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釣果の差は小突き方にあり! 鹿島沖・餌木タコタックル(幸栄丸)

釣果の差は小突き方にあり! 鹿島沖・餌木タコタックル(幸栄丸)

乗合船でブレイクした餌木タコ釣り。フグ船なのにほぼ全員タコ釣りをしていたというほどのタコの人気ぶりだった。さて、今期はというと、鹿島「幸栄丸」では、われ先にと10月20日に試し釣りを開始。その釣れっぷりに火がつき、連日多くのタコファンが鹿島港へ押し寄せている。

perm_media 《画像ギャラリー》釣果の差は小突き方にあり! 鹿島沖・餌木タコタックル(幸栄丸)の画像をチェック! navigate_next

海底で2つの餌木を小突いてマダコを誘惑! 高アピールをしよう!

ヒラメが解禁したのにも関わらず連日マダコ乗合も大人気

タックルは青物ジギングタックルの流用ができる。レンタルタックルはコレだ

ロッドは小突き釣りをするため、先調子のものを選択。フグやカレイ竿がオススメ

ポイントに入ると次々にヒットするマダコ。仕掛けを底から浮かさない小突きの誘いをしよう

初チャレンジでツ抜け達成!

タコは群れているので同時ヒットもめずらしくない

水面での抜き上げ時にタコが外れることが多いので必ずタモ入れしよう

年末は渡りの良型ダコシーズン!

大型タコ対策をしよう!

釣って楽しい! 食べて美味しい!

このサイズなら問題なし!

こちらは白の餌木にヒット

レンタルタックルで初挑戦のアングラーの釣果はこの通り

タコが石を抱いてあがってくるので、タコの重量よりかなり重たいことがある

餌木2個付け仕掛け

餌木2個付けが基本だが、カラーは白系がマスト。もうひとつはアピール系カラーを選択しよう

餌木は白系が基本というとおり、白の餌木をよく抱いてあがってくる

タコの吸盤の張り付き注意!

今回、取材にご協力いただいたのは、茨城・鹿島「幸栄丸」。

「昨年の経験を生かして、フグと同船ではなくマダコ専門船で出船しています。人気のヒラメと同時にマダコ乗合を釣れるかぎり年末年始まで出船する予定です」とは、マダコ船を担当する梅林将人船長。

通常ならカニを巻きつけたテンヤを使用するが、ブレイクのカギは“餌木”。全国的には夏の釣り物として人気を博しているが、鹿島北沖ではいまが旬だ。

餌木は2個付けが基本。1本目は白がマスト。2本目はアピール系でさまざまなものが使える。

釣り方は簡単。オモリが底から浮かないように丁寧に竿で小突いてタコにアピール。そして、根掛かりと思ったらヒットした証拠。どうにかこうにか、地面に張り付いたタコをはがし、ひたすら重いものを巻き上げるだけ。

タックルもさまざまなものが使える。ジギング用、フグ用、カレイ用などがそれ。注意すべきは道糸は2号以上、そしてリールは力があるもの使うこと。

とにかく、釣って楽しいのはむろん、なにせ食べておいしい常磐沖マダコ。冷凍保存も効くので年末年始用にも最適だ。

餌木タコタックル。なぜ頑丈なタックルがこの釣りに必要なのか?

ポイントとなる鹿島北沖は、海底はゴロタ石。根掛かりはほとんどないところだが、タコがヒットするとタコは吸盤をつかって地面に這いつくばる。このゴロタ石にタコが掴まっているので、タコだけでなく石も同時にあげてくることが多い。小さなタコであっても大きな漬物石みたいなものを抱いてあがってくることも珍しくなく、想像以上の重量と抵抗となるのでバッドパワーが必須となるのだ。

さらに、カレイ釣りと同様な小突き釣りをするので、小突きやすい先調子のものがベター。操作性を考えて竿の長さも短め、2m前後のものがよい。

リールは水深が20~40‌mとなると小型両軸リールを想像するだろうが、なにせヒット時の巻き上げは〝重い〟。だから、ある程度の大きさがありパワーがあるものが望ましい。こんなことから、船宿では青物ジギング用のタックルがそのまま流用されているのだ。

両軸リールであれば、やはりハイギアタイプの両軸用、もしくは軽量の小型電動リールでOK。道糸は2~3号が望ましい。1号以下は根掛かりと間違うようなヒット時に高切れする可能性がありあまりオススメでない。

ジギング用だと、ヒットしてからは楽に回収可能だが、より繊細にアタリをとりたいと思うなら、フグ用もしくカレイ用タックルを選択する。

どちらも先調子であり、30~50号のオモリに対応している設定の竿がほとんど。操作性もよく、バッドパワーはどちらもあるので餌木タコ釣りに向いているのだ。


使用するオモリは30号がベース。潮の流れがゆるいときなどはこれでよいが、船長はあまりにも潮が流れないと横流しにすることが多い。こんなときは、船下に道糸が入り込む風下側の釣り座になった場合、ヒラメの横流し釣りと同様、オモリを40~60号の間で重くするとよい。また、ウネリなどがあるときは、仕掛けが浮きあがりやすいので、こんなときもオモリを重くするとよい。


仕掛けだが、肝となるのは餌木。2つの餌木のうち、ひとつは白系の餌木を必ず付けよう。マダコは白いものに非常に高い興味を示す傾向があるからだ。もうひとつの餌木は好みでOK。餌木のサイズはまちまちだが、アオリイカと同じく3.5号あたりが標準となっている。

さらにシンカーの付いたスイベルの先にリーダーを介すが、スイベルから約30‌㎝上あたりにティーザーとなる集器を付けるのが流行りだ。

昔からスーパーの袋を細長く切って束ねたものがマダコの興味を引くといわれており、ケイムラシートやゴールド、シルバーのシートを集器として付けるのもよい。大きめのタコベイトも効果があるといわれている。ようするに、派手なものをタコは好むということだ。


使用している餌木の背に生エサを巻きつけるのもよい。エサは一般的には鳥のササミの塩漬けやブタの脂身、サンマなどだが、サバの切り身やマイワシなどでもよい。これらを専用の針金などで餌木にくくりつけるだけ。エサがあることで、匂い効果を発揮するだけでなく、一度抱いたらなかなか餌木を離さなくなることも分かっている。乗りが渋くなってきたときにぜひ試してみてほしい。

ただし、餌木そのものの動きは悪くなり、動きで寄せる効果は減少することも理解しておこう。

餌木タコの釣り方&取り込み後のタコの扱い方

釣り方だが、ざっくばらんに言うとカレイの小突き釣法と同じといってよい。

そもそもカレイ釣りをやったことない人にとっては何のこと? だろうが、オモリを海底で浮き上がらないように、つまりオモリを寝起きさせるくらい、もしくは数㎝浮かすくらいの気持ちで1秒に1回から2回、小突き動作を行い続ける誘いのことだ。

「ウネリがあるときなど、釣れない人は仕掛けが浮いてしまっているだけです。オモリを浮かさないようにするだけでいいですからね」とは、梅林将人船長の言葉。

具体的には20~30回ほど小突いたら、オモリを50‌㎝ほどあげて仕掛けを移動させる。そして小突きを繰り返す。


フグ竿やカレイ竿など感度がよい竿を使っていると、タコが餌木を触ってきたアタリを捉えることが可能だが、通常は根掛かりか? と思われるくらいにいきなり小突き動作を止められたときがアタリだ。このアタリが来たらすぐにアワセは入れない。少し道糸を送るような気持ちで一呼吸、1~3秒ほど待ち、それからアワセを入れる。

そのときはすでにタコは乗っており、石を抱いているか、大きな石にへばりついていることが多い。竿が折れない程度にこびりついたものをはがすつもりで竿を起こす。それが無理なら根掛かりを外す要領で引っ張る。そして無事に重いものが浮上してきたら、本命マダコである可能性が非常に高い。

やり取りは、ポンピングは厳禁。これを行うとバラシの原因となる。重くてもリールのみで巻き上げるようにしよう。

取り込みは、必ずタモ入れで。餌木のみをだいてあがってくることも珍しくないばかりか、水面でまごまごしていると船べりにタコがへばりついて回収不能になることもある。

そして、タモ入れをして回収できたら、タコはタモのなかに入れっぱなしにして、まずは餌木のカンナを外す。そしてタコを入れるネットを用意し、その口を開けておく。タモのなかのタコを掴んでネットのなかへ。

そして、そのネットの口はしっかりと結んでおくようにする。ゆるい結びだといとも簡単にタコは脱走してしまうからだ。

以上の記事は「つり丸」2018年12月1日号の掲載記事です。

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