ヒラメ仕掛け。根掛かり時のオモリのロストを少なくする仕掛けを

幸保船長がすすめる仕掛けは捨て糸が7号50㎝ほど。ハリス6号90㎝。孫バリにはトリプル8号を付けるという一般的なもの。
「ヒラメの仕掛けにはあまりこだわってないよ。あえて言えば捨て糸の太さかな。7号を使うのは根掛かりしたときのオモリのロストを少なくするためだよ。この流れでうちの常連さんたちは道糸は4号を巻いてくるよ。根掛かりしたときの高切れはむろん、仕掛けをきちんと回収するためにPE4号なんだよ」という。
「庄栄丸」のヒラメ釣りは横流しがほとんどなので、オモリは80号がベース。しかし、風の強さにより船が流れる速さは変わってくるので、状況に応じて、100号もしくは120号までを使い分けるという。
「横流しの基本だけど、風下側の人はオモリは120号まで重くしていいよ。逆に風上側の人はオモリは80号でいいけど、流れが速くなったら100号を使ってもいいね。仕掛けが浮くとヒラメはなかなか釣れないからね」と船長は話す。
茨城・波崎沖〜神栖沖 ヒラメ釣行レポート

ポイントは12月に解禁した波崎沖がメイン

船は横流しだ。アタリは釣り座に関係なくまんべんなく来る

この日の最大は4㎏。イワシが回遊すればこの大きさが当たり前になる

魚礁周りは良型揃い!

良型です! 狙って獲りました!

この大きさなら問題なし!

沖釣りにどっぷりとハマっている宮崎さんは後半追い上げで良型含み7枚キャッチ

魚礁や根周りでは根掛かりによる仕掛けのロストもあるが、おいしいゲストも多くまじる。マハタは最近多い

風上側の釣り座では魚がヒットするとこのように竿が曲がる

釣り方を意識して釣果アップを狙う

もちろん砂地でも良型は釣れるが、根周りのほうが良型の確率が高いようだ

足元のタルのなかはこのとおり

連日、ツ抜けに迫る釣果を記録中!

規定数の10枚達成者も続出中だ

波崎沖では、孫バリは背掛けが基本だ

今回、取材にご協力いただいたのは、茨城・波崎「庄栄丸」。
12月1日、茨城県海域のヒラメ釣りが全面解禁となった。
11月の鹿島沖部分解禁でも今期は十分な釣果を得ていたが、さらにポイントが拡大したことによりチャンスアップ。12月解禁初日より絶好調だ。
「実は良型のヒラメは春から沖のベイトに着いていてね。その傾向が解禁後も継続しているようだね」とは、現役ヒラメ漁師でもあり、操船力に定評のある波崎「庄栄丸」の幸保重行船長。
地先の漁場の解禁初日、真っ先に向かったのは沖の魚礁群。朝いちこそハズし気味だったものの、肉厚幅広の良型ばかりが船上を舞った。
「本来であれば12月はイワシが灘(岸より)に回避して、それに着いた渡りビラメを狙うけど、今期はどうかな?しばらくは灘で数。沖の深場で良型狙いというのが続くのではないかな。いずれにしても、ヒラメの魚影は例年より上向きなのでしばらく楽しめそうです」
波崎沖では船は横流しをする。だから、使用オモリは80〜100号がメイン。
「ヒラメの竿はショートロッドが流行りだけど、ちょっと長めのものがオススメです。ポイントが魚礁かツブ根か砂地かで釣り方を意識してかえて狙うのがコツかな」とは、ヒラメを漁でとるだけでなく自分で釣るのも大好きな幸保船長のアドバイス。最初のアタリの後、いかにフッキングに持ち込むかが肝だという。
アタリからアワセまで。孫バリと親バリの間は5㎝背側に孫バリを刺す

「まずはエサ付けかな。横流しでは孫バリは絶対にイワシの背びれ側に打つほうがいいよ。どうしてかって? 波崎沖はタコ漁が盛んで、そのタコ壷が入っている底が硬いところを流すこともよくあるからね。孫バリが腹側だとタコ壷の縄にすぐ引っかかってしまうよ。根周りでも根掛かりが多くなるでしょ」
そして、大型を狙うなら孫バリは背側で胴部に打つ。尻尾のほうに打つほどイワシが泳ぎ回るときに尻尾とともに揺さぶられるのでハリが外れることが多くなるという。だから、ハリが外れにくい頭に近いほうの背びれの前後どちらかに付けるとよいという。
さらに、大型キャッチにこだわるのなら、孫バリと親バリの間は5㎝にして、背びれの前部に刺すとよいという。
大型ヒラメはイワシを一気に飲みこむ習性があり、親バリのみでも十分フッキングするが、それをサポートするための孫バリだという。
幸保船長がすすめるタナ取りは、底をオモリトントン。置き竿が基本だ。船長はアタリが出てからが5秒間が勝負だという。
「釣れない人はたいていは、アタリが出てからハリ掛かりまでいたらないのがほとんどです。いかにアタリが出てからハリ掛かりさせるかがこの釣りの最大の肝かな」
では、どうやっているのか。
「まずはヒラメがイワシをどうやって食うかをイメージしよう。ヒラメがイワシに食いついたあと、その後すぐに、食いなおしをします。いかに、最初の食いから二度目の本気食いをさせるか、肝なんです。この本気食いまで持ち込めれば、実はすぐにアワセを入れてオーケー。たいていこれは5秒以内に勝負がつくよ。これを竿の操作で本気食いに持ち込めばフッキング率は必ずアップするよ」
具体的な操作法は、まず竿はできるだけ水平より少し下で持ち、静かに待つ。
アタリが出てすぐに食い込まなければ、海面まで竿を送りこむ。ここからが大事。
送りこんだ直後にあらかじめドラグを緩めに設定しておいたリールから道糸を引っ張りだして竿先をもとの位置に戻す。
ここで待ち食い込まなければ、もう一度この動作を繰り返す。この2度の送り込みで食い込まなければ、ほぼ食い込まないヒラメと判断。そのヒラメは諦め仕掛けを回収する。
食い込んだときは、すぐにアワセはいれずに2度ほどグイグイと強い引きこみがあったところで、竿を持ち上げるようにアワセを入れる。このアワセもあまり強くなくてよい。
一連の動作で大事なことはけして道糸のテンションを緩めていないこと。
船は横流しだ。船が速く流れているからといって、クラッチフリーで道糸を出しオモリを底に置いて食わせるようにはしないという。
魚礁と根周りでは短ハリスも効果的。イワシを高アピールする!

魚礁と根周りは、ヒラメがピンポイントに固まっていることが多く、しかも高活性であることが多い。
そんなときは、ハリスを短くすると、イワシを高アピールさせることができ、食い込みも早くなることが多い。どうしてか。
一般的にはハリスは90㎝。これを半分くらいにする。
ハリスが短くなるということは、円でいえば、小さい半径または球形のなかでイワシが泳ぎまわることとなり、活性の高いヒラメはそのヒラメを見つけやすく、そして捕食しやすくなる。
とくに、風が弱いときや潮の流れがゆるいときに、魚礁や根周りを攻める場合、よりバーチカル的にエサをアピールしなくてはならず、この短ハリス釣法を行えば、まさに理想のアピール法をイワシが演じてくれるのだ。
さらに、マメに底ダチとりをすることで、根掛かりを防ぎ、少しの竿の上下でもハリスを引っ張ることとなるので、イワシを刺激し、イワシがさらに暴れることとなる。これが相乗効果となり、結果としてヒラメがイワシに飛びつくこととなるのだ。
お土産を確保し少し余裕が出てきたら、ぜひこの短ハリス釣法を試してみてはいかが。ただし、波があるときやウネリが高いときはあまり効果は期待できず、むしろ、長めのハリスがいいだろう。
以上の記事は「つり丸」2019年1月1日号の掲載記事です。
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