例年より水深は深め。それでもイカは多く釣り方があえば数釣りも


水深70m前後を狙った

「乗りましたよ~」と飯田さん

朝日に照らされたマルイカはきれいだ!

飯田純男さんは開始早々に本命ゲット!

マルイカとムギイカのダブルも!

ムギイカの3杯掛け

飯田さんは、釣友の中村さんと同時ヒット

中村豊さんも良型を手にした

スミの洗礼を受けた!

スッテに墨が付いたら、歯ブラシなどできれいにしよう

左舷側は全員乗った!

取り込みは慌てず、確実に!

永井一郎さんも好調に乗せた!

ブランコ仕掛けと軟調竿で狙うベテラン

マルイカとムギイカの一荷

当日のトップは46杯!

沖漬けにしても美味しいね!

良型ゲットだぜ!

今夜はコイツをアテに一杯やろうかな

飯田さんのスッテ。「ぎょぎょ丸」の3.5cmをメインに使用

今回、取材にご協力いただいたのは、神奈川・剣崎間口港「喜平治丸」。
剣崎沖から城ケ島沖にかけてのマルイカがまずまずの好調ぶり。いいときにはトップ40杯台や50杯台を記録することもある。
5月後半の時点で、釣れている水深は、おおむね60〜90mの範囲。今シーズンは例年になく、釣れる水深が浅くなるのが遅いようだ。
「この時期(5月中旬)に水深80mや90mを狙うのは、今までになかったですね。それでも反応はあちこちにあるので、アタリは多く楽しめています」と話すのは、剣崎間口港「喜平治丸」の鈴木武之船長。
取材当日は城ケ島沖をメインに狙い、終日コンスタントにアタリがあった。またムギイカもまじり、多点掛けも見られた。
本誌発頃には、釣れる水深がさらに浅くなっていることが期待される。とにかく反応は多いので、今シーズンもバッチリ楽しめそうだ!
マルイカのメイン仕掛けは直結。状況に合わせて直ブラを使用する

仕掛けは、基本的に得意とする仕掛けで良い。ここ数年、深場でも浅場でも直結と直ブラを状況により使い分けている。
直結はアタリの伝わり、取り込み、次の投入が速いのでメインに使っている仕掛けだ。
では、直ブラを使う状況はどんな時かというと、潮の速い時。潮が速いときに直結仕掛けでマルイカを乗せると、巻き上げ時に速い潮の抵抗を受ける。それによりマルイカが浮き上がり、カンナから外れやすくなる。
このような状況では、直ブラの枝スが仕事をしてくれる。5㎜でも枝スがあれば、マルイカが速潮で流されても、スッテも同じく流されるので、カンナにしっかり掛かった状態をキープしてバラシが減る。
また直結で触りが少ない時は、直ブラの枝スがスッテに動きを与えてマルイカへのアピールになる。
今回は浅場がテーマなので、深場で使う仕掛けとの違いについて説明。水深が浅いと光との関係で、幹糸の太さが関係するのではと感じる。通常はフロロの4号を使用するが、浅場では3.5号をメインに、状況により3号も使用。これによりアタリが増えると何度も実感してる。
それなら、「深場でも細くて良いのでは?」と疑問が生まれるが、デメリットもある。細い糸は直結にしろ直ブラにしろ、仕掛けの上げ下ろしで太い糸より糸ヨレがおきる。ヨリモドシなどを使用しても糸ヨレが生じる。糸ヨレは水深が深くなればなるほど確実に増える。糸ヨレが生じると仕掛けが絡みやすく、アタリも鈍る。
このことから、幹糸にフロロの3〜3.5号を用いた仕掛けは、糸ヨレが起きにくい浅場専用仕掛けとして使用している。ただし糸ヨレやトラブルを考えて、最低でも5組ほど作れる幹糸をバックに忍ばせている。
直ブラの時は、叩きなどでスッテを動かすために太めの枝ス4号を使用。長さは0.5㎜ぐらいから1㎝ほどでいい。スッテは直結、直ブラともに3.5㎝メインで、5㎝ぐらいまでの市販品を使用。その時のアタリカラーがあるようなので、いろいろ揃えるといい。もし、悩むようだったら、お店で市販の仕掛けを参考に、単品で買い揃えてみよう。
直結の場合、カンナ側の幹糸をケイムラハードビーズで止めている。サイズ違いを2個使用して、ビーズもスッテの一部として考えている。2個付けるとマルイカへのアピールになるのでは。
浅場のゼロ点メインでは、竿はシマノ「バイオインパクトマルイカ82-SS165」が間違いない。穂先に「タフテックα」というカーボン素材を採用。今までのカーボンよりソフトで、マルイカに違和感を与えず、アタリを確実に伝える。そして叩きも可能な、まさにマルイカ釣りに最適なロッドだ。浮いたマルイカを狙うには、「バイオインパクトマルイカ73-S160」がアタリに対しての反応が素晴らしいのでおすすめ。
道糸は、今年発売されたシマノ「タナトル」がオススメ。見やすいマーカーで強度もあり、釣り人に優しい価格だ。見やすいマーカーは、カウンターがないリールでも着底の予測がつく。浮いたタナの場合も、見やすく覚えやすい。太さは0.8号か1号で問題ない。0.8号より細い糸は、オマツリや根掛りなどで高切れなどのトラブルを起こす場合があるので、個人的にはオススメできない。この道糸にフロロの4号か5号を1mほど結び、シマノの「ボビンワインダー」でラインシステムを組めば、マルイカ竿の繊細なガイドでもストレスなく通すことができる。
マルイカを誘う今話題のゼロテンの釣り方とタナの探り方をご紹介


船長の合図で仕掛け投入→オモリ着底→クラッチをオンで張らず緩みすぎずで5秒ほど待つ→この時、マルイカが乗れば道糸を引き込んだり竿先にモゾモゾしたアタリ。アタリが出なければ、空アワセでいいのでアワせて、そして仕掛けを跳ね上げて誘ってから、オモリを着底させてゼロテンでアタリを見る。
基本の釣り方で乗りがない時は、跳ね上げた仕掛けを叩いてスッテを踊らせて誘いを入れてから、オモリを着底させてゼロテンで待つ。この繰り返しでマルイカを誘うパターンがゼロテン釣法。
基本の釣り方で乗らず、マルイカも浮いている時は、オモリを1mぐらいずつ上げて、叩いて止めてアタリを見る。アタリを感じなければ、ゆっくり聞き上げてマルイカの乗り、触りを取る。このタナを探る動作を、オモリの位置が海底から5mぐらい上まで試して、どの層にマルイカがいるかを探ろう。
もし自分だけのタナを見つけた時は、次からそのタナを直撃。底まで下ろさず止めると、即乗りがよくある。
「優しく乗せる」のがマルイカの合わせ方。強いアワセは不要だ!

マルイカに強いアワセは要らない! 「IidaStyle」では、「優しく乗せる」のがマルイカのアワセ。イカのアタリを感じたら、穂先から穂持ち、次は胴へと、ロッドの先端から全体に順々にマルイカの重さを乗せるイメージでアワセを入れる。
マルイカ釣りの竿は、重さを感じることが可能な調子も大事。例えば6対4や7対3調子のゲームロッドでは、アタリを感じてアワせても竿が曲がってしまうので、イカの重さを感じることができない。アタリを感じる繊細な穂先でアワセた時に重さを感じる穂持ち! それがシマノのマルイカ竿だ。このアワセでイカが乗れば、あとはロッド全体に常に一定のテンションがかかるよう巻き上げる。
直結の場合、オモリを跳ね上げるような強いアワセはダメ。ではなぜオモリを跳ね上げる強いアワセがダメか説明しよう。
① マルイカのアタリ感じてギュッと強くアワせる
② マルイカの乗りを竿に感じる
③ 強いアワセでもマルイカがスッテに乗るが、オモリも跳ね上がる
④ 跳ね上がったオモリで一瞬ラインに遊びができる(この段階でバレることもある)
⑤ このオモリは必ず落下し、仕掛け全体に衝撃が伝わり、ショックでスッテのカンナからマルイカが外れる
⑥ この瞬間ロッドにはマルイカがチップしたようなアタリになる
このことから竿の調子を理解して、マルイカの重さを確実に乗せて、一定のテンションがかかるような「乗せアワセ」が肝となる。
底にオモリを置いた時のアタリは、道糸の変化や竿先の動きなどを見ます。いずれも即「乗せアワセ」で乗る。
オモリを持ち上げたタナ釣りでのアタリは、いくつかのパターンがある。叩いて誘った後に竿先が震えるような動き。ユックリ聞き上げると押さえるような動き。ゆっくり下げると竿先からオモリのテンションが抜けるような変化。場合によってはグイグイ引き込む場合もある。これら全ての変化で、「乗せアワセ」を行う。
また、マルイカが触っていてもアタリが出ない時もある。アタリが出ていないと感じたときは、タイミングで「乗せアワセ」をしてみよう。
マルイカ釣りはアタリを取ることとタイミングのアワセ(空アワセ)を織り交ぜることで好釣果に結び付く。マルイカ釣りに空アワセは恥ずかしくないのだ。
直結の場合はとにかく緩めないで、つねにテンションを掛けて仕掛けを手繰ろう。イカを海中から出せば、ほぼバレることはない。慌てず、仕掛けを絡めず取り込もう。
直ブラやブランコは、ほとんどバレないので、スッテを確実に投入器に仕舞いながら取り込むようにする。慌てて仕掛けを船の中に入れてしまうと、確実に手前マツリになる。
マルイカは群れが速く移動するので、一刻も速く次の投入をすることが大事。とにかく、慌てず確実な取り込みと再投入をマスターしよう。
以上の記事は「つり丸」2018年6月15日号の掲載記事です。
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当日は城ケ島沖で好調に乗った