ヤリイカの仕掛け。ヤリイカ専用ほか アカムツ用も流用可能

ツノ数について
通常、市販のヤリイカ仕掛けはツノ数が5~7本のことが多い。
このエリアでは群れさえいれば多点掛けできるが、慣れない人は手返しを重視して5本以下にした方がいいだろう。
5本の市販仕掛けなら1本カットして使ってもいい。これで手返しはうんと良くなり、トラブルも少なくなる。
特に好調が続き混み合うとオマツリも多くなる。その無駄な時間を出来るだけ減らせば釣果は自然と増えてくる。
慣れた人も手返し重視で数を伸ばす場合は、ツノ数を抑えてやろう。
シングルカンナとダブルカンナどっちがいい?
ラヅノのハリの部分をカンナというが、これが1段のものをシングルカンナ、2段のものをダブルカンナと呼ぶ。
ここ常磐エリアではダブルカンナをすすめる船が多い。
それは、第一にヤリイカがでかいということが挙げられる。
特に11㎝のプラヅノを使用する場合、シングルカンナはカンナが細く掛かりは良いがバラすことも増える。
その点、ダブルカンナはガッチリと捉え、少しのことではバレにくいという特性を持つ。
もちろん好みで良いが、大型主体の時はダブルカンナがおすすめだ。
ただし、好調時の休日などかなり多くの人が乗船する。
そこでオマツリが多くなるが、ダブルカンナの場合、なかなかオマツリを解けなくなる。
こんなこともあるので、乗船者が12人くらいまでの時はダブルにして、それ以上の時はシングルと、使い分けても良いだろう。
現在、小サバが多いが釣りにならないというレベルではないのでブランコ仕掛けで良いが、今後、もし大型のサバが増えてきたら直結仕掛けも考えたい。
ここで一つ大きな問題がある。それはサメの存在だ。
乗せたイカを途中で引ったくるだけでなく、落下中のオモリを狙って仕掛けごとぶった切っていってしまうことも。
仕掛け、オモリとも予備は多めに用意していこう。
オモリは新品の光る物が特に取られやすい傾向にあるので、黒いものを使用したり、マジックで黒く塗っておくのがオススメ。
釣り方は簡単 多点掛けで数を伸ばそう

入時は投入器を使用する。混み合っているときは少し遠目に投げるようにしてオマツリを避けよう。
また、これから風が強いことも多くなり、投入時に自分の竿に仕掛けが絡むなどのトラブルも多くなる。
そんな時は竿を持ち、少し投入器と離して、竿を立てた状態で投げ入れることで回避できる。
落下中は軽くサミングをしてなるべく糸フケが出ないようにする。
基本は底狙い

カンネコ根の場合、根とは名が付くがゴツゴツの岩場の上を狙うというよりは、根の周りの砂泥池を狙うという感じで、着底するとオモリがズボっと埋まることが多い。
まずは着底したらそのまま竿先を見てみよう。特に潮周り後の1投目は糸フケを取りながら竿先を注視しよう。
ここで乗ることが多いからだ。着底一発目はゆっくりとアタリを取りたいが、混み合っている時はオマツリするので、なるべく早くオモリを底から切っておこう。
竿先がフワフワしたりガタガタしたらそれは乗っている証拠だ。
乗らない時は、少しオモリを切ってから大きく誘ってやる。誘いは大きくシャクリ上げるのと、シャクり上げてからストンと落とす誘いを試してみよう。
何も指示がない場合は海底から10mほど探っていく。底でしか乗らない場合は、着底、底を切る、誘いの繰り返しを。
巻き落とししよう
最初の投入で乗らない、誘っても乗らない時は、一気に20mほど巻き上げてからもう一度落とす巻き落としをしよう。
特に周りが乗っているのに自分だけ乗らないような時は効果がある。
中層にも群れが多いとき
現在、小サバやイワシなどのベイトが多く、その群れを追って中層にもヤリイカが乗ることがある。
そんな時は底から探っていく場合と、投入時に中層で仕掛けを止めて乗せる方法がある。
船長から「上でも乗るよ。100mぐらいでもいるよ」などという時は、仕掛けを止めてシャクって乗りを確認し、5~10m落として再びシャクって乗りを見ていこう。
追い乗りで数を稼ごう

好調な乗りが続いている。毎回1杯ずつ乗せるのと2杯ずつ乗せるのでは単純に倍の差が出る。
このエリアで数釣りができる時は、だいたい「落とせば乗ってくる」というありがたいものだが、多点掛けを狙おう。
①最初に乗りを確認したら、そのままゆっくりのスピードで手巻きして、それから電動巻き上げに。
②乗った場所で、イカの重みを感じつつ竿をゆっくりと持ち上げてさらに誘いをかける。
これらの方法で追い乗りを狙おう。爆乗りしていて究極の多点掛けを狙いたいという人は仕掛けを連結しても良いだろう。
ただし、手返しは極端に悪くなるので、「一発を取りたいか」か「堅実に数を伸ばしたいか」で選べば良いだろう。
常磐のヤリイカは大型が多いのでバラシも少ないが、取り込みはとにかく慌てないことだ。
イカを見ても焦らず慌てず。わざとゆっくりとやるぐらいのつもりで、両手を大きく伸ばして取り込もう。
波崎・カンネコ根 ヤリイカ釣行レポート

「1杯でもズッシリです! 身も厚くて味も最高です」と近藤さん

数を伸ばすには追い乗りさせるのがコツ。1杯乗ったらゆっくりと巻き上げるだけ

パラソル級が揃うカンネコ根。ズッシリとした重量感を味わおう

仕掛けは投入器(船でレンタルできる)を使ってできるだけ遠くへ投げ入れよう

ツノの数だけイカが乗ってくるほどスレ知らずのヤリイカがここにいる

「ズンズンズンっ」というイカ独特な引きを味わいながらゆっくりと巻き上げると追い乗りするのだ

多点掛けはこの取り込み時が最高に気持ちがいい!!

「信栄丸」の船上は19tの大型船なので広々

お邪魔がなければ多点掛け確定!

見て見て! このズッシリ感!

常連さんが今回使用したのはNEW「シーボーグ300J」

仕掛けは「極鋭ヤリイカ」のコンビ。多めに用意を!

オモリは150号。仕掛けは11㎝のプラヅノが定番

これがヤリイカの反応。ボトム付近に出る

身厚で大変甘い極上ヤリイカがそろう

肉厚ヤリイカの船上干しもうまい!

プラヅノを食ってきたアラ。このほか大型ウスメバルなども

予想以上に釣れるとパラソル級ばかりなので中型クーラーに収まりきれなかった

70杯以上キャッチ!クーラーに入りきれません

アカムツ名人たちはイカ釣りも得意

今回、取材にご協力いただいたのは、茨城・波崎「信栄丸」
現在、各地でヤリイカシーズンに入っているが、そんな中でも最も熱い注目を浴びているのがこの茨城南部エリアだと言っていいだろう。
このフィールドのウリはなんと言ってもサイズがいいこと、そして誰でも気軽に数釣りが楽しめることだろう。
現在、ヤリイカの群れは北の海域から続々とカンネコ根周辺に集結中だが、釣れるイカのサイズは大型メイン。
その身は厚く、甘みが強くて食味は最高との評判だ。
「今年は1月中旬から開始しました。いい反応があって好調なスタートを切りました」とは波崎「信栄丸」の高野宏之船長だ。
取材日は好条件が揃って大型メインに、トップは80杯という大釣りを記録。
今期を占う上で最高の滑り出しとなった。
「イワシや小サバのベイトが多くて底だけじゃなくて結構高いタナでも乗っていますよ」
そんな船長の言葉通り、この日は高いタナでも乗って4杯、5杯掛けが連発して数が一気に伸びた。
ポイントの水深は120 ~150mほど。カンネコ根はアカムツの一級ポイントでもあり、ヤリイカも豊富なエサを求めて北から群れが南下してくる。
その群れの反応を見つつ、根の周りを大流しして釣っていくスタイル。
このため、一度群れを捉えると簡単に数釣りが可能となり、慣れない人でも大釣りできるというわけ。
一方、鹿島新港出船の「桜井丸」も同ポイントでやはり大型主体の釣りを展開中だ。
「とにかくサイズが良くてうまいよね。これから数釣りも安定すると思うけど、このうまさを味わうには早めの釣行がおすすめですよ」とは「桜井丸」の櫻井正雄船長。
ヤリイカの群れが大挙してやってきているが、ちょっと厄介なこともある。
それはサメで、ちょいちょいイタズラをするし、オモリや仕掛けを切っていってしまうことも。
このため、仕掛け類は多めに準備していこう。
「サバはいるけど小型が多いのでそんなに邪魔なことはないですね。
これから水温が下がっていくとヤリイカの群れも浅場に入ってくるので、もっと釣りやすくなります」
ヤリイカシーズンは開幕したばかり。これから5月ごろまでは続く見込みだ。
長い時期だと夏までなんてこともあるほど、現在の茨城はヤリイカの一大フィールドだ。
以上の記事は「つり丸」2019年2月15日号の掲載記事です。
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タックルはいわゆるノーマルなヤリイカタックルでいいだろう。
オモリ負荷150号対応の先調子ヤリイカ竿にPE3~4号300m以上巻ける電動リールを組み合わせる。
専用タックルがなくても、カンネコ根などで使用する2m前後のアカムツロッドも流用可能だ。
多少胴に乗るような軟らかめの竿でも、乗るイカが大きく、小さいアタリを取ってかけていく釣りではないので対応できる。
カンネコ根周辺では水深120~150mほどを狙うためオモリは120~150号がメインになる。
2月後半から3月になり水深が100mを切ると、船宿によってはライトタックルやイカメタルゲームが楽しめるので、問い合わせてみよう。
仕掛けはプラヅノ11㎝を5~8本のブランコ仕掛けが基本。
大型が多いので14㎝でもいいだろう。プラヅノの色はピンク、ブルー、ケイムラ系が基本だが、このエリアの海は濁ることも多く、そんな時は蛍光系、グリーンやオレンジなど派手系が乗ることも。
また、ボディは細身のものよりもヒラヒラの魚バリやタマゴバリが乗ることが多い。
このほか、下から2、3本目に赤白のスッテを入れておくと安心だ。大型がこればかりに乗ることも多い。