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釣る前に、食べる前に、スミイカ(コウイカ)を知ろう!

釣る前に、食べる前に、スミイカ(コウイカ)を知ろう!

スミイカは、コウイカ目コウイカ科コウイカ属。関東以南。南はインドネシアやベトナムなどの東南アジアまで生息している。

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スミイカ(コウイカ)(コウイカ目コウイカ科コウイカ属)の生態

関東以南。南はインドネシアやベトナムなどの東南アジアまで生息している。

春から初夏の産卵で生まれた子イカは急速に成長して秋には立派な親のサイズになり、翌年春から初夏に産卵し死んでしまう。コウイカの寿命は1年とはかない。

関東では夏の小さな個体を新イカと言ってすしダネにする。信じられないくらい高価だが、味がいいわけではなく、少し柔らかすぎてうま味や食感も平凡なのだ。この季節の先取りを好むのが江戸っ子の性だ。
関東では成イカはとれるとすぐに墨まみれになるので、「すみいか」と呼ぶ。

西日本では関東のように小さなものは食べず、秋になってから流通し始める。関西人はあくまでも実際に食べてうまいか、まずいかを大切にするのだ。一見、頭に見える外套(胴)の部分のいちばん後ろに甲羅から小さな棘が出ている。西日本ではこれを針に見立て、「はりいか」と呼ぶ。

外套膜の中に内臓と貝殻(甲)があるのが特徴。

本種などコウイカの仲間の甲は、見た目にも貝殻に近いものだが、スルメイカやヤリイカなどはフィルム状をしている。

貝からコウイカの仲間になり、ヤリイカなどのツツイカの仲間になり、やがてタコとなり貝殻がなくなる。

これが貝やイカ、タコの進化の方向性である。

三重県や和歌山県などでは、この白い甲を干して粉にして止血剤として使っていたらしい。

また江戸時代には歯磨き粉にもなっていた。

釣れたら甲は捨てないで、いろいろ活用してみては?

スミイカ(コウイカ)の値段

関東では流通上「すみいか」である。

イカの仲間はそれほど高値がつかないが、本種は比較的高値で安定している。

特に江戸前東京湾産は高く、1キロあたり卸値3000円前後。

今回の300gサイズで1パイ、卸値で900円くらいだ。

スミイカ(コウイカ)の釣行レポート

東京湾 冬の風物詩スミイカ釣りが例年より1ヶ月遅れで本格化!金沢八景の「一之瀬丸」でもテンヤでのスミイカ釣りを開始。大型モンゴウイカまじりで盛り上がっている!

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今年も東京湾のスミイカが開幕。取材日は中ノ瀬の水深20m台を風裏中心に狙い、250〜500g級がトップ8杯。ほとんどの人が型を見ることができた。釣趣バツグン!食味も最高!スミイカを狙おう。

「スミイカ」の寿司①…舌に当たった部分が甘く、シコシコした食感

非常に冷え込んだ夕方、市場寿司に行ったら、たかさんが唄っていた。

「絶好調、絶好調、ホイ!」

「なに唄ってるの?」

「見て、見て」

「すごい!」

なんとネタケースが空っぽだった。マグロの切れっ端もない。

「まさか、ないの?」

「ないよ」

「売り切れです」

市場寿司は経営難から四時間の短時間営業だ。それなのにネタが全部なくなっている。これは実に喜ばしいことなのだ。けれど、

「じゃ、ボクって何?なんのために来たの?おせえて?」

「はいよー!これ持って帰りな」

 手渡された折には中巻きが二本にもう一折はなんだろう?

「そうだ、ちょっと待ちな」

 つめ(アナゴや煮いか、ハマグリの煮汁を煮つめたもの)をちょんちょんとつけて、袋にぽーんと入れて、

「はい、さようなら」

「急いでるってか?」

「今日はウチの奥様とデートなの」

いい年してなにがデートじゃ、とは思うものの、折の中のブツがやたらにうまそうだ。「許してあげますよ」。そわそわと袋をかかえて自宅に帰って、中巻きの下の折を開ける。特製だし巻き卵にイカと九条ねぎのぬたが入っていた。

大急ぎで故郷の純米古酒を出してきて燗をつける。どうやら、ぬたの主役はスミイカの耳だ。噛むとシコシコしてほんのりと甘くて、ねぎの香りがいい。燗酒がすすむ。午後四時、暮れなずむときの酒がうまい。

すっかり体中に酒が行き渡って、もうひとつの折を開けたら、げそと頭(目のあたり)を甘辛く煮たものを芯にした中巻きだった。煮方がいいのか、口の中ですし飯とともにほろほろと崩れて、喉に消えてなくなるのがおしいくらいにうまい。

中巻き二本といえば、丼いっぱいのすし飯の量だが、それがやけにはかなく目の前から消えた。そのあっけなさに涙がポロポロは大げさだけど、江戸前ずしの神髄はこんなところにあるのだな、と思い至る。

翌日、市場寿司に立ち寄って、「また作って」とお願いしたら、「あれは毎日あるってもんじゃないの」とたかさんが珍しくマジな顔で言ったのだ。ここで二日前に話をもどす。

ご近所の釣り名人、蛸さんが金沢八景沖のスミイカを二杯持って来てくれた。パックに入っていたのをバットに移すと、まだ生きていて、指に足をからめてぎゅーっと締めつけてくる。
海外から帰ったばかりだったので、翌朝、たかさんにスミイカを丸投げしたのだ。

夜明け前の市場寿司でつまんだすしは文字に出来ないほどのうまさだった。新しいので、切りつけたネタがすし飯の上でゆっくり動く、それを口に放り込むと舌に当たった部分が甘い。

やや硬めですし飯との馴染みこそ悪いが、そんなことはどうでもいい、そう思えるほどのうまさだ。

「もっとつけてよ」

「だめ、あとは午後にしな」

午後になるのが待ち遠しかった。やきもきしながら、押っ取り刀でかけつけた市場寿司だったが、本体はすでになかったというわけだ。

さて、数日後に市場寿司ののれんをくぐると、だまって出してくれたのが、あれと同じ中巻きだった。

「げそと目のあたりを冷凍しておいてさ、ある程度たまったら酒と水で煮て、穴子の煮汁を足してまた煮るの。売りもんじゃないからね」

たかさんがまだ若い衆のときに教わった、江戸前の仕事だという。

二千十九年は中巻き太りになりそうで恐い。気を取り直して、

「今年も張り切って行きましょう」

「ほどほどにね……」

以上の記事は「つり丸」2019年2月1日号の掲載記事です。

「スミイカ」の寿司➁…江戸前スミイカのすし弁当!!美味しそうでしょ!!

ある日の昼下がり『市場寿司』の前で途方に暮れていた。たかさんが蒸発していたのだ。

そこに近所のすし屋のIさんがきて、細長いものをバッグから取り出して、

「これ作ってみたんだけど」

「テンヤですね。こういったものは船宿で買うもんだと思ってました」
 
バッグには、餌木や磯用のウキなどがいっぱい入っている。

タッパーウエアの中の餌木を取り出して、

「始めるんでしょ。これどうぞ」

「ありがとうございます。でもやったことがない。大丈夫かな」
 
Iさんにアオリイカの防波堤からの釣り方を教わっていたら、やっと徘徊老人が帰ってきた。

「あれ、ふたりして何やってるの」

「それはないでしょ。営業中の札出てるし、ドアの鍵はかけていないし。どこほっつき歩いてたの」

「あははの、は。ごめん」
 
その日『市場寿司』は大繁盛。すし飯がなくなっていた。

ただ、Iさんの半生を聞けたのは大収穫だった。

Iさんは今、店は息子さんまかせで釣り三昧の日々なのだという。
 
たかさんがネタケースから切りつけたイカを出してきて、「このスミイカも東京湾で釣って来てくれたんですよね」

「そうだよ。正真正銘の江戸前。仕入れたら高いと思うよ」

「いっぱいもらっちゃって」

「Iさんとこは使わないの」

「うちはコロナで出前ばっかだからね。お決まりにスミイカいれたらお客はビックリすらーね」
 
ちなみに、普通のすし屋の出前用上握りは、安い&たくさんがモットー。

イカは冷凍ものの中では少しだけ上等な「赤いか(ソデイカ)」が使われている。

そこに突然、江戸前スミイカが入っていたら、普段食べている握りはなんだ、って事になりかねない。

すし屋ってむつかしい。

「たかさん、今日バスなんだけど」

「なぜ?」

「荒井呉服店に行った帰り」
 
八王子市の荒井呉服店は、むしろ松任谷由実の実家で有名だが、意外に昔ながらのものが見つかる。

八王子の老舗数店舗を巡り、撮影用に雑貨などを買っての帰りなのだ。
 
Iさんが釣ったスミイカの刺身、げその甘辛煮を肴に飛騨市の酒を冷やでやる。

食感がしこっとして心地よく、上品な甘さが後からくる。

やはりスミイカは江戸前に限る。
 
さて、コロナの影響で、打ち合わせはPCに向かっての日々だ。

外出が極端に減り、太りすぎで身動きがままならない。

そんなとき、ご近所の釣り師、蛸さんから「スミイカいりませんか?」とケータイがはいる。

金沢八景からの帰り道で、「今日も竿頭でした」とぬふふと笑う。
 
夜も更けて、蛸さんの車が到着。

本当に蛸入道のような蛸さんがスミイカをくれた。

重さ三百グラムの平均的サイズだが、不用意に触ると腕をからめて吸いついてくる。
 
翌日は朝から大忙しだったので、午後、そのまま、たかさんに渡す。

「あのさ、忙しいんだけど」

「どうして?」

「見りゃーわかるでしょ」
 
お持ち帰りのオードブルの容器が五つも並ぶ。

卵焼きに煮だこ、ズワイガニ、ほうれん草の胡麻よごしに、寿司ネタ全種を刺身にしている。
 
ノンアルビールと、卵焼きで待つこと一時間半。はいよと来たのは、すし弁当だった。

すし飯に干瓢を散らし、スミイカのたくわん巻き、きゅうり詰め、げそ煮、細造りときて空きスペースに、がりと卵焼きと芽ネギにたくわんの胡麻和え。

「たかさん、お持ち帰りの勉強し始めにしてはよく出来てる。六十点」
 
その日の晩酌のうまいこと、うまいこと。

スミイカって素晴らしい。

ついでにたかさんも、偉い!

以上の記事は「つり丸」2021年3月1日号の掲載記事です。

◆協力『市場寿司 たか』
八王子市北野八王子綜合卸売センター内の寿司店。店主の渡辺隆之さんは寿司職人歴40年近いベテラン。ネタの評価では毎日のようにぼうずコンニャクとこのようなやりとりをしている。本文の内容はほとんど実話です。

文責/ぼうずコンニャク
魚貝研究家、そして寿司ネタ研究家。へぼ釣り師でもある。どんな魚も寿司ネタにして食べてみて「寿司飯と合わせたときの魚の旨さ」を研究している。目標は1000種類の寿司を食べること。HP『ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑』も要チェック。

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