狙う水深は80〜130mダチ。小さな根周りの北側が好調をキープ!


良型オニカサゴをゲット!

こちらは2匹目

この日、絶好調だったのは小島さん。小さなアタリを捉えた後、ゆっくり聞き上げ、追わせて食わし8匹を仕留めた

思わずグッドポーズ!

小型のオニが釣れた場合は、抜き上げても良いが、毒を持つヒレに十分注意すること。大型はタモですくい、安全に取り込もう

アルファタックルの互 康行さんも良型ゲットでご満悦

身厚で美味しそうだ!

ダイワ・松永さんもオニ退治成功!

五目要素も満載! アラ登場!

ドンコ

さまざまな高級ゲストが釣れるのが当地の特徴。

120号オモリが背負える7:3調子の竿に、中型電動リール。道糸4〜5号で挑むのが当地のスタイルだ

仕掛けは、6〜8号ハリス2mの市販、または自作でOK。ビギナーには扱いやすい1mの仕掛けを船で用意している(要連絡)

船で用意しているエサはカツオの切り身。皮側からハリに刺そう。ちなみにアナゴやサバなど特エサを持参する人も多い

今回、取材にご協力いただいたのは、静岡・伊東港「三好丸」。
市場では、なかなかお目にかからない魚も、釣り人の特権“釣ればいただける”。しかも比較的イージーに釣れるというので、さっそく様子を伺いに伊東港「三好丸」へ出掛けてみた。
「去年の11月からオニ狙いで出船していますが、スタート直後はイマイチでね。型こそ見るものの、小型が主体で…。でも今年に入ってからは本来の伊東沖に近づいている感じで、良型はもちろん、数もあがり出しています。これからが楽しみです」とは、この釣りに情熱を燃やす三好研吾船長の声だ。
狙う水深は、80〜130mダチ。起伏が激しい南寄りのポイントより、小さな根周りの北側が好調とのことで、現在はそちらを中心に攻めている。
「それほど厳しい根ではないので、積極的に海底を意識して攻めてください。具体的には、マメにタナを取り直し、底をトレースするようにエサを漂よわせること」と船長がアドバイスをくれた。ちなみに南側に行った場合は、底ダチ取りは同様も、こちらはハリスの半分強タナを切り、じっくり攻めるのが良いとのことだ。
さぁ、コラーゲンたっぷりの鬼を退治して、鍋で温まりましょう!
ダイワ・松永さんのオニカサゴ攻略タックルと仕掛けをご紹介!

ロッドの全長は2m前後で、バランスは元部と胴にパワーのある7:3調子がこの釣りにはマッチする。誘いと底ダチ取りを繰り返す釣りなので、操作性の良いタイプを選ぶように。
リールは中小型でパワーのある電動タイプがベスト。小型でも糸巻量が多く、パワーのあるタイプならOKだ。スプールに巻いておくラインは、PE3〜4号を300mはセットしておく。
オニカサゴ釣りのこだわりは人それぞれあると思う。当然、ボクもいくつかのこだわりを持っている。では、さっそく…。
まずはテンビン。テンビンは、コマセ釣り用の形状記憶製は不向きで、潮況やエサの大きさ、またその種類など、その時の条件にもよるが、リールのライン(PE)に仕掛けが絡みやすくなる。よって、ボクは仕掛け落下中にラインと仕掛けがなるべく離れるよう、アーム長のある硬めのテンビンを使用している。
続いては仕掛けだ。ボクの仕掛けはハリス6号、元スとなる幹糸部分は8号としている。号数を変えているのは、根の荒いフチ際を狙う時に起こる根掛かりで仕掛けのロスを最小限にとどめるためだ。ハリはムツ系の18〜19号を使用。ハリは大きめの方が掛りは良い。チモトのデコレーションとして夜光玉とダイヤカットビーズを通す。東伊豆沖のオニカサゴポイントにはサメも多く、タコベイトや水中ライトはサメ寄せとなるケースが多いのでボクは装着しない。その代わりに、ハリにフラッシャーを巻いたりして、さりげなくエサのアピール度を高めるようにしている。
そして最後はマニアがこだわる特エサ。船で用意されているエサ(当日はカツオのハラモ)のほか、色々なエサを持ち込んで試すのがこの釣りの楽しみのひとつ。確かに大当たりするエサはあるものの、いつでもどこでもそれがベストであるとは限らない。それでもやっぱり、あれこれ試してみたくなるのは釣り人の避けられない心理であり、それがオニカサゴ釣りの面白さにもなっている。
ということで、特エサはみなさんの好みで色々と試してみてほしい。ちなみに当日のヒットはカツオのハラモとサバでしたよ〜。ボクのこだわりは冷凍イワシです!
食では通を唸らせる存在の人気ターゲット東伊豆オニカサゴ攻略術
多くの根魚は胴付き仕掛けで釣ることが多い。それに対してオニカサゴは、テンビン仕掛けで狙うのがひとつの特徴といえる。アーム長40〜50 ㎝前後の片テンビンに2〜3本バリの仕掛けをセットする。使用オモリはノーマルで120号。「三好丸」ではライトも可とのことなので船長に確認すると良い。
オニカサゴ釣りはそれほど難しい釣りではない。釣れる時は置き竿でも釣れる。しかし、常にコンスタントな釣果を上げ、海底でエサを待ち伏せしているオニカサゴに、自分のエサを食わせたという満足感(釣れたではなく釣った感)を得るにためには、それ相応の技が不可欠となる。
ポイントの海底は、砂地に根の点在する場所や、起伏のある傾斜地など。そんな海底に潜むオニカサゴを攻略するためには、エサを海底付近に漂わせることをイメージしながら釣ることが大切だ。全長2m前後の仕掛けで、オモリを海底から50㎝〜1mほど浮かせる。これを海底のアップダウンに即応し、キープしながらオニカサゴの居場所を探っていく。
注意すべき点は、海底にエサを置きっぱなしにしないこと。“海底に張り付くオニカサゴの鼻先へエサをぶら下げて食わせる”というイメージを持つことだ。適度にエサを動かしてアピールさせ、オニカサゴの鼻先へ持っていく。これが攻略への第一歩となる。
その方法のひとつとしてあげられるのがタナの切り直し。この動作をマメに行うことは非常に有効。なぜならば、このアクションこそが、エサを動かし、オニカサゴを反応させる手段ともなるからだ。さらに時々、ロッド操作による誘いを加えるとより効果がある。
次に海況と潮況によるタナ切り設定と仕掛けの微調整について。海況が悪く、高いウネリで船の上下動が激しい時は、エサの跳ね上がりを抑えるべく、原則タナは低め。また、仕掛けの幹糸部分(元ス)、テンビン側をプラス50㎝〜1mほど長くし、仕掛けを安定させて、エサの跳ね上がりを抑えるのも一手。逆に潮が動かない日並みは、エサが海底に這いやすくなるので、タナ切りは1mくらいと高めにセットする。このように状況によって、タナ切り設定と仕掛けの微調整を行うことで、悪条件の中でもヒット率は高くなる。
また、リサーチ中、根掛かりするような場所、または竿先に海底の変化(起伏や障害物など)を感じたら、その周辺を重点的に探ってみる。オニカサゴはそんな場所に密集しているケースも少なくない。集中して攻めよう。
オニカサゴのアタリは意外と小さい。アタリが出たら即アワセではなく、誘い同様にゆっくりとロッドを立てて聞き上げる。オニカサゴの口の中に入っているハリを引いて、口周りに掛けるイメージだ。巻き上げは電動の中速でOK。フィニッシュはタモ網でのアシストを仰ぐように。
比較的、西風にも強い東伊豆エリアは冬場の穴場的フィールド。良型をゲットして、おいしい刺身とぽかぽか料理で心地よい今宵を過ごしてください。
以上の記事は「つり丸」2015年2月15日号の掲載記事です。
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ヒットしてから激しい抵抗を海面まで繰り返すオニ。このエキサイティングな引きも魅力のひとつだ。なお明確なアタリはそのままフッキング。小さなアタリの場合は、軽く聞き上げるか、送り込むなどをして、本アタリを出させよう