真夏の海で汗をかきながら、スルメイカのズッシリ感を楽しもう!


大型も増えて乗り味はまさにズッシリ!

ダブルでヒットだ!

この日は底反応がメインで、さらに下のほうのツノに乗ることが多く、2杯ずつぐらいを回数乗せるという展開だった

「今日はダブルまでが多いね。イカはすごくいそうな雰囲気だけどね」

この日はみんな直結釣りを楽しんだ

釣れたては沖漬けにしても美味しいね

釣れたら素早く引き上げる

「南房のスルメは楽しいよ」

「薄いブルーが圧倒的に乗ったよ」とダイワの北本茂照さん

単発も多かったが、大型が目立った

少し小ぶりだけど食べるにはちょうどいいサイズだ

いい具合に干せてニンマリ

夏の釣りですね〜!

水深は150〜170mあたりをメインに狙う。タナは浮くときで100mほども。仕掛けは18㎝、または14㎝のミックスで

今回、取材にご協力いただいたのは、千葉・乙浜港「信栄丸」。
南房総・白浜沖のスルメイカが絶好調だ。連日トップは50杯以上、束超えする船もあるなど上々の乗りが続いて、大きな盛り上がりを見せている。
「反応はすごいですよ。バリバリ乗るような真っ赤な反応が広がっています。かなりいいシーズンだと思います」と話す、乙浜港「信栄丸」の安田仁船長。
ポイントの白浜沖は、なだらかな根が続く広大なポイントで毎年夏場にはスルメイカの大群が押し寄せる。
取材日も朝から「バリバリ乗る反応」が出ていたが、乗ってくるやる気があるのは海底付近の群れのみ。投入のたびに確実に乗るものの、なかなか醍醐味である多点掛けは難しい状況だ。それでも大型が3杯、4杯と乗ってくればズッシリ感はなかなかのもの。中層の群れはニセイカサイズの中小型メインで、こんなサイズが多くいるのは好調の証しだ。今後はコイツらがガンガン乗ってきて楽しませてくれるはず。
太平洋高気圧に覆われて船上干しにも最高の時期。潮風と太陽がうまみをぎゅっと閉じ込めて絶品船上干しを作り上げてくれる。
「これからまだまだ盛り上がりますよ。南房スルメを楽しんでください」
スルメイカ仕掛け。ブラヅノはブルーメイン。淡い系主体に使用

ここではタックル、釣り方ともに直結仕掛けでの釣りをメインに解説する。タックルは1.5m前後、オモリ150号が背負えるスルメ用ロッドがベスト。細かいアタリを取ることも多いので、先調子の硬めの竿のほうがいいだろう。
リールはハイパワーの中小型電動リール。スルメイカは1杯1杯で考えるとたいしたことはないが、5杯、10杯と掛かったとき、イカの重量だけでなくそれぞれが潮の抵抗を受けてとんでもない重さになる。非力な電動リールでは巻き上げられないこともあるのだ。
道糸はPE4号を300m以上。中オモリやヨリトリリングは直結時にはつけたいが、ブランコ仕掛け使用時や、乗りがわからない人は必要ないだろう。
仕掛けはプラヅノ18㎝メインだが、まだ小型がいて、こちらは14㎝のほうが乗りがいいため、できたらどちらも用意していこう。
ブランコ仕掛けの場合は5〜8本。直結の場合は10〜12本程度。
「夏の潮は澄んでいます。水深は深くても澄み潮になると薄いブルー系に多く乗ります」と船長。
プラヅノは薄いブルー、薄いピンク、ケイムラをメインに、アクセントとして濃い系のブルー、ピンクを入れてもいいだろう。全体的に淡い色系でまとめるといいだろう。
小型が多くまじるようなとき、18㎝ではどうしても乗りが悪くなってしまう。かといって、14㎝だと大型の乗りがいまひとつ。そんなときは、ミックスもいいだろう。直結では上部は18㎝、下部を14㎝にする。8月頭の時点では小型も多く確認されていたが、今後は大型メインになるので、予約時に確認しておくといいだろう。
仕掛けを自作する場合、幹糸の太さも注意したい。プラヅノ18㎝で直結にする場合は14号は必要だ。とくに、負担の掛かる仕掛け上部には太めを使用する。中間部より下には12号を使用するなど細くしてもいいが、太い幹糸のほうが仕掛けの扱いが楽でトラブルは少ない。
10号以下の幹糸ではわりと簡単に切れてしまう。せっかく乗せたのにこれではもったいない。
スルメイカの釣り方を解説。ポイントは竿先を見て乗りを見極める

「最近は、一昔前のように電動シャクリではあまり乗らなくなりましたね。アタリを取らないとなかなか数を伸ばせないですよ」
電動直結釣法は昔はスルメの遊泳層をウイーンウイーンとシャクってくると面白いようにズンズンズンと乗ってきた。電動でシャクっていれば簡単に束釣りもできた。しかし、最近はなかなか簡単に乗ってこない。
「とくに底反応のときはちゃんとアタリを取らないと難しいね」
●底での釣り方
①まずは見ること
合図があったら素早く仕掛けを落下させる。着底したら糸フケを取っていきなりシャクるのではなく、少し待ってみよう。反応に直撃することもあれば、少し先回りして仕掛けが落ちてからイカが通過するような場合もある。まずは、着底後に糸フケを取ったら、竿先を注意深く見てみよう。
②アタリを認識しよう
竿先がツンと沈み込んだり、フワっと浮き上がったり、フワフワと上下するような場合はスルメのアタリだ。これをまずは認識することから始まる。
③アタったらアワせる
アタリがあったと思ったら、竿を持ち上げてアワせてやる。ここでズン! とくれば乗った証拠。スルメイカの場合、1杯乗っただけでもかなりの手ごたえがある。
乗ったらそのまま電動のスイッチを入れる。
④誘いは落としが有効
乗りがない場合は、竿を頭上までスーッとシャクリ上げストップ。次は頭上から海面に向かってストンと竿を振り下げて仕掛けを落としてやる。落としたら再び竿を止める。
この「止め」のときにアタリを見るわけである。竿を無為に動かしているだけでは乗りがわからない。誘うときは誘い、乗せる。このメリハリが重要だ。
落としの誘いは、上からエサが落ちてくるのを演出。イカにはとくに有効だ。
⑤巻き落としを多用する
底から探り始め少しずつ上げていく方法もあるが、直結の場合、仕掛けは20mほどある計算。海底付近の場合はほぼカバーできている。このため、底で乗らなかったらすぐに数十m一気に巻き上げて再度落としこむ巻き落としを多用したほうが合理的だ。特に周りが乗っているときは必ずイカがいる証拠。自分が乗らないときはスグに巻き落としを。着底したら同じように誘いアタリを見る。
⑥追い乗りを狙う
1杯乗せたら追い乗りを狙おう。電動のスピードを低速から中速にしてそのまま数十m巻き上げて追い乗りを狙う。
このとき、活性や群れの範囲によって乗るスピードを探すのがコツだ。ときには、かなりゆっくりのほうが乗ることも。
もうひとつのパターンは、1杯乗せてからさらに攻撃的な誘いを入れて乗せるというもの。こちらも電動を入れて、竿にしっかりとテンションをかけて小刻みにシャクリ上げるように誘う。活性が高いときは、この誘いでズンズンズンと追加のアタリがやってくる。ただし、このシャクリは活性が低く、乗りが浅いような場合は最初に乗ったイカがバレやすくなるので注意が必要だ。
●中層の乗せ方
たとえば「水深170m、反応は120から140mぐらいに出ているよ」という場合。
電動リールのカウンターを見ておき、自分の仕掛けの長さを計算して群れの中に仕掛け全体が入る場所でストップ(上下10mほどは調整)。そこでシャクリ、誘い下げでアタリを見る。これでアタリがなかったら、電動を入れてシャクってみよう。中層で乗る場合は電動シャクリが有効なことも多い。イカの移動が早い場合は、シャクリスピードも早めてみよう。
中層、底ともに反応がある場合は、ケースバイケース。より乗る反応のイカを直撃したい。
「その日によって乗るパターンも変わってきます。これを見つけるのがこのスルメイカの面白さですよ」
以上の記事は「つり丸」2016年9月1日号の掲載記事です。
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ポイントは航程20分ほどの白浜沖。言わずと知れたスルメの名ポイントだ