歴40年近いベテラン。ネタの評価では毎日のようにぼうずコンニャクとこのようなやりとりをしている。本文の内容はほとんど実話です。

文責/ぼうずコンニャク
魚貝研究家、そして寿司ネタ研究家。へぼ釣り師でもある。どんな魚も寿司ネタにして食べてみて「寿司飯と合わせたときの魚の旨さ」を研究している。目標は1000種類の寿司を食べること。HP『ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑』も要チェック。

以上の記事は「つり丸」2016年9月15日号の掲載情報です。

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