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深場のアカムツを釣る泊政彦名人に学ぶテクニックとは?(渡辺丸)

深場のアカムツを釣る泊政彦名人に学ぶテクニックとは?(渡辺丸)

中オモリは10号、幹糸は8号90㎝、捨て糸6号1m~120㎝。ハリス5号45㎝。ハリはムツ太地18号が基本で食いがよい時のみ使用。ハリ数は2本。ハリスのチモトに名人はフロートパイプを3~4㎝つける。

泊政彦氏のタックル。仕掛けはシンプルで誘い重視の標準設定

アカムツ釣り名人の泊政彦さんの仕掛けから紹介しよう。

「仕掛けのバランスを変えないのが私のスタンスです」と泊さんが言うように、6年前より仕掛けはほとんど同じという。

中オモリは10号、幹糸は8号90㎝、捨て糸6号1m~120㎝。ハリスは5号45㎝。ハリはムツ太地18号が基本で食いがよいときのみ使用。ハリ数は2本だ。

ハリスのチモトには、マシュマロボールを付けるのが流行りだが、泊さんはフロートパイプを3~4㎝ほど付けるのみ。

「ハリス周りもできるだけシンプルにしています。これでやり続けていても釣果は落ちないので、あまり浮力系アイテムなどは気にしてません」

ハリがムツバリ18号の太地を使う理由は、太軸のハリのほうがバレが少ないから。ホタバリを使うときは、さらにバレが少なく追い食いをさせることができるからという。ホタバリは一度掛かるとバレは少ないが、ハリを外しにくいので、サメやサバが多いときは手返しが遅くなるので使用はさけるという。

パイプを使う理由は、浮力系アイテムの特徴であるゆっくりフォールの期待に加え、ハリのチモトのハリス切れ防止の役目を期待してのことだ。


「よくエサは何がいいですか?って聞かれるけど、とくに定番のホタルイカゲソとサバの切り身しか使ってませんよ。ひとつ工夫を公開するなら、ホタルイカの加工法かな」という泊さん。そのホタルイカの加工とは何か。

集魚効果のあるホタルイカの肝をより生かすために、ホタルイカのエンペラ部をスパっと横に切ってしまうというもの。そして、ホタルイカは目と目の間にハリを刺す。こうすることで、ホタルイカの内部に水が通るようになり、フォール時に壷抜きしにくくなるという。つまり、ホタルイカのシルエットをアピールさせることができるというものだ。

南房・江見沖 アカムツ釣行レポート

朝陽が美しい南房の海

「渡辺丸」は人数限定出船。できるだけオマツリを少なくしようとする船長の考えによる

ポイント付近には、さまざなな生き物がいる。アジやサバの反応が出ることもある

操作性のいい軽量タックルが、深場のアカムツ釣りの主流だ

はるばる200mの深海から浮上したアカムツは水面でバレることもしばしば。かならずタモいれしよう

アカムツ釣り名人の泊政彦さん。どんな状況下でもほぼ確実にアカムツをしとめるテクニシャン

産卵を終えた個体は、少しずつ復活中。ナイスボディだ

こんな良型がコンスタントにヒットする。50cm級も夢ではない

ハリ掛かりがよければ抜き上げもできる。赤いルビーの魚体が朝陽で輝く

ほぼこのサイズがアベレージだ

アカムツの裏メニューはこのアマダイ。3号船で出船中。この大型を狙う

リールのカウンターは、300m近い。高切れ対策のために予備のリールは必携

付けエサはアカムツ釣りの基本系でオーケー

ホタルイカとサバの切り身の抱き合わせがセオリー

近年はサバをグリーンやブルーに染めるのが流行だ

今回、取材にご協力いただいたのは、千葉・江見太夫崎「渡辺丸」。

ほぼ周年アカムツ釣りが楽しめる南房江見沖。この海域には鴨川海溝を有し、アカムツが生息する条件を満たしている。

「秋の乗っ込み期は水深100m台がポイントになりますが、それ以外は江見沖水深200~300mを狙います。今期は爆釣という日は少ないですが、出船すれば安定した釣果が出ています。例年、水温が下がるとアカムツはさらに深場に落ちてしまうので、年明けはヤリイカやスルメイカなども狙うようになるのですが、今期は水温が高いので現状を維持してアカムツが狙えると思いますよ」とは、アカムツ釣りを得意としている江見太夫崎「渡辺丸」の渡辺英雄船長。

使用オモリは200号。深場のアカムツ釣りだが、難しくはない。

「活性が高いときは、仕掛けを底に落とせば食ってきます、そうでないときは、ちょっとテクニックが必要になりますかね。絶対コレという答えはないので、いろいろと試してみてください。アレコレ工夫をしている人たちが確実な釣果をあげてますから」と船長が話すように、アカムツ釣りの基本である“工夫”がここでも有効だ。

「お客さんの誘い方はみんな異なります。いつも釣っている人だけが釣れないこともあるように、微妙な誘い方の違いが釣果を左右するんですね」

「渡辺丸」は午前と午後の2便制。深場といえどもポイントはわりと港から近い。気軽にチャレンジしてみてはいかが?

泊政彦氏のアカムツ釣り。エサのフォールを確実にする

泊さんが昔から変わらず実践している誘い動作を解説しよう。

オモリが着底したら、一度中オモリが底に着底させる気持ちでタルマせる。そして、中オモリをゆっくりを持ち上げテンションを張りその後、3~4mオモリを巻き上げる。

そして、竿は立て気味にしてサミングしながらゆっくりとオモリをフォールさせる。
オモリ着底後竿を下げてタルマせる。

たいてい、この高ダナからオモリをフォールさせたあとのタルマせの最中にアタリが出るという。

アタリがなければ、オモリを海底に着けたまま、仕掛けを張ったり、タルマせたりを繰り返す。

これは、潮が流れていないときほど積極的に行なければならない誘い動作という。

「ボトム付近で確実にエサが動かせることを想定してこの誘い方を続けてます。アカムツが落ちてくるエサに興味を持つことはわかってますからね。それを意図的に確実に演出してやろうというのが、この誘いの根本なんですよ」と泊さん。

ある程度、誘ってアタリがなければ、この一連の動作を繰り返す。

以前はカワハギと同じタタキ動作も行っていたが、水深200m以上の深場ではタタキ動作は道糸の糸フケに影響により、仕掛け付近にはその動きは伝わらない。

潮が適度に流れているときと潮が緩く船が流れないときの釣り方

ここからが本当のテクニックともいえよう。

「その日の潮の流れや船長の船の流し方により誘い方を変えていきます。食いパターンは毎日変わりますから。いかにその日のアタリパターンをいち早く見つけられるかが、貴重な1匹を掛けられるかどうかの分かれ目になるのでしょうね」

潮の流れがゆるいとき

「潮の流れがゆるいときは、基本的に同じポイントを長い時間攻めることになります。だから、誘いの考えとしては、エサの上下の動きを確実に行うことが大事になります。そして、誘い動作もよりゆっくりにします」

一連の誘い動作は変えない。3~4mの仕掛けを上げるときも下げるときも、できるだけゆっくりした動作をこころがける。

そして、肝はタルマセと張りの動作。これもゆっくりと行うことを意識するという。

1ヵ所でのタルマセと張り動作のやりすぎは、魚にプレッシャーを与えることにもなる。数回この動作をしたら、一連の動作に戻り、少しでもオモリをずらすという考えで、再び誘い動作を行う。

潮が適度に流れているとき、船が適度に流れているとき

「潮が流れているときや船が流れているときは、この釣りにはいい環境だといえます。次々に新しいポイントを攻めることができるわけですから、活性の高い個体を拾うことが可能です」という。

ここでの誘いの肝は、タルマセと張りの方法。オモリは底につけたままでタルマせる。そのまま、タルマせたままでも船は流れているので、自然と道糸は張る。これをきちんと把握することが大事という。

「船の流れを利用するってのも大げさですが、タルマセと張りの動作とタイミングが大事な釣りですから、これを利用するとなかなかいい感じにエサが動くんですよ。オモリを底に着けたままにすると、船が流れているときはオマツリの原因になりますからね。適度なタルマセと張りの誘い動作を心がけてください」

釣り座により糸を出しても周りの人に迷惑にならないところもある。そんな場所では、“オモリを底に置いて誘う”動作がやりやすいだろう。

以上の記事は「つり丸」2019年1月15日号の掲載記事です。

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