朝イチはベラの猛攻。だが、アワセが上手くいけば数釣り可能だ


久比里「巳之助丸」では4月16日からカサゴ船をスタートしている

本命カサゴゲット!

当日は全員が顔を見た

まるまるした良型カサゴ嬉しい

ベラの猛攻に苦戦したがトップは34匹!

今回、取材にご協力いただいたのは、三浦半島・久比里「巳之助丸」。

午前6時半に船宿に到着。受付を済ませ、船宿前の平作川に停泊している大きな「カサゴ」の看板を掲げた船に乗りこむ。船長からエサのサバの切り身も配られ、定刻の7時半にいざ出船。
ポイントは竹岡沖と久里浜沖なので、10〜15分でポイント到着。GW真っ只中の快晴の天気で、心地いい風を浴びての釣行スタート。水深は20mほど。
カサゴは根魚の代表格。生息しているのは根周り一帯。胴付き2本バリの仕掛けを底まで沈めて、オモリで底をトントンと叩きながら魚のアタリを待つ。
この「トントン」の幅が肝。何しろ下は岩礁帯なので、根掛かりは避けられない。定期的にある程度上げないと、一発で根掛かりしてしまうので注意が必要だ。
根掛かりに注意しながらうまくエサを底周辺でヒラヒラと躍らせていると、朝一からアタリがある。カサゴのアタリを言葉で表現するならば「ブルブルッ」。明らかなアタリがあるので非常に分かりやすい。
これに対して、朝イチに数多く訪れたのは「カツカツッ」。来たと思い、上げても魚は掛かっていない。船尾でメバル用の小さなハリを使用して釣りをしている方に掛かって来たのはササノハベラ。カサゴやカワハギ釣りの定番の外道だ。小さな口でガサツにエサをついばむので、はっきりとした「カツカツッ」というアタリが出るのだがハリ掛かりしない。
一体何匹ベラが下にいるのか? なかにはカサゴも当然いるのだが、ベラの猛攻と呼ぶにふさわしいほどに次から次にベラにやられる。先にベラが食ってしまうので、なかなかカサゴまでエサが回らない。
アワセがうまく決まって上がってくる時に、常時竿先を叩くのはベラ。下でブルブルっと叩いた後、重量感に変わるのはカサゴ。明らかな違いを楽しめるので面白い。
「あー、またベラだ〜」とか「おっ、これはベラじゃないぞ?」とかの言葉が船中で出始める。重量感たっぷりの場合には水面に口と胸ビレを大きく広げて上がってくるカサゴ。これが抵抗となっての重量感なのだろう。
潮が止まるとピタッとアタリが止まり、カサゴもベラも休憩
久里浜沖で釣れるカサゴは、コンディションよく色が非常にきれい。広げた胸ビレが水面に咲く花のようだ。ベラの猛攻をかわして何とか本命のカサゴを1匹、また1匹とポツリポツリと追加していく。
カサゴは簡単に釣れるという印象もあるが、じつはなかなか気難しい面もある。とくに潮の流れには敏感な魚で、潮が止まるとパタッとアタリが止まってしまうこともしばしば。この日は大潮であることもあり、朝のうちは潮も流れていて好調にアタリが出ていた。ところが午前10時を過ぎて潮が止まると、いきなり静寂の時間が訪れはじめた。
あれほどの猛攻のベラさえも口を使わず、ピタッとアタリが止まる。船長も少しでも潮が流れている場所を探すが、こればかりは仕方ない。しばし休憩。
そして、正午前にまた潮が動き出すとカサゴが口を使いだした。当然ベラも…。
今度は船長は頻繁に場所を移動してベラが少ない場所を探す。しかし、この日は終始ベラが優勢だったようだ。
こちらは、なんとかカサゴまでエサが回るように、付けるサバの切り身を大きくするなどして対応。エサが大きいとカサゴのような口が大きい魚には有効で、とくに大きなカサゴが掛かる。正確に言うと小型の魚が食えない…。
胴の間で竿を出す藤井さんは「巳之助丸」に年間通して四季折々の釣り物に通う常連さん。カサゴにも精通している。大きめのエサでコンスタントに良型カサゴを上げる。なかには30㎝近いジャンボカサゴも。底に落とした後の誘い上げで食うことが多いというのでご参考に。
結局、この日は34匹を上げた藤井さんが竿頭。水深が深いことと、これだけベラに苦しんだことを考えれば、数上がったと思う。
これから気温、水温の上昇とともに釣れるエリアは水深10mほどの浅場に移っていく。手返しが上がるぶん、釣れる数も上がり、束超えも夢ではなくなっていく。今年も熱いカサゴシーズンがはじまった!
以上の記事は「つり丸」2018年6月1日号の掲載記事です。
雑誌つり丸(マガジン・マガジン)を販売中!割引雑誌、プレゼント付雑誌、定期購読、バックナンバー、学割雑誌、シニア割雑誌などお得な雑誌情報満載!
小気味よい引きが楽しい!