イサキ仕掛け。タナは正確に まずは最初の1匹を!

「竜一丸」では、明確なタナの指示があり、迷うことなくタナ取りができる。
「38mから35mでやってみて」
こうアナウンスがあった場合、まずビシを38mまで沈め、そこで仕掛けが馴染むのを待って、コマセを細かくシュっとまき、それを1mごとにくり返し35mでセットする。ここでアタリを待つ。
食いがいいときは、コマセをまくとスグにアタリがやってくる。また、待つときに竿をシャクって誘いを入れると反応がよくなる。
一方、活性が低いときなどは、一度コマセをまいたら10秒以上竿を動かさないで、じっとアタリを待ったほうが食うときもある。
この待ち時間はその時々によって変わってくるので、どれぐらいで食うかを把握しておこう。食う時間を数えて、そこで食わなければもう一度シャクってコマセを出し、再び同じ時間待ってみる。
まったくアタリがなければ、この場合、38mまで落とし、再度コマセをまきながらタナまで持ってくる。これを2、3回やって食わないようなら回収してコマセのチェックをして再投入しよう。
エサ取りがいる場合は、付けエサだけついばんでいくこともあるので、こちらもチェックしよう。
まずは、最初の1匹を掛けることを考えよう。
南房・西川名沖 イサキ釣行レポート

「シーズン初期のイサキはアタリが小さいですよ。そこから追い食いを狙っていきます」と、見事なテクでトリプル達成!

1匹掛かってから、誘いを入れていくのがコツ!

大方の予想を裏切り、ダブル、トリプルが連発した

30㎝以上の良型ばかり!

一時、キントキがバタバタと切ってきた

朝イチのポイントは大型のメバルが連発した

誘えば結果が待っている!

後半食いがよくなり数釣りを堪能できた

ポイントは西川名〜洲崎沖。タナは深いところで40mほど。小型電動があると手返しが楽だ

ビシは下は全閉、上部は3分の1程度開放し、出具合をみて微調整

特製付けエサは細かく細く切って使う。特に今の時期は小さくするのがコツ

船宿仕掛けは1.5号の細ハリス&3.5mのロング仕様

今回、取材にご協力いただいたのは、千葉・西川名港「竜一丸」
3月1日と言えば、南房総のイサキが開幕する日である。そのイサキと言えば、数釣りできるコマセ釣りの代表格だ。
しかし、イサキはとてもデリケートな魚で、水温が低下するとどうがんばっても口を使ってくれないという、困ったちゃんの側面も持っているのだ。
「昨日は南西風が吹いてたからまた水温下がっちゃったよ。イサキ食うかわかんないよ」と、西川名港「竜一丸」の安西竜一船長は言う。
そんな船長の悪いほうの予想通り、1日の開幕日は開始から2時間ほどは反応があるのにイサキはまったく口を使ってくれなかった。
そして、3ヵ所目のポイントへ。ここで、まず30㎝クラスのイサキが顔を出すとバタバタと食いだし、待てばちゃんとダブル、トリプルと良いほうへ急展開。
「アタリは小さいよ。ちゃんと竿先を見ていないとわからないぐらい。これを取ったら軽くアワせておき、そのあと誘い続けると食い気のある魚が食ってくるよ」と常連さん。
マメに流し替えをすると、船長から「反応が入ってきたよ〜」とアナウンス。すると、スグにまた食いだす。食ってくるのは良型ばかり。
その後もトップ30匹前後で推移し、まずまずの滑り出しを見せている。
これからどんどん安定し、さらにサイズ、数も上昇していく。脂の乗りも最高だ。
竜一丸のイサキ釣り。追い食いで 楽しさと釣果倍増!

イサキ釣りの楽しさは数釣れること。ただし、何もしなくてもダブル、トリプルで掛かってくるという爆食いのときばかりではない。
数釣っている人たちは、ただ何となくダブル、トリプルで掛けているのではなく、「狙って」釣っているのだ。ここがイサキ釣りの最大の楽しみでもあるのだ。
最初の1匹が掛かったとき。魚がどんな動きをするかで追い食いさせる方法を変えてやろう。
掛かった魚が元気に暴れている場合は、竿先を少し下げて魚を暴れさせておく。
こうすると勝手にコマセを振ってくれ、周りの魚が寄ってきてエサバリに食いつくという寸法だ。
もうひとつは、食ってから暴れないときだ。とくに水温が低い時期は、アタリも小さく食ってからもそのままじっとしているようなときが多い。
こんなときは、竿先を下げた状態で、竿先をスイッ、スイッと持ち上げるように小刻みに誘ってやる。
こうすることでコマセと付けエサが動き、あまり活性が高くない魚も思わず食いついてきてしまうという感じだ。
追い食いを狙うには、最初の1匹を掛けたあと、軽くアワせておくのもいい。
「竜一丸」での付けエサはイカタンオンリーだ。このためハリはムツバリを使用する。
ムツバリは魚が外れにくいので、誘って追い食いさせるのにも向いたハリだ。
しかし、いくら外れにくいといっても、待ちすぎては最初の魚が外れてしまうことも。
この待ち時間は、その時々の食いにあわせてやろう。
待ったほうがいいといって、かなりの時間待って食わせるなら、一度回収して再投入したほうが早いときもある。
食い方を見極めるのが重要だ。
今後、このエリアは食いダナも浅くなっていき、今よりも釣りやすくなる。3月、4月は引きはあまり強くないが脂の乗りが最高な時期。
それ以降は引き味も強くなるという感じだ。
夏までロングランで楽しめる。数釣りの醍醐味を味わってみよう。
以上の記事は「つり丸」2014年4月1日号の掲載記事です。
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