竜一丸マダイ仕掛け。ショートのハリスとロッドを使ってさらに楽しむ

南房エリアのコマセマダイ釣りは、ハリス長6〜7mの短めのものを使うのが主流。オキアミコマセもドバまきが基本だ。コマセ釣りの原点のようなもので、タナ付近でコマセと付けエサを同調させて、コマセのなかに入ってきた活性の高い個体を釣り上げるというものである。
「竜一丸」も例外ではなく、この釣り方でマダイを狙っている。
「うちは3月〜7月の行うイサキ釣りのお客さんが多いので、タックルはそのままで仕掛けをマダイ用に換えて、イサキの釣り方でマダイが釣れれば理想と考えてます」と竜一船長は話す。つまり、タックルは基本的にイサキタックルなのだ。
この考えから操作性のよい2m前後のショートロッドがコマセマダイ釣りでも主流となっているのだ。
近年さらに魚とのやり取りを楽しむために、電動リールではなく、ジギング用の高性能ドラグを搭載したハイギアタイプの両軸リール使用も船長は推奨している。
スムーズなドラグのすべりだしは、この手のリールの最大の魅力。不意な大型とのやり取りにも対応でき、手巻きリールといっても回収のスピードが速いのでタナの深さが40m以浅の海域ではなんら問題はないという。いまでは常連アングラーのスタンダートタックルとなっている。
オキアミコマセマダイの釣り方は、全国的にハリス長10mを使用したものが主流だ。しかし、「竜一丸」では、6m前後のショートハリス、2㎜径30㎝ショートゴムクッションを推奨している。
「ハリスの長さは昔は5mだったけど、いまは6.5mだね。ハリスが長くなったのは、そっちのほうがマダイのヒット率が高いから。だんだん魚もスレてきてるのだろうね。クッションゴムは万が一の保険みたいなもの。長すぎるものは魚の引きを吸収してしまうからね。ショートロッドで引きを楽しむのだから、魚の引きは手元に伝わったほうがいいでしょ」と竜一船長。
ビシはプラカゴとオモリ60号の組み合わせ。ポイントの水深が深くなるとオモリは80号を使用する。
「竜一丸」では、指示ダナ周辺に確実にコマセを漂わすことを目的としているため、カゴの窓調整は全開が基本。
「この時期はエサ取り魚が多いからコマセを絞りたくなるだろうけど、うちは常にドカまきです。指示ダナ付近にオキアミコマセが常に漂う状況をつくることで魚の状態を判断するだけでなく、海中の潮の流れも分かります。ポイントもマメにかえますから。他の船はほとんどやらない地先の海だからこそ、できる釣法。漁場を私たちが作っているからやっぱりコマセはまかなきゃね」とのことだ。
南房・西川名沖 コマセマダイ釣行レポート

午前船では朝マヅメのゴールデンタイムを実釣可能

このマダイたちがすべて活性が高いと入れ食いになる

コマセの帯の中に突っ込むマダイが映し出されていた

ショートロッドが主流である「竜一丸」。理由は楽しいから。ぜひこの感覚を多くの釣り人に味わってもらいたい

このサイズが数釣れている

数釣りモードで炸裂中

女性アングラーでもこのサイズが釣れるぞ!

朝一番に集中! マダイ高確率ヒット中!

ドンっと来る大ダイに注意!

大型はとくに早アワセは禁物だ

レンタルタックルで本命キャッチ

大物釣り師も満喫できる

綺麗な魚体に惚れ惚れする

数釣りの釣果はこの通り

こんなに釣れたよ!

たくさん釣れるから楽しい!

多彩なゲストがまじる西川名沖。浅場ではメジナや良型イサキが来る

さすがは南房! と思わせるヤガラがヒット

強い引きには要注意! ワラサも回遊中

嬉しいゲスト

おいしいイシガキダイ

表層と中層のエサ取り魚はソウダガツオ。すばやく取り込もう

午後船のクライマックスは沖揚がり間際。この時間帯には何かが起こる⁉︎ ハリスのキズのチェックを忘れずに!

ビシとテンビンは船宿でレンタルできる

今回、取材にご協力いただいたのは、千葉・南房西川名港「竜一丸」。
7月から解禁している南房のコマセマダイ釣りだが、秋の本格シーズンが始まっている。この季節の特徴は、多彩なゲストまじりで食べごろマダイが数釣れること。今期はまさにその定番の状況がピタリと当てはまっている。
「西川名沖と平砂浦沖のマダイの反応はすごく多いんだけどね。今年はなかなか食わないこともあります。しかし、いったんスイッチが入るとかなりいい感じに食いますよ」とは、オリジナルの釣法で誰にでもマダイを釣らせている西川名港「竜一丸」の安西竜一船長の言葉。
独特の釣法とは、ハリス長6m1本バリでオキアミコマセマダイ釣りとしてはやや短めの仕掛けを用い、船長の指示ダナ下3mの間にだけコマセを振り出してマダイを釣るというもの。ビシのオモリは60号なのでコマセの振り出しも楽に行え、イサキ釣りとほぼ同じ感覚なのでビギナーエントリーにも最適だ。
気になる大ダイだが、例年、ドンっと釣れ始めるのは10月半ばころ。今シーズンは海が遅れているので11月から大型マダイが連発するかもしれない。
竜一船長がすすめる、ショートロッドのコマセマダイ釣りでマダイの引きをよりダイレクトに味わい、120%楽しみたいなら、この南房がオススメだ。
竜一丸の釣り方&誘い方。指示ダナより3m下から数回に分けてコマセを出す

「竜一丸」では、マダイの釣り方は大変シンプルでカンタンだ。
竜一船長からポイントへ入るたびに、「○○mの○×m、海面から○×mでアタリを待ってください」とアナウンスが出る。
具体的には、
「33の30、水深33mからコマセを振って、海面から30mでアタリを待ってください」
指示ダナが30mであれば、その3m下から2〜3回ほどコマセを振り出して、タナでアタリを待つというもの。
コマセに反応したやる気ある魚を迎撃しようとする船長の意図がこのコマセのまき方にあるのだ。
「魚の活性にあわせて、タナは決めてます。魚探にはコマセがはっきりと映りますからね。魚たちもそのコマセにどのように反応しているかもよく分かるんですよ」と船長。
竜一船長が、「なんかヤバイ気がする」とうニュアンスの言葉を船上に発したらそれが大ダイヒットのチャンスと思ってよい。
そんなアナウンスが出たら、ハリスのチェックは必ずしておきたい。
ハリのチモトを指でなでるように掴みキズがあるかどうかを確認。少しでもザラつきがあるようなら、ハリスを結びなおすようにする。
この作業が一発大ダイをキャッチできるかどうかの分かれ目にもなる。とくに、朝マヅメと夕マヅメ時は、やっておきたい作業である。
食いに応じてアワセ方を変える。食い渋り時は早アワセは禁物

「今期のマダイはハリ掛かりが浅くてよくバレるんですよ」という。
その対策として、マダイの活性が低いときなどは、
「アタリがでたら、すぐにアワせず2度3度、いや、4回5回6回7回としつこいくらい魚が引っ張って竿が曲がったことを確認してからアワセを入れるようにしてください」と竜一船長は話す。
マダイの食いが浅いときは、アタリがでてから一度ハリを胃のなかに飲み込ますぐらいの気持ちで待って、その後、アワせてハリ掛かりさせるという目論みという。
もちろん、高活性時は即アワセでOK。状況に応じてアワセ方を変えるようにしよう。
以上の記事は「つり丸」2018年11月15日号の掲載記事です。
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