ズン! グーンッ! と引きは強烈。駿河湾でイカメタルゲームが気軽に楽しめる!


黒い富士をながめながらポイントへ。清水沖は風光明媚だ

夜は深海からプランクトンが沸く

船上は作業灯のみ。これで十分、ムラサキイカが浮上してくるという

ムラサキイカは群れて泳いでいるので、同時ヒットがよくある。釣れた人にタナを教えてもらおう

抜き上げ直後、すさまじい勢いで水鉄砲をとばすムラサキイカ

メタルスッテゲームなら女性や子供、ビギナーも気軽にエントリーできる

一荷ヒット連チャン!

大型ムラサキイカのスイッチオン!

水深50mぴったりでヒット!

この引きがたまらないですねぇ〜

私にも釣れました

釣れたては沖漬けにしても美味しいね

スジイカもおいしいイカですよ

お土産はスジイカ。数釣れる。煮るとやわらかくておいしい

タナを釣る釣りなのでベイトリールは、カウンター付きが使いやすい

水中で抵抗が少ない小型水中ライトを使う。予備を必ず持参しよう

水中ライトは必携! スッテは赤白が定番!

今回、取材にご協力いただいたのは、静岡・清水「大宝丸」。
ムラサキイカ、標準和名はアカイカだが、常磐ではゴウドウイカ、漁師の間ではバカイカとも呼ばれている。
このイカは比較的暖かい海の深海に多く生息している。だから、このイカを釣るには水深300m以上の深場で夜釣りをするのが一般的だ。
関東圏では、常磐エリア、鹿島沖や那珂湊沖で古くから夏から秋にかけて盛んにこのイカ釣りが行われているが、駿河湾でもよく釣れる。
このムラサキイカに目をつけ、今、北陸や西日本で大流行のメタルスッテで狙っているのが、清水「大宝丸」の長橋寿光船長だ。
「うちではバカイカって呼んでるけど、港から出て15分くらいのところで釣れるもんで、地元の釣り人を中心にすごい人気なんですよ。多いときは短時間で入れ乗りになるし、スジイカは確実に釣れますからね」と、話す長橋船長は、操船の片手間に
「ホラ、こうやって釣るのですよ」と言って、大型ムラサキイカの一荷を見せてくれた。
「メタルスッテは10〜15号をベースに赤白カラーだけで十分ですよ。大事なのは水中ライト。よく点滅するやつでブルーか白を用意してください」とアドバイス。誰にでもカンタンに釣れるという。
このイカは一見グロテスクだが、火を通して食べるととても軟らかくて甘みが強くおいしい。スジイカも煮付けがオススメだ。流行のメタルスッテを体験したい人はとくに、いま、この夜ムラサキイカ釣りへ行こう!
ムラサキイカメタルスッテ。スッテはグロー系、一番実績大は赤白

イカメタルゲームのタックルは、西日本や北陸で使われているものでオーケー。オモリとなるメタルスッテのサイズは10〜15号と標準的なものでよい。
基本はスッテ数は合計で2本だが、3本で釣る人も多いという。
3本以上の複数のスッテを使う場合、気をつけなくてはいけないのが、仕掛けの長さだ。水中ライトから下、メタルスッテまでの仕掛けの全長が竿の長さと同じくらいにするというもの。
スッテ3本仕掛けの場合、仕掛けが竿の長さより長いと、取り込みのたびに竿をどこかしらに置いてから取り込まなくてはいけなくなる。
理想は竿を持っての一気抜き上げ。こうすることで、手返しが早くなるのだ。
多少、枝間が短くなってもハリスが短くても、乗りにはさほど影響がないとうことだ。
長橋船長は、仕掛けはハリス6号でよいという。ムラサキイカがハリスの太さを見ているわけではないし、根掛かりの心配もないからだという。
長橋船長と地元の常連さんが使うスッテは、なんとスッテの超ド定番、赤白。白の布地に赤帽子がほどこしてあるものだ。メタルスッテも、枝の浮きスッテもすべてコレ。
「いつもこれで釣れるし、まあ、この赤白スッテしか持ってない、というのが正直なところかな(大笑)」と船長。
実際、赤白のみでかなり釣れる。どんなカラーにも乗るだろうが、アピール度をアップさせたいのなら、カラーはグロー系、もしくはスッテのサイズを大きくするとよい。
この清水沖でムラサキイカを釣るのに絶対忘れてはいけないのが、水中ライトだ。しかも、点滅式で光量が多いものほどいいという。
「ライトがあるとなしでは、10対1ぐらい釣果に差が出ることもザラですよ」と船長が話すほど。
「ライトの色は青が定番ですが、白に反応がよいこともあります。この2色を使い分けるとよいでしょう」
LTタックルでは、深場用の大型ライトはNG。抵抗の少ない小型の水中ライトを選択しよう。
仕掛けへの装着の仕方は、好みでよいが、長橋船長オススメは直結という。抵抗が少ないうえにオマツリ防止になるからだ。このライトは、オマツリなどのトラブルなどにより道糸の高切れでロストもあるので、必ず数個持参するように。
駿河湾清水沖の夜ムラサキイカ釣り。水深は500m前後の深海だ

清水沖のムラサキイカは、半夜釣りだ。水中集魚灯を入れるわけでもなく、作業灯のみで釣れるという。
ポイントは港から約15〜20分の清水沖。水深は500m前後。特産のサクラエビが獲れる海域だけに、夜になると深海からプランクトンが湧きあがる。それを求めて、サクラエビやシラス、ムラサキイカも深場から浮上してくるという。
ルアーでは、ほぼ同じポイントでサットウやバラムツが釣れるという。
船はスパンカーを立ててのエンジン潮流しだ。だから、各釣り座の釣り人の道糸がたつので、よほどのことがないかぎり、ひどいオマツリはない。
ポイントの水深は500mという深海だが、タナは意外と浅い。水深50mより上だ。
乗りがよいときは水深10m前後で入れ乗りになることも珍しくない。
夜ムラサキイカの釣り方。誘いアクションはさまざま。必ず止めの時間を多くする

ムラサキイカはどちらかというと獰猛なイメージがあるので、ジギングのようにシャクってもガンガン乗ってくると思われるが、そうではない。
群れで泳いでいるようで、タナは意外とシビアだ。
探るタナは、水深50mより上。まず、50mまで仕掛けを落とし、その周辺を探る。シャクリ上げ後すぐ竿をもどす、スッテのリフト&フォールで十分。大事なのは、その後、止めを入れること。フォール中に乗ることは多いが、リフト中に乗ることは少ない。止め=食わせの時間を長めにとることが、このイカのキモ。
タナを変えるときは、ただ巻きかゆっくり目のジギングのワンピッチジャークを行う。目安は5m刻みで探るようにする。
周りでムラサキイカが乗ったら必ずその水深を聞こう。そこがタナだからだ。
乗りがよいときはタナは水深10〜20mと浅め、渋いときは水深40〜50mと深いことが多い。
ヒットしたら、引きを楽しみながらあげよう。想像以上に強い引きが味わえる。
数杯釣り上げたら、必ずハリスの傷をチェック。傷が付いていたら、ハリスは新しいものと交換することを忘れずにしたい。
以上の記事は「つり丸」2016年10月1日号の掲載記事です。
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集合は18時。夕暮れの巴川河口から出船