9月10月はベストシーズン! 乗っ込みアカムツを誘いを駆使してキャッチ!

三沢氏の仕掛けはいたってシンプルだ。ハリスのアピールアイテムはマシュマロボールLサイズを1ヶ付けるのみ。ハリは太字ムツ18号を使用。
中オモリは10号を必ず付けるのが、彼の仕掛けの特徴のひとつだ。
魚に一番近いエサは、アカムツ釣りの基本系とされる、ホタルイカゲソとサバの切り身の抱き合わせのみ。カンネコ根ではあまりエサは特別なことはしないという。
さて、ここからが彼のテクニックの肝だ。
まずは一連の動作を説明しよう。
仕掛けを投入し、オモリが着底したら、すぐさま糸フケをとる。
オモリを30㎝ほど浮かすつもりで竿を50㎝の持ち上げるように3〜5回ほどシャクル。これはアカムツへのアピールとオモリの移動を期待してのこと。
その後、オモリを着底させタルマセをさせるため道糸を50㎝〜1mほど送り込み、ゼロテンションでアタリをまつ。
船は移動しているので、ゼロテンで静止して待っても、幹糸は少しずつ張っていく。
アタリがこの間に最もアタリが出るという。イメージとしては中オモリを利用して、仕掛けを寝かせてエサをフォールさせ、再び幹糸がテンションが掛かる間にエサがフワフワしているときにアカムツがエサをバイトする、というイメージだ。この状況をできるだけ多く作り出すのが三沢氏の釣りだという。
この一連の動作でアタリがなければ、50㎝のシャクリ(誘い)⇒タルマセ(誘い&食わせ)⇒ゼロテン(食わせ)を繰り返すという。
アカムツの活性が高いときには誘い動作(シャクリ)を多めに取り入れ、なかなかアタリが出ない、食わないときにはできるだけ静かに釣ることをこころがけているという

波崎沖のアカムツ釣りのレジェンド、栂安政信氏は現在のアカムツの達人たちの師匠格。この名人の釣り方を真似て誘いのアカムツ釣りが始まったといわれている。
現在も現役で週2日はアカムツ釣りを欠かせない栂安氏。今年はすでに深場からあわせると350匹以上のアカムツを釣り上げている。
彼のスタイルは、アワセて掛けていくというもの。アタリが出たら即アワセで勝負しているという。さてどういう釣り方なのか。
栂安氏の仕掛けもシンプルだ。まずはステ糸の長さ。1mを基準とし、アカムツの産卵期には60㎝とさらに短くするという。どうしてか。
産卵期に入るとアカムツはベタ底にいることが多くなるからだという。ドンコがもちろん少ないポイントでのことだが、このドンコが大変多いときのみ、ステ糸を120㎝にする。
中オモリは必要なしという。それは、仕掛けが2本バリだから。3本バリ仕掛けからは、中オモリを付けるという。
ハリは〝掛ける〟を目論んでいるため、好んで使うのはすべて細軸ハリだ。
栂安氏もエサは基本系であるサバの切り身とホタルイカゲソの組み合わせだ。近年取り入れているのが、ホタルイカエサの加工。それはどういうものか。
簡単にいうとゲソと肝を外れにくくする工夫というのが正解だ。
ホタルイカのエンペラを引っ張ってツボ抜きするのではなく、中骨を残した形でツボをハサミでカットするという。ハリをゲソから刺しツボの端に針先を刺し抜くことで、肝がなかなか外れにくくなるという。集魚効果があるイカの肝を高確率でアカムツの目の前に持っていくという目論みである。
このカット作業を出船後、ポイントに着くまでにやっておき、少しずつクーラーから出してエサ付けしているという。
波崎沖カンネコ根・アカムツの釣行レポート

「第3信栄丸」は19トンの大型船。釣り座も広々としている

不動のエース 三沢育正氏「魚を寄せて食わせるんだ」

三沢さんのエサはコレ。サバの切り身とホタルイカゲソの組み合わせのみ

このゼロテンションの間がカギだ

貴重なアカムツはタモ入れが基本

本命ゲットに思わずにっこり!

乗船するたびにその船の竿頭を高確率で維持する三沢さん

栂安氏の特エサはホタルイカ。ツボ抜きせずハサミでカットしておく

波崎沖のアカムツ釣りのレジェンドである栂安政信さん。現在の釣法はこの名人の釣りをベースにして考えられたといっても過言ではない。すでに今年は350匹以上のアカムツをキャッチしているという

カンネコ根秋のシーズンでは初の40㎝オーバーがコレ。こんなサイズがまじるようになる

名人クラスの常連さんは良型を連発中

レギュラーサイズがコレだ

誘って釣る!

ダブルヒットもザラ!

釣りごたえ十分!

高級ゲストのアラ

今期は大型のドンコがよくまじる

アカムツは5匹前後釣れれば御の字のターゲット

栂安氏は良型ばかりキャッチ!

ハイパワーの最新型のリールにはリチウムイオンバッテリーを使う

今回、取材にご協力いただいたのは、茨城・波崎「信栄丸」。
波崎沖のカンネコ根では乗っ込みアカムツが最盛期を迎えている。例年、6月〜11月に産卵のために深場からこの根周辺水深110m〜150mにアカムツが回遊。例年9月10月が最盛期で、数だけでなく良型を釣ることが可能だ。
「冬から春には犬吠埼沖水深150〜300mの深場でアカムツがよく釣れてましたけど、その感覚でカンネコ根のアカムツを釣ると、あまり釣れないかも知れませんねぇ」とは、波崎「信栄丸」の高野宏之船長の言葉。カンネコ根周辺では、誘いが釣果のカギを握る。
深場では仕掛けを落とせば、簡単にヒットすることが多かったが、カンネコ根では誘い後の食わせの間をいかに上手に組み合わせるかが、釣果のカギを握るという。近年の流行はタックル、仕掛けはシンプル。より誘い動作に重きが置かれているのだ。今年のアカムツは誘って釣ろう!
三沢育正さんのアカムツ釣り。中オモリで意図的に仕掛けを動かす

まずは一連の動作を説明しよう。
仕掛けを投入し、オモリが着底したら、すぐさま糸フケをとる。
オモリを30㎝ほど浮かすつもりで竿を50㎝の持ち上げるように3〜5回ほどシャクル。これはアカムツへのアピールとオモリの移動を期待してのこと。
その後、オモリを着底させタルマセをさせるため道糸を50㎝〜1mほど送り込み、ゼロテンションでアタリをまつ。
船は移動しているので、ゼロテンで静止して待っても、幹糸は少しずつ張っていく。
アタリがこの間に最もアタリが出るという。イメージとしては中オモリを利用して、仕掛けを寝かせてエサをフォールさせ、再び幹糸がテンションが掛かる間にエサがフワフワしているときにアカムツがエサをバイトする、というイメージだ。この状況をできるだけ多く作り出すのが三沢氏の釣りだという。
この一連の動作でアタリがなければ、50㎝のシャクリ(誘い)⇒タルマセ(誘い&食わせ)⇒ゼロテン(食わせ)を繰り返すという。
アカムツの活性が高いときには誘い動作(シャクリ)を多めに取り入れ、なかなかアタリが出ない、食わないときにはできるだけ静かに釣ることをこころがけているという。
レジェンド栂安政信さんのアカムツ釣り。常に動かし続ける釣り

名人の釣り方だが、レジェンドの釣りはやはり流行りのものとは少し異なる。
仕掛けが着底したらオモリをまず1〜1.5m上げるようにシャクル。竿の長さをめいっぱい利用して大きめにシャクルイメージだ。
数回シャクりオモリを着底させたら、すぐに1mほどタルマセる。3秒〜5秒ほど待ち、アタリがなければ、再度シャクリを入れて、この一連の動作を繰り返す。そして、けして置き竿にはしない。
アタリが出たら即アワセが基本。アタリが大きいやつほど、個体は小さく、アタリが小さいほど個体が大きい傾向があるという。
「アタリが出てから一呼吸待ってからアワセを入れるってみんな言ってるけど、アタリが出たときはすでにエサを飲み込んでいるんだよね。だから、即アワセでいいんじゃない」と栂安氏は話す。
釣果データからすると、近年、確かに栂安氏が釣れる日とあまり釣れない日があるというが、7回中5回は竿頭をとっているというので、けしてこの攻めの誘い釣法が間違ってはいないというのが理解できるだろう。栂安氏が求めるのは、「コンスタントに釣れる釣法」という。まさに、このスタイルがそれに当てはまっているのだ。
以上の記事は「つり丸」2018年10月1日号の掲載記事です。
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