誰でも簡単! ビギナーオーケー! 高級根魚リレーを満喫しよう


アマダイのポイントはいたるところにあり、港前は一級場所だ

アマダイも大型が多い

港前でキャッチした40㎝級。激うまな個体だ

良型アカムツゲットだ!

1.2㎏の良型アカムツが浮上した。エサはホタルイカゲソだった

アカムツは小ぶりなものが多いがこれでも激うまだという

小さくてもナイスボディなアカムツ

船長が狙ったポイントでは、大型アカムツが来て無事にネットイン

でっぷりとしたアカムツ。富山湾内のアカムツは一味違うという。超激うまだという

オニカサゴダブル!

イワシエサに飛びついたオニカサゴ

オニカサゴは小ぶりだがこちらも味がいい

オニカサゴのエサはカタクチイワシが最強

アカムツのエサはホタルイカ。船上購入可能

アカムツのエサはホタルイカゲソのみ。2本バリ仕掛けで捨て糸なし。オモリは100号を使用

これがアカムツ仕掛け。ステ糸がないのが特徴

今回、取材にご協力いただいたのは、富山・富山新港「北龍丸」。
冬の日本海。ここ富山湾は能登半島のおかげで極寒期でも波静かで高出船率、まさに救世主的なフィールドだ。
「11月から3月までここ富山湾内で出船してます。うちの看板は高級根魚であるアカムツ、アマダイ、オニカサゴの3種。そのうち2種または3種のリレー釣りをメインに出船してます。年明けからは状況次第ですが、これにスルメイカとヤリイカが加わります」とは、富山新港「北龍丸」の安藤岳志船長。4月~10月は金沢港を基地としているが冬は波静かな富山湾内を活動の拠点としている。
「湾内は特種な地形をしており、ピンポイントでそれぞれのターゲットを狙ってます。魚により釣り方も異なりますが、釣り始めに必ず詳しく釣り方をアナウンスするので、ビギナーや初めて乗船する方でも安心してください」と安藤船長が話すように、この船の敷居は高くない。
湾内は潮の流れはほとんどないので使用するオモリは、アマダイとオニカサゴが60号とアカムツは100号。だから、すべてがライトタックル。メインの道糸はPE2号だ。
「仕掛けもシンプルですが、湾内は魚は多くてもやはりスレてますからね。静かに釣る、が鉄則ですよ!」と、安藤船長のアドバイスどおり釣れば、必ず結果が出るのも事実だ。
とにかく食べておいしい富山湾のアカムツとアマダイとオニカサゴ。このレアな激うま魚を貴方が釣るしかない!
富山湾のアマダイ(仕掛けと釣り方)

湾内の魚は、警戒心が高いので静かな誘いが肝と話したが、アマダイはあまりその法則があてはまらない。
全国共通の釣り方でよいと船長は話す。
「湾内は多くの河川が流入しているので、アマダイのポイントはたくさんあります。水深は70〜100mくらい。おもに河口の近くですね」
仕掛けもいたって基本系でよいという。
オモリは60号。ハリスと幹糸は3号。テンビンを介し幹糸約1m、親子サルカンを介し枝ス30㎝とハリス1m。ハリはチヌの3号。エサはオキアミだ。
投入、底ダチとりに関してはアカムツのように神経質になることはない。
底ダチをとったら海底をオモリで小突いて泥の煙幕を生じさせる。その煙幕の中にエサのオキアミを通過させるように心がかけるとよいという。
置き竿で待つ場合は、タナは底から1m上。手持ちの誘い釣りもオモリの位置はこのタナをベースにして誘いをかけよう。
エサ取り魚はかなり多いので3分に一度はかならず仕掛けを回収しエサのチェックを行うことが大事と安藤船長は話している。
富山湾オニカサゴ(仕掛けと釣り方)

常連さんに人気が高いというのが、オニカサゴ釣りだ。
「これもまた太平洋のオニカサゴとは別ものなんですよ。一緒だと思って釣ると面くらいますよ」
湾内のオニカサゴは。太平洋の外洋のオニカサゴとはちょっと違うという。まず、ポイントの水深はアマダイと同じ70〜100m前後。アマダイと同じところを攻めることもあれば、根掛かりがきついポイントを攻めることもある。
仕掛けはごく一般的なもの。ハリス6号ムツ17号2本バリ。全長1.5mの市販品でОK。
「エサが肝です。冷凍のカタクチイワシがベスト」と船長は言う。
「アピール重視ということでタコベイトを付けたり、大きいマイワシやさまざまな魚の身エサを使いたがる人もいますが、エサの付けやすさや海中での安定性、食い込みのよさ、そして実績の高さからカタクチイワシのみが最も有効なエサです」
船長がこだわるのは、ハリの刺し方。イワシの下アゴからハリ先を刺し、目と目の間の固い部分にハリ先を出す。これをきちんとすることでエサが海中でくるくると回るのを防ぐという。
さて、釣り方だが、こちらもアマダイと同じでアカムツほど底ダチとりを静かに行わなくてよい。
仕掛けをおろし底ダチをとったら、すぐさまタナである底上1mにオモリをあげる。竿はこの時点で水平に構え、すぐさま竿を1m上へ上げるそして1m下げタナへもどし、約1分間じっと竿を止めてまってアタリを待つ。これがアタリを出すまでの一連の動作。タナから1mあげてタナに戻す動作はイワシのフォールを演出させるためだ。
さて、ここから本番。竿先に小さくアタリがチョンチョンチョンとでたら、早アワセは厳禁。
アタリが出たら何も動かさず20秒様子をみる。その後、竿の水平から竿先を目の高さまでゆっくりと聞きあげてみる。ここでゴンゴンゴンとあってもアワせてはいけない。
ゴンゴンとアタリがなければ、ゆっくりとタナまで竿をもどす。再び20秒ほどまってゴンゴンゴンとアタったら目高さまで聞きあげる。ゴンゴンゴンとアタっていたらさらにゆっくり聞きあげてみる。竿の頂点までゴンゴンと引いていたら、ここで初めて電動リールのスイッチを入れて巻きアワセをする。
つまり、タナから目の高さまでの上げ下げは確実にオニカサゴにエサを飲み込ませるための動作。この間、オニはエサを咥えたり吐いたりしているという。なんともじれったい時間だが、この駆け引きを制することで、オニカサゴのフッキングに到達させられることができる。このようにかなりテクニカルなのでオニ釣りにハマル人も多いという。
富山湾アカムツ(仕掛けと釣り方)

安藤船長がこの地に来て最初に目をつけたのがアカムツだ。長い年月を経て湾内独特の釣法を生み出している。
「とにかく湾内のアカムツは警戒心が強いです。太平洋の釣り方をしていたのではまず、釣れません。とにかく、静かにプレッシャーを与えず、エサを吸い込ませることに専念してください」という。
釣り方はこうだ。
まず、ポイントの水深の20m手前で仕掛けのフォールをストップ。ここで糸フケをきちんととり、船長の合図で再びフォール開始。ボトム直前ではサミングでゆっくりゆっくりボトムへ仕掛けをおろす。
オモリが底に着いたら、デッドスローで1m巻上げタナへ。ここから20秒〜30秒かけてゆっくりと竿を聞き上げながらタナ上2mまで仕掛けを持ち上げる。
さてここからが本番。アカムツはエサの落下に強い興味を示す。その習性を利用するため、エサのフォールを意図的に造りアピールさせる。
まずは、5秒ほどかけて1m竿を下げる。ここでピタリと竿を止めて20秒ほど待つ。アタリがなければ、そこから5秒ほどかけて1m竿を下げタナにもどす。ここでピタリと竿をとめて20秒ほどアタリを待つ。これが一連の動作だ。
これでアタリがなければ、ゆっくりとオモリを底までおろし、一連の誘い動作を繰り返す。
この誘いの肝は、とにかくゆっくりとした動作で魚に警戒心を与えないということ。
さらに、確実にハリスのエサを動かすために、2mという高さの間の誘い動作をしていること。
仕掛けのハリはチヌ6号と小さいのは、エサのホタルイカを吸い込みやすくするため。そして、できるだけ飲みこませてしまうという目論みがあるからだ。ハリス6号もあれば、アカムツの歯ではなかなか切られることはない。
さらに、ステ糸なしというのも特徴のひとつ。この仕掛けならではの誘い法であることも理解しよう。
以上の記事は「つり丸」2019年1月15日号の掲載記事です。
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