石花海ヤリイカ仕掛け。タックルはヤリイカ専用でオモリは120〜150号

タックルは相模湾や南房の8対2もしくは9対1調子のヤリイカ専用でオーケー。近年は小型のヤリイカの小さなアタリをとる、という目論みでより専門の竿が人気になっている。
しかし、爆乗り時は仕掛けを下ろせばイカが乗るので巻き上げ時のバラシ防止のみを期待して7対3調子の根魚竿やビシアジ竿などを流用することもできる。
リールはPE3~4号400m以上収納できる中型電動。オマツリなどにより高切れすることもあるので予備のリールは最低でも1台は用意したい。
最新のハイパワーのリールを使用する場合は、船の電源ではなくリチウムイオンバッテリーを持参しそれを使うことをオススメする。
オモリは120号が基本だが、状況によっては150号を使用することもある。
イカ投入器は各船宿にたいてい用意してある(「舵丸」には常備)のでそれを活用しよう。
駿河湾・石花海 ヤリイカ釣行レポート

朝7時が石花海の釣り開始時間。13時まで楽しめる

渋いときはボトムで静かに! 竿をシャクっちゃダメですよ

多点掛けをすることが数を伸ばすカギだ

乗り渋りでも確実にイカを掛け続ける常連さん

乗り渋り時の一荷ヒットはうれしい

石花海の魅力のひとつはイカが大型であること。1月後半からはこのパラソル級がメインになっていく

今期はこのサイズも多い

朝いちの1杯はテンションがあがる

淡い色のツノに乗った

スルメイカもまじる

ツノは11㎝ダブルカンナヅノが定番

今回、取材にご協力いただいたのは、静岡・沼津「舵丸」。
駿河湾の超人気ターゲット、石花海のヤリイカが開幕中だ。なんといってもここのヤリイカの魅力はその味。石花海のヤリイカはアブラエビや駿河湾特産のサクラエビを捕食しているから身厚であまくておいしいといわれている。近年では東海はむろん関東全域から多くの釣り人たちがその味を求めて釣りにくる。
「今期は水温が高いせいか、例年より1ヵ月から2ヵ月ほど遅れているね。12月末でもシーズン初期のポイントでイカが乗っているよ。ジャンボサイズが乗るエボシにヤリイカが本格的に固まるのは1月後半から2月じゃないかな」とは、ヤリイカ釣りの人気船、沼津「舵丸」大船長の片岡邦人さん。
ここのヤリイカ釣りの特徴は、ポイントの水深が200m前後と深いこともあり、ここではバレ防止のため、イカヅノは11㎝ダブルカンナヅノが主流であること。さらに、魚型などの扁平のツノが定番である。
「ここのヤリイカは渋いときほど、ベタ底を意識して静かに釣ることが大切だよ」とは、ベテランの常連さんの言葉。
イカの活性が高いときには、オモリの着底とともにすぐにズンズンズンと明確なアタリが出て多点掛けが可能だ。凪ぎの日を選んで激うまヤリイカ求めさあ、いざ石花海へ!
ツノの選び方。仕掛けは定番ダブルカンナ11cmヅノを使用しよう

さて、石花海のヤリイカの仕掛けだが、ここでは昔から魚型などの扁平型のプラヅノで長さ11㎝、ダブルカンナ仕様が定番となっている。
ツノの本数はスキルや乗り具合によって使い分ければよいが、ツノ数5~7本で真ん中あたりに2~3号の赤白ままたは、赤緑の浮きスッテのコマセヅノを1本まぜるのが一般的だ。
相模湾や東京湾口、南房のようにシビアな乗りのときには、「シングルカンナが有効」と思われがちだが、ここ駿河湾では、乗りが渋くても「ダブルカンナヅノ」が正解。なぜか。
「乗りが渋いときほど確実にヤリイカを掛けなくてはいけないのでダブルカンナにしたほうがいいですよ」とは、イカに詳しい常連さんの弁。
もともと、相模湾や東京湾口ではあまり人気がなく、使用を禁止している船宿もあるダブルカンナヅノが定番になった理由は、その昔、石花海では身厚の大型ヤリイカが爆乗りするのがザラだったのでバラシ防止のためにダブルカンナが主流となった。爆乗りしなくともポイントの水深が200~300mと深いので巻き上げ途中のバラシ防止のためにダブルが有効とされてきた。
現在はどちらかといえば、後者で、掛けた1杯を巻き上げ時にバラさずに確実にあげる、それがダブルカンナを使う理由である。
魚型やダイヤエースなどの扁平型のツノが昔から定番であるのは、沈下速度が遅く大型イカが乗りやすいのが理由。
小~中サイズのイカが多いときは、扁平型にこだわらず、さまざまなタイプのツノを使ってみよう。
一番気にしなくてはいけないのは、ツノの色。
基本は淡い色。濃い色は濁り潮に有効とされている。だから、淡い色をメインにして、濃い色のツノを1本混ぜるのがよいだろう。
ヤリイカの釣り方。タナはボトムメイン。シャクリ過ぎはよくない

石花海では、イカやベイトの反応を見つけてピンポイント攻撃することもあるが、基本的に船は大流しだ。好漁場のため、広範囲にイカがいるから大流しができる。
そのため、基本的にボトムオンリーの釣りとなる。
基本的な釣り方は、オモリ着底後、ゼロテンションの状態でアタリを待つ。乗らなければ、竿の長さ分タルマせてやる。乗らなければ、オモリを着けたまま、ゼロテンションへ。一連の動作で乗らなければ、竿の長さ分、オモリを底からゆっくりとあげ、ストンと落とす。これを繰り返し、乗らなければ10~20mほど巻き上げて、再び底ダチをとる、いわゆる“巻き落とし”をする。
基本的にオモリのボトム着底直後にイカが乗ることがほとんど。静かな誘いで乗らなければ、即座に巻き落としをしよう。
ここで重要なことは、ほとんど“シャクリ”を入れないこと。静かな誘いに乗る傾向があることを覚えておこう。
乗りが渋かったり、シーズン初期、もしくはイカが小さい場合はとくにこの静かなな誘い動作を意識したい。
イカが乗ったらけしてシャクらない。ゆっくり5mほどデッドスローで巻き上げて追い乗りを期待する。数を上げるには、いかに追い乗りさせられるかがカギだ。
また、イカの乗りが渋いときほど、巻き上げは慎重に行う。手持ち竿にして中速度以下で巻き上げるようにしよう。
逆に爆乗りしているときは、イカはしっかりとカンナに掛かっておりバレにくいので多少速いスピードで巻き上げてもオーケーだ。
最初のアタリが大きめに竿先に出るときは、イカは上のツノの乗っていることが多い。つまり、ヤリイカの群れはべた底ではなく浮いているということ。
これを追い乗りさせるためには、ゆっくり巻き上げる方法をとる。5mではなく10mほど誘い上げてもよい。
明らかにイカの群れが高ダナ傾向にあるときは、相模湾や南房のようにボトム着底後、底から10m前後上まで段差を付けながらシャクリあげてもよい。乗らない場合は、再びボトムオンリーの誘いにすぐに戻すようにしよう。
逆に小さなアタリの場合、下のツノに乗っていることが多い。このときは、すぐに上げずにタルマセてやるとその上のツノに追い乗りする。いずれも、イカが乗ってから追いアワセのためのシャクリは入れないように。イカが墨を吐き、他のイカが警戒して乗らなくなってしまうからだ。 また、サバはヤリイカ釣りにはつきもの。多いときは、仕掛けがなかなか底まで降りない。そのやっかいもののサバも食べるとおいしいが、これを避けるためには、仕掛け投入後手持ち竿にして、竿先を真下に向けよう。こうすることで、フォール中に船の揺れなどが原因でスピード変化をなくすことができる。サバはイレギュラーな動きのあるものに反応するので、かなりの確率でサバをかわすことができる。
この方法でサバに掴まるときは、仕掛けを直結仕掛けに換えるか、ツノの数を3本にするなど少なくしよう。
以上の記事は「つり丸」2019年2月1日号の掲載記事です。
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