暑さもブッ飛ぶバトル必至! コマセ解禁でますますヒートアップ!


ひったくるような激しいバイトがあったらしっかりアワセを入れること。キハダは下へ下へと走るので、走りがひと段落してからポンピングで寄せて行こう

10回目の釣行で、見事、念願のマグロを仕留めた藤原良一さん。「船長が良い場所に船を入れてくれたおかげです。ナブラのド真ん中にルアーをキャストできましたからね」とニッコリ

この日のヒットルアーは、オズマの110だった

サメの背ビレが見えたら“ほっとけ釣法”。シンキングルアーをナチュラルに沈めるのが効果的。一方、カツオのボイルの下にいる時は沈めてからの誘い出しが有効だ

マグロを寄せて、船下で回り始めたらタモを用意。呼吸を合わせてネットインしよう

今回仕留めたキハダは、アベレージサイズの17㎏だった。今後はモンスタークラスも期待できる

今期は、とにかくシイラが多い

サメ付きでも散発的なナブラも今期は必ずシイラが着いている。ミヨシで掛けた場合は、胴の間まで降りて、抜きあげるかタモ入れしよう

良型サイズのシイラだ!

専用のツナロッドに、ダイワなら5000番以上、シマノなら8000番以上のスピニングリールを。PEは5号が標準で、リーダーは最低でも80ポンド以上で!

ペンシル、ミノーのフローティングとシンキング、そしてポッパーが定番ルアー。マグロは繊細でセレクティブなので、大きさも各サイズをそろえたい

ドラグ設定はPE5号なら5㎏。4号なら4㎏が一般的。表層を見るための偏光グラスやグローブ。プライヤーは必需品だ

事故を防ぐために、フックの返しをプライヤーで潰しておくのがルール。安全に楽しもう

釣ったキハダマグロの口からは10㎝前後のシコイワシが出て来た。今後は14〜16 ㎝のムロアジやトビウオもベイトになると言う

今回、取材にご協力いただいたのは、神奈川・平塚港「庄三郎丸」。
コマセの解禁で、ますますヒートアップする相模湾のキハダゲーム。近年では夢の大物が近海で釣れると、遠方から馳せ参じるフリークも少なくない。
コマセが始まるとルアーの食いが落ちるのでは…と思われがちだが、実際は何の心配もない。去年も8月以降に爆釣を何度も記録した船が何隻もあり、その代表が、今回取材を依頼した平塚港「庄三郎丸」。マグロのルアー船をイチ早く導入し、経験豊富な船長が回遊ルートを的確に読み、今期もコンスタントに釣果をあげている。
「湾内に黒潮があまり差し込んでない状態(7月中旬)で、これだけトリヤマが立ち、20㎏前後の良型が何本もあがっているから、今期は好調と言えるよね。今日は視界が悪い雨だけど、頑張って魚を探すから」と望月幸雄船長が力強く語って、出船となった。
ルアーマグロのキーポイントは、何と言ってもマッチザベイト。マグロが捕食しているエサのサイズに合わせたルアーを使うことに尽きる。
「トリヤマもナブラも一番激しくボイルしている(白波立つ)所に打ち込むのが基本です。サメ付きなら、ほっとけ釣法。また沈んだら誘い出しなどで探ってヒットチャンスを演出して下さい」。
この日は状況が悪い中でも1本ゲットしたように魚はいる。さらに最新情報では、沖の潮が差し込んできたとのこと。夢のマグロのチャンス到来だ!!
タックル&仕掛け。ライト泳がせ用が人気だが専用タックルもある

夏から秋の人気釣り物として、すっかり定着した相模湾のキハダ&カツオ釣り。今や専用のタックルのほか、キハダに対応したものが多く販売されるようになっている。数年前に比べれば、タックルを揃えやすくなっている。
昨シーズン、船上に並んだタックルを見て一番人気と思われる竿がライト泳がせ用だ。50㎏オーバーのカンパチ、100㎏級のカンナギやイシナギに対応するだけあって耐久性は抜群だ。また生きエサの動きを感知し、さらに食い込みをよくするために穂先の軟らかいモデルが多い。
このような調子がコマセ釣りのキハダ&カツオ釣りでは、ビシを跳ね上げることなく、またアタリをはじくこともないのでピッタリなのだ。
また昨年あたりから多く販売されるようになっているキハダ専用ロッドやコマセ釣りのキハダに対応した青物用ロッドなども最適。相模湾のキハダのために開発した調子が多い。
リールは手巻きリールなら、これもライト泳がせ用が最適。キハダが掛かったときにはドラグを駆使するので、とくにドラグ性能がいいモデルを選ぶようにしよう。また、十分な糸巻量があることも大事だ。PEラインの8〜10号が400〜500m巻けるラインキャパシティが必要だ。
電動リールも手巻きリールと同様に、頑丈でドラグ性能がよく十分なラインキャパシティがあるものを選ぼう。こちらもキハダに対応したモデルも発売されているので、これらがオススメだ。

この釣りでは、テンビンは固定式と遊動式が使われる。
遊動式テンビンは魚が掛かって走ると、テンビンが遊動式になっているので、ハリスと道糸が一直線になって出て行く。そのためハリスにテンビン+ビシの抵抗がかからないので、ハリス切れしにくいのが特徴だ。このことからキハダ狙いの人がよく使っているテンビンだ。
しかし、遊動式テンビンはデメリットもある。それは一度に何人もオマツリしたときに解きづらいこと。とくにカツオが掛かったときにはオマツリしやすいので、船によっては使用禁止にするところもある。たいていキハダ専門船では使用を認める船が多い。事前に使用が可能がどうか確認しておくといいだろう。
遊動式テンビンが使えないときは固定式を使うことになるが、落ち込むことはない。固定式にもメリットはあるのだ。
固定式テンビンは魚が掛かって走ったときに、テンビン+ビシの抵抗を背負うことになるので、魚が弱りやすいのだ。これは取り込み時に表れやすい。20㎏を超すキハダの取り込み時に、遊動式テンビンを使っていると海面でキハダが暴れて取り込みに苦労することが多い。一方、固定式テンビンを使用していると、海面まで巻き上げてきたときにはキハダはすでに弱ってすんなり取り込めることが多いのだ。この理由で固定式テンビンを好んで使用する人もいるのだ。
しかし、固定式テンビンの使用ではハリスにテンビン+ビシの抵抗がかかるので、ドラグはしっかり調整しておくことが必要だ。
続いて釣り方。キハダ釣りはカツオの釣り方がベースになっている

上のイラストでも説明した通り、まいたコマセと付けエサを同調させるのではなく、コマセの帯の先端に付けエサを漂わせるのがポイント! この方法だとコマセに突っ込んできたカツオが、真っ先に付けエサを食べる確率が高くなるのだ。
イラストで示したのはハリス3mの場合だが、①でビシの落下をタナ下2mで止めるのが重要。それよりも下にビシを落とすと、コマセと付けエサが同調してしまうので注意しよう。
①の後は②〜④の動作を2回繰り返してタナまでビシを巻き上げる。この間、二回の誘い上げと二回の落とし込みが盛り込まれているのも特徴だ!
前述したカツオの釣り方もそうだが、後述するキハダの釣り方でも、誘って狙う場合がある。誘うということは、付けエサを動かすということ。そのため、しっかりとエサのオキアミを付けていないと、誘ったときにオキアミがズレてしまい、食いが悪くなってしまう。エサ付けはおろそかにせず、ていねいにおこなうことが大事だ。
キハダ&カツオ釣りでの代表的なエサ付け方法は、オキアミの1匹掛けと2匹掛け(抱き合わせ)。
1匹掛けはコマセマダイやワラサ釣りのときと同じく、オキアミをハリの軸に対してまっすぐ刺すのが基本。
また「丸掛け」とも呼ばれる方法もある。オキアミをハリの軸に沿って刺し、ハリ全体を隠すように刺す。
2匹掛けは「抱き合わせ」と呼ばれる方法が一般的。最初の1匹をハリの軸に対してまっすぐ刺し、2匹目のオキアミを1匹目のオキアミの頭部と密着させるようにして刺す。そうすることで2匹のオキアミが固定され、ズレにくくなるのだ。

前述したように、シーズン初期はカツオの群れにキハダが付いて、カツオとともにキハダを狙う状況が多くなる。
そのような状況下では、「20〜40m!」というように幅のある指示ダナが出されやすい。キハダを狙うなら、迷わずビシの位置を指示ダナの下限に合わせるようにしよう。逆にカツオを狙いたいなら、高めのタナに合わせるといいだろう。
シーズン中盤以降に多いのが、キハダの反応が出てもなかなかアタらない状況。そんなときはコマセマダイのときに有効な落とし込みの誘いがキハダにも有効だ。
船によっては、指示ダナよりもビシを下げてはいけないところがある。そんな時は指示ダナの2〜5m上で待って、反応が出たときに落とし込むといいだろう。
落とし込みををする際は、ビシを一気にストンと落とさないように注意しよう。一気にビシを落とすと、それに驚いてキハダが逃げてしまうからだ。
また、ビシを落とし込んだら、そのままにしておかないこと。アタらなければ、ビシをすぐに指示ダナまで巻き上げよう。
カツオが掛かったら、とにかくラインをできるだけ出さず、遊ばせずに巻き上げて取り込むことを心かげよう。カツオは縦横無尽にあちこちに逃げ回る。しかも群れでいるので複数人に掛かりオマツリしやすいからだ。
ビシを手に取ってからが要注意。ここでカツオが激しく抵抗すると、ビシやテンビンなどが手に当たって怪我をしやすいからだ。取り込みは、やり取り以上に迅速におこなうようにしよう。怪我をしないために、あらかじめグローブや指サックなどを装着しておくといいだろう。
オマツリしたとき、また取り込み時は同船者と協力するようにしよう!
やり取りのついて。キハダがアタったら止まるまで糸を出そう!

カツオとは違う強い引きはキハダの可能性大。そんなときはラインを出して対応する。魚の走り具合から大きさを判断して、小さいようならドラグを締めて巻き上げる。
20㎏以上のキハダの場合は一気に100m以上出ることもあるので、ラインが止まるまで出すこと。ラインが出ている間にスプールを押さえたり、ドラグを締めたりしないこと。ハリス切れにつながるので厳禁だ。
走りが止まったら竿を立て気味にして、テンションをかけて様子を見る。掛かった魚がキハダであれば、このとき竿先がグングンと上下する。これは走って疲れたキハダが、その場でグルグル回って泳いでいる状態だ。
ここでポンピングできれば、ポンピングしてラインを巻き取る。リールのドラグは、じょじょに締めていくといいだろう。
キハダの泳ぎが強くてポンピングが無理であれば、テンションをかけながら待とう。しばらくするとキハダが弱るので、弱ったらポンピングして巻き上げる。
ポンピングの途中に抵抗したら、ドラグを少し緩めてラインを出す。このときの抵抗はファーストランほど糸が出ることはあまりない。
また、途中で食い上げることもある。急にテンションがなくなったら食い上げた証拠。距離を縮めるチャンスなので一気にラインを巻き取る。
取り込みは慣れていないと難しく、危険。たいていの船宿では、船長や船宿スタッフがハリスを手繰ってくれるので、遠慮せずにお願いしよう。
以上の記事は「つり丸」2015年8月15日号の掲載記事です。
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ポイントは相模湾