フラッシャーサビキで激うまトロサバ


今回、取材にご協力いただいたのは、千葉・勝浦港「勝丸」。
釣行日は9月2日の日曜日。当日の予報は終日雨で、道中もアクアラインから大多喜あたりまでは強い雨が降ったり止んだりといった具合だったのだが、勝浦周辺は晴れて星空がのぞく好天。さすがは晴れ男! とは誰もほめてくれないので自画自賛して船に乗り込む。
予約客全員がそろい、準備が整ったところで出船。辺りはまだ暗く、私の数少ない識別可能な星座「オリオン座」を眺めながら釣り場へと向かった。その昔、田舎に同名の映画館があったなー。そんでもってあの娘と一緒に…、いやいやオリオン座はピンク映画専門だったっけ…と愚にもつかない懐古をしているうちに釣り場に到着。「タナは100から140m」で現実へと引き戻される。
ぼけ〜としていた分、皆さんよりひとテンポ遅れてフラッシャーサビキを投入。先に投入した人達はアタリなく着底したようだ。え〜? 勝浦沖のアジ・サバは釣り放題なんじゃないの? と予想外の展開。
そんなはずじゃあ、と半信半疑に100m付近からサミングし仕掛けを止めながら落としていくと、120mで糸の出が止まった。すかさずクラッチを入れると、竿はガタガタと叩かれる。
でしょう! やっぱ勝浦沖はこうでなくっちゃ! で上がって来たのは、大サバ2本を含んでのゴマサバの5点掛け。大型の物は丸々太って実に旨そうなサバだ(実際、食べたら脂の乗り抜群でトロトロでした)。
これを機に周りでもサバが上がり出す。しかしこの日は上っ潮が速く、また二枚潮気味。ただでさえオマツリは付き物のサバ釣りだけに、あちらこちらでオマツリが多発するが、「勝丸」では浜田勝美大船長と陽平若船長が仲乗りで乗船しており、オマツリほどきに八面六臂の大活躍がありがたい。
イカ狙いに変えるも乗りはムムム…

しかしどうしたことかサバの食いはその後下火となり、船中ポツポツのこれまた意外な? 展開。それを見てか朝行船長からは「イカをやる人は仕掛けを替えてやってもいいですよ」とアナウンスが出る。しかし反応は相当あるらしいのだが、サバもイカもイマイチで早々にスルメイカ専門に狙うことに決定。少々沖目のポイントへと移動する。
私もピッカピカ針18㎝ブルーとピンク2色交互の直結10本バリ仕掛け『外房スペシャル』(といってもスルメはどのエリアでもこれだけど…)で参戦する。しかし張り切って海底から50m程上まで強めの電動シャクリを繰り返すが、ウンもなければスンもない。船中でもブランコ仕掛けの方に時折1杯乗る、といったサバ同様のムムム…な展開だ。
これを見て方針変更。底を中心に大シャクリの後一気に竿先を下げ、中オモリを利用して仕掛けをたるませることを意識した誘いでようやく2杯掛け。やれやれではあるが、勝浦本来のイカ釣りではない。左舷胴の間で竿を出していた大船長も「昨日は定休日だったけど、金曜日までは底に仕掛けを落とせば乗るって感じだったんだけどねー」と渋い顔だ。
乗り上向いて6点掛け…重くてクーラーが持てない

スルメの重さで電動リールが巻けなくなった!

多点掛けも多い。リレーでも、いい日はトップ50〜60杯。

勝浦沖の大型スルメは今後もまだまだ楽しめそう。
それでも8時近くになって乗りが上向いた。相変わらず底ダナ中心での乗りだが、3点、4点の多点掛けも多くなる。胴調子気味の竿を使っていた隣人氏は「電動リール止まっちゃったよー」と手巻きで巻いて5点掛けを披露してくれた。なにせ大型のイカが多く、この日私の最高多点掛けは6杯掛けだったが、旧型とはいえ私のイカ専用ハイパワーリールも途中で音を上げブレーカーが落ちたほど。乗りが上向くのとほぼ同時に雨も降り出し、時に土砂降りにもなるが「モーターの冷却にちょうど良い」と、乗りさえ良ければ気にならないから現金なものだ。
200m前後の水深で終始底中心での乗りだったこと、また後半戦はサメの回遊があり、あともうちょっとの水深20〜30mでウバ食いされることも。乗り具合の割に数は伸び悩んだが、それでも私の釣果は30杯ちょうど。実釣4時間足らずのイカ釣りとしては上出来。
しかも前述通りの大型イカ中心で、サバと合わせクーラーは一人では持てないほどで、これぞ勝浦沖のイカ釣り! を堪能した次第。あれほど振った雨も帰港時には上がり、着替えや荷物の積み込みに支障はなく、やっぱり俺は晴れ男! の思いを強くし大満足で勝浦を後にしたのだった。
以上の記事は「つり丸」2012年10月1日号の掲載情報です。
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フラッシャーサビキでは脂の乗った「トロ」ゴマサバが!