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LT新釣法! ”ティップランプラス”(庄三郎丸・さえむ丸・ゆたか丸)

LT新釣法! ”ティップランプラス”(庄三郎丸・さえむ丸・ゆたか丸)

関東圏で話題になりつつある2つの餌木を付けて釣るアオリイカの新釣法〝ティップランプラス〟。この釣りを開発した張本人たちが関東の海で新釣法を披露した。

船アオリに革命!2個餌木使用の新釣法。アオリイカはメロメロだ!

庄三郎丸

ティップランプラスは、シャクリ釣りをするアオリイカ乗合船での釣りがベスト

誘い方はティップランだがティップランではない!

2個の餌木でアピール度アップ。アオリイカはもうメロメロ!

イカが乗るのは90%以上、上(枝ス)の餌木

激渋のなかで結果をたたきだしたティップランプラス。ピンポイント流しでは絶大な効果を発揮

ティップランプラスは、雲船長がひとつスッテゲームにヒントを得て3年の歳月をかけて開発した釣法だ

大磯沖の定置網周りを攻めた。ここはピンポイント。こういうところで威力を発揮する

小さなアタリをとって掛けるので、アオリイカの触腕に掛かっていることが多い。だからかならず水面からの回収にはタモを使おう

ノーマル釣法にもヒット中!

上餌木(お助けリグ)のサイズが2.5号でもアオリイカのサイズはアベレージ以上

お助けリグを抱いている

仲良く3人で記念ショット!

最新大型船で出船中の「庄三郎丸」。アオリイカは中村友紀船長が担当

師走の相模湾に来たのは、ルアーメーカークレイジーオーシャンの太田武志さん、あのティップラン釣法を開発した本人である。爆発ヘアの彼は福井の「雲丸」の船長、雲智和さん。イカメタルゲームのパイオニアだ。そして、〝ティップランプラス〟のスペシャリスト、京都の津井敏之さん。

3人は福井の雲船長のもとで約3年の歳月をかけて、この釣法を構築してきた。

相模湾は現在、良型アオリイカの好シーズン。だが、今年は全国的にアオリイカの数が少ない様子。
当日、海はベタ凪ぎだが、乗船した平塚「庄三郎丸」アオリイカ担当の中村友紀船長によれば、けしてよい状況ではないという。

小さなポイントをくまなくマメに回ることで、1杯ずつアオリイカを拾い釣りしているという。

そんなか、中オモリ使用のシャクリ釣りの釣り人と同船してのスタートとなった。

まずは一級ポイントの烏帽子岩周りから。幸先よく常連さんが良型のアオリを掛けると、すかさず津井さんが良型をキャッチ。朝いち時合の高活性の個体をとらえた。

その後、数杯のアオリがここ周辺でキャッチされたが、たまにスミイカがまじる程度で沈黙の時間が続く。

後半戦、茅ヶ崎沖から大磯沖へ大移動。定置網周りのピンポイント攻めを行った。

ここでは、シャクリ釣りでヒットがあるものの、数でティップランプラス組が圧勝。ピンポイントでバーチカルに攻めの姿勢で誘うことで、やる気あるアオリをとらえたのだという。

終わってみれば、中オモリ組と全く遜色ない釣果を得た。激渋り時でも〝ティップランプラス〟は効くことが証明された。

さえむ丸

太田さんが良型アオリとファイト中

「今日は絶好調ですよ!」と、昨日の相模湾の釣行の反省をふまえて、釣法を変えた太田さん。「速いシャクリで高ダナでヒットさせてます!」

安定感のある津井さん。昨日から好調だ

ティップランで楽しんでいた常連さんと最新釣法初挑戦の互泰行さんに本命が同時ヒットした

「お助けリグのカラーも大事ですが、下餌木のカラーもとても大事なんですよ。この海では赤金カラーが肝です」

底付近を泳ぐスミイカもやはりお助けリグに乗る

ひとつテンヤロッドでもこの釣りはできる

釣れたアオリはこれまですべて上餌木のお助けリグ。しかも、触腕に掛かっていることが多い

水面での取り込みシーン。これを見てもヒットするのはお助けリグ。そして触腕に掛かっている

ティップランプラス関東アオリ行脚二日目は、東京湾の船アオリイカの聖地、金谷沖で実践。アオリイカで有名な三浦市郎船長が操船する「さえむ丸」に乗り込む。

朝いちがゴールデンタイムというが、新釣法チームはさっぱり。ティップランで楽しむ常連さんが立て続けに良型を2杯キャッチする。

しばらくして、昨日好調だった津井さんがヒットさせる。彼の誘い方はここでも効くようだ。

相模湾では本命キャッチにいたらなかった太田さん。ここでもやはりバイトがない様子。そこで、作戦を変更したという。速いシャクリの誘いで高ダナへイカを誘いだし、高活性の個体のみを掛けることを目論んだ。すると、それが功を奏する。

後半その釣り方で3杯のアオリをキャッチした。さまざまな釣り方を試した雲船長はボウズ。津井さんは固く2杯キャッチ。スミイカまじりでまずまずの釣果を得た。

ゆたか丸

ベイトタックルのハイピッチジャークも有効

表面水温16度という激渋環境でも見事結果を出したティップランプラス。活性の高い個体を狙い撃ちできるのがメリットだ

ティップランが楽しめる富浦沖でピンポイント流しを実践! 急低下水温16度台で良型キャッチ!

富浦沖ではパープルカラーのお助けリグに連続ヒット

富浦沖では激渋条件下で良型ばかり3杯のアオリをキャッチした太田さん

下餌木は3.5号にこだわらくてもいい。潮が速いときは餌木サイズを小さく、シンカーを重めにする

雲船長が命名した「お助けリグ」は商品名にもなっている。ウエルエフの「ダートマックス」2.5号は実績大。太田さんは3〜3.5号もフル活用中

お助けリグには普段使い慣れた餌木を利用しよう

下餌木には、クレイジーオーシャンの「オーシャンスキップ3.25号」に「オーシャンシンカー」を装着をメインに使用

三日目は、金谷から20㎞ほど南下した富浦沖へ。前日からなんと表層海面水温が4度も下がるという条件としては最悪の環境でスタート。

富浦「ゆたか丸」は、ふだんはティップランでアオリイカを狙っているというが、今回はピンポイントの潮流し釣りを行う。

ここ周辺の海域は、関東では数少ないティップランに適した海域でアオリイカの本場でもある。

予想どおり、悪戦苦闘をしいられる。イカの気配なしが続く。太陽があがり暖かくなりはじめたころ、太田さんが小ぶりのアオリをキャッチ。これを皮切りに良型を含めコンスタントに3杯のアオリを掛けた。

太田さんは、相模湾での反省を生かし釣り方を金谷沖同様、速いシャクリ誘いで高ダナで乗せる、方法を通したという。活性が低いを思われるアオリイカだが、活性の高い個体を選んで乗せる、というティップランプラスの実力に、関心させられる一幕だった。

ちなみに、雲船長は1杯。津井さんは0杯。この結果からもちょっとした釣り方の違いで釣果が異なることもわかった。

〝ティップランプラス〟は、関東ではまだ産声をあげたばかり。ぜひ、この新釣法を理解して、あなたのアオリイカ釣りに活用してほしい。

今回、取材にご協力いただいたのは、神奈川・平塚「庄三郎丸」、千葉・金谷「さえむ丸」、千葉・富浦「ゆたか丸」。

タックルはひとつスッテ用、テンヤマダイ用、タイラバ用と幅広く流用できる

ロッドは、簡単に言ってしまうとひとつスッテ(イカメタル)のタックルと同じと考えてよい。この釣り方はひとつスッテゲームのパイオニアである「雲丸」の雲船長が考案したもので、ひとつスッテからヒントを得たものであるからだ。

テンヤロッドやティップラン専用、タイラバロッド、キス竿、LTロッドも使用可能。さらには、船アオリの専用シャクリ竿も使え、流用の幅はかなり広い。

リールは、スピニングでもベイトリールどちらでもオーケーだ。


メインラインは、PE0.6〜0.8号。できれば、視認性がよく1mごとにマーカーが付いているものがベスト。向こうアワセではなく、ひとつスッテゲームのように繊細なアタリをとってイカを掛けていくので、感度重視と水切れのよさ、餌木の操作性のよさで極細PEが適しているのだ。

リーダーは、2号以上を使用。ひとつスッテではこの号数が基本だが、枝スの餌木のカンナによってリーダーに傷がつくことがあるので、フロロカーボン2.5〜3号くらいがベターだ。

下餌木はティップラン用、枝ス(お助けリグ)には2.5〜3.5号餌木、トトスッテなど

2個の餌木を使うこの釣法では、餌木の選択が難しそうだが、意外と簡単だ。

まず、下餌木は、3.5号サイズをベースにしたティップラン用各種、専用シンカーがあればそれを装着してもよい。

大事なことは、下餌木はバーチカルに沈めて、底ダチとりを確実にとることが一番の役目なので、重さの異なる餌木を各種用意すること。

太田さんによれば、餌木の重さは水深に比例するという。水深が20mであれば20g、30mであれば30gだが、それに10gほどプラスした重さのものがあればいいという。

基本的には〝重め〟でよいのだが、ひとつスッテゲーム同様、軽ければ軽いほど餌木の動きはよくなるので、自分のスキルにあった重さのものを選ぶとよい。

一般的に市販のティップラン用の餌木は、30g、40gが多いのでそれを活用すればよい。

カラーは好みでよいが、誘い餌木の役割をするので、各色を用意しておくとよい。

さて、ここからが大事。

この釣り方では90%以上が枝ス側の餌木、「お助けリグ」と雲船長が命名(以下お助けリグ)、にアオリイカが乗る。だから、乗せる=魅せるメイン餌木はこちらだと理解しよう。

とはいいつつも、意外とこのシステムでは、どんな餌木にも乗る感があるという。

基本は、ノーマルタイプの2.5号サイズ。3号、3.5号も使うという。

とくに特別なものはなく、いままで使っていた餌木をそのまま使用すればいい。

餌木のほか、トトスッテなども使える。

誘い方は、ティップランエギングと同じ。「底を取る」「シャクる」「待つ」の三つのみ

ティップランエギングでは、「底を取る」「シャクる」「待つ」の三つの動作が基本だが、ティップランプラスでも、基本動作は全く同じだ。

ティップランでは、船が移動することにより、餌木の横移動をそれで助けてもらっている状態だ。

一方、ティップランプラスでは、バーチカル(縦方向)な誘いだけ。比較すると後者は実績ポイントをよりタイトに攻めることが可能になる。

「底を取る」は、この釣りでは容易。肝は「シャクる」にあるという。

太田さんは、リール1巻き70〜80㎝の長さで最低でも5〜10回シャクってから止めて「待つ」の動作に移行するという。この場合だと、低くても底上3〜4mは上に下餌木があることになる。さらに、お助けリグは、枝スと下餌木のリーダー間隔が1mならさらにその上の底から4〜8mでアオリイカを乗せるのだ。

「シャクる」動作は、ジギングのワンピッチジャーク。

ロッドを1回シュッっとシャクリ上げたら、ロッドを下げると同時にリールを1回巻いてすぐシャクる。この動作の繰り返し。

イメージとしては、「シャクる」でイカに高アピールさせて、それに興味をいだかせる。もしくは、餌木を追わせて、「待つ」=止めでイカの触腕を餌木に触らせるというもの。

底からシャクる回数つまりリールの巻き回数で乗せる=掛けるタナを自分で設定する。速いジャークがよいこともあれば、遅いジャークがよいこともある。

そして、乗せダナ=シャクる回数もさまざま。ボトム中心に攻めたければ、シャクる回数を少なくする。上ダナを攻めたければ、シャクる回数を増やせばよい。

「中オモリ使用のシャクリ釣りだと、餌木が底から1〜2mの間に泳ぐようにタナ取りすることが多いですが、この釣りでは、もっと高いタナで乗せることが多いですね。なぜかというと、やる気ある個体を選んで乗せているからです。高ダナまで追う、もしくは、高ダナで捕食体制にあるアオリイカを狙うことが、ヒットへの近道ですね」と太田さんは話す。

中オモリを使用する船であれば、必ず船長は中オモリの指示ダナをアナウンスする。シャクリ幅の目安として、そのタナ前後までシャクるとよいと覚えておこう。

タナの指示がない場合は、水深の2割から3割程度の幅を底から誘うとよい。たとえば、水深30mであれば、底上6〜9mが乗せダナ。これをリールの1巻き量で割り何回巻けばよいかを計算してシャクる。

「待つ」=止めの時間は、5秒から10秒前後が基本。

アタリは繊細に出る。ティップランのように、竿先がフワっと戻ったり、クンっと竿先が曲がったり。ここからがひとつスッテ(イカメタル)ゲームと同じ。このようなアタリが出たらすかさずアワセを入れる。この小さなアタリを捉えて掛けるというのが、この釣りの特徴。だから、アオリイカの触腕のみにカンナが掛かっていることが多い。スレイカもこれで釣れるのである。「待つ」でアタリがなければ、「底を取る」「シャクる」「待つ」の一連の動作を繰り返すのみだ。

2つの餌木を付ける意味は⁉︎

ここまで基本的釣法を解説したが、やっぱり誰もが思うことが、お助けリグ(上餌木)にしかアオリイカが乗らないのだったら、下の餌木はオモリにしてしまえばいいのではないか!? ということ。解説している筆者もそう思った。そのことについて詳しく太田さんに聞くと、

「みなさんに下餌木はオモリになぜしないかと聞かれます。そう、ココが肝なんですよ。まず、下餌木は仕掛けを沈めるという役目、つまりオモリの役目をしながら、フォール中、もしくは、シャクリ上げ中に誘い餌木の役割を果たします。イカサビキで例えるとコマセヅノですよ。

フォール中もバランス設計されているので、お助けリグとの絡みも少なく、シャクリ上げ中もダートすることよって、餌木そのものにアピール効果を期待できるうえにお助けリグの動きも変える。

この釣法では必要不可欠なアイテムなんです。

さらに、食物連鎖の考えでいくと、ひとつより二つ同時に餌木が水中で泳いでいるほうがアオリイカに捕食スイッチが入りやすいんです。アオリからみれば、1匹のベイトより2匹のベイトを狙ったほうが、確実にエサにありつけるってわけですよ」



さらには、枝スと下餌木のの間のリーダーの長さ、つまり約1mと60㎝とでは、二つの餌木の動きが異なるという。この動きの違いが釣果にも左右する。

「アクティブな動きに誘いたいときはリーダー間は短め、枝スも短め。ウネリなどがあるときは、枝スは直ブラより長めのほうがよく乗ることがあります」とは、雲船長。


新釣法なのでもちろん発展開発途上だが、デメリットもある。

それは、根掛かりすると2個の餌木がいっぺんにロストしてしまうこと。

この対策として、枝スを介する接続アイテムを極小親子サルカンや三又サルカンなどにして上下のリーダーの太さを変えるという方法もある。サルカンから下を2.5号にして上を3号にするなどがそれだ。

いずれしにても、釣り方だけではなく、下餌木とお助けリグの組み合わせなど、まだまだ未知で可能性が多いこのティップランプラス。あなたの船アオリのひとつの釣法として加えていろいろと試して欲しい。

以上の記事は「つり丸」2015年1月15日号の掲載記事です。

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