いきなりの照り込みでグングン活性上昇中! これが照りゴチだ!


「グッ、グッ」程度の前アタリでアワセちゃダメ。スッポ抜けるだけだ。その後、「ググーッ」と重い引き込みがきたら本アタリだ。そこまでガマン、ガマン

︎本アタリがきたら魚の重みを竿に乗っけるように、しっかり強い大アワセを入れてハリ掛かりさせる

キター! 前アタリをガマンして、ジリジリしながら食い込みを待ち、アワせて掛けたこの瞬間、これがマゴチ釣りの醍醐味

この日最大の丸々太った58cmの大型。夏場はアタリが多い分中小型もまじるものの、ドカンと60㎝オーバーも食ってくる。アタリを外さず掛けていれば、いずれ大型に出会える

常連さんは大型含みで3本!

この日は食いがかなり渋かったが、“なおちん”こと井上直美ちゃんも打率10割で2本ゲット

ここ数年、マゴチの外道に数まじるようになったというヒラメ。船長曰く、かなり個体数が増えているとのこと。東京湾はエサが豊富だからか、バツグンに味がいいという

エサは春先からここまでサイマキを使ってきたが、これから夏はハゼエサがメイン。ハリは上アゴに刺し通すだけだからカンタン

今回、取材にご協力いただいたのは、神奈川・新子安恵比須橋「だてまき丸」。
夏の東京湾といえばマゴチ釣り。最近では春先から乗合船が出船するが、やはり本番は夏。ギラギラ太陽が照り付ける「照りゴチ」シーズンだ。そんなマゴチを看板にするのが、新子安・恵比須橋の「だてまき丸」。
「梅雨前後はマゴチの産卵期で一時食いが落ちるんです。アタリが少なくなって難しくなりますね」。そう話す宮地至人船長。実は取材日はまさに梅雨の真っただ中。それでも58㎝の大型まじりでトップ3本の釣果だった。
「まあ、今はこんな感じですよ。でも梅雨が明けたら食いはグンと良くなりますよ!」と船長は話す。
そしてご存知の通り、今年は異例の早さで関東地方は梅雨明け。例年夏場の本格シーズンはトップ2ケタもある「だてまき丸」。今年の早い梅雨明けで、東京湾のマゴチは一気にボルテージが上がっているぞ!
マゴチ仕掛け。これからはハゼエサ、エサ付けも上アゴにチョン掛けで簡単!

3月から6月下旬ごろまではエサはサイマキ(小型の車エビ)を使うが、今後はハゼを使うようになる。サイマキは弱らないようにエサ付けするのにちょっと慣れが必要で、エサ付け次第で釣果を左右するとも言われるのだが、ハゼは上アゴにハリをチョン掛けするだけなのでカンタン。エサ付けのハードルが低い分、これからのマゴチ釣りはビギナーにもチャンスが大きくなるはずだ。
サイマキエサの場合はマゴチバリ、セイゴバリなどを使うが、ハゼエサの場合はカイヅバリやチヌバリなどを使用する。カイヅバリは14号くらい、チヌバリなら5号くらいだ。それにハリス5号を1.5m、というのが「だてまき丸」の標準仕掛け。オモリは三日月型の15号。竿は2.1~2.5m前後のマゴチ専用竿のほか、2m前後のライトゲームロッドもOK。小さな前アタリも感知でき、食い込みを助けてくれる敏感で柔軟な穂先と、しっかりアワセが効く張りのある胴、これを併せ持つ竿が理想だ。リールは小型軽量な両軸リール、道糸はPE1.5~2号。強いアワセが必要なので、あまり細いPEだとアワセ切れの可能性もある。
タナの取り方。タナ取りは海底から1m上の位置にオモリが基本だ

タナ取りは海底から1m上の位置にオモリがくるようにするのが基本。以下のような方法なら正確、かつ簡単にタナ取りができる。
仕掛けを投入しオモリが着底したら素早く糸フケを取り、オモリが着いたまま竿先が海面の位置にくるようにする。ここから竿先を1m持ち上げれば、タナ取りは完了だ。
ハリス1.5mで1mのタナ取りなのでまだ50㎝の余裕があり、ハゼは海底付近を這うようなイメージだ。
アタリを出すためには、このタナ取りをこまめに行うのが大切。だいたい30秒に1回くらいの間隔で頻繁に行いたい。
前述のタナ取り方法で1m竿先を上げるとき、軽くシャクり上げるようにスッと素早く動かすとハリスがピンと張ったときにハゼがピュン! と海底で横移動する。この動きがマゴチにかなりアピールすると船長は言う。実際、タナ取り直後にアタリが出ることは多いのだ。
アタリからアワセ。まめなタナ取りでアタリを出してタイミングを合わす

この釣りで一番難しいところであり、楽しい部分でもあるのが、前アタリからアワセまでの攻防。
「コツ」という小さなアタリはマゴチがエサの尻尾など一部を咥えただけで、ここでアワせてもほぼスッポ抜ける。
「グッ」「グッ」とやや強い引き込みがあっても、それはエサを徐々にのみ込んでいる段階で必ずしもハリの部分まで咥えているとは限らない。この段階では引き込む幅に合わせて竿先を送り込んで食い込ませてやるというのが基本対応だ。
さらに「ググーッ」と魚の重さが乗るような重量感のある引き込みがきたら本アタリ。ここでアワセ! というのがセオリーだ。
アワセは強く大きく、マゴチの硬い口にハリを貫通させるように。
ここだというタイミングなのに弱気の聞きアワセはNG。ハリ掛かりしていない場合はエサを放して逃げてしまう。
ただし前述したアタリからアワセまでの流れはあくまでセオリー。実際は、なかなかセオリー通りに食い込んでくれないことも多い。
潮が速いときは食い込まないままどんどん船が流れてしまう。そんなときはリールのクラッチを切り、糸を出してやるのも手だ。
また、いくら待っても食い込まない場合は、ゆっくり聞き上げてみるのもいい。エサが逃げると思って、ここでギュンと食い込むこともあるし、「スカッ」と外してしまうことも多い。
アワセ時の判断はなかなかに難しいが、それがマゴチ釣りの醍醐味。これから照りゴチシーズンはアタリが多くなってくる。まめにタナ取りをしてアタリを出して、アワセのタイミングで悩みまくろ!
以上の記事は「つり丸」2018年8月1日号の掲載記事です。
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「照りゴチ」とも言われる東京湾の夏のマゴチ釣り。梅雨明け以降、マゴチの食いは活発になり、アタリがグングン増えてゆく。これからシーズン本番だ