ヤリイカ仕掛け 美味しいイカ&サバがともに好調!

実はこの釣り、今年は模様がすこぶる良い。
寒サバといっても、マサバばかりの年もあればゴマサバがまじる年もある。
イカもスルメが多かったりヤリイカが多かったり、年によって違う。
今年の釣況といえば、サバはマサバばかり、しかも45㎝を越えるジャンボがまじってくる。
さらにヤリイカもシーズン初めなのに群れが濃く、良い日は40杯以上の釣果を出していた。
脂ノリノリのデカサバに甘い身のヤリイカ、どちらも旬となれば行くしかない。
1月30日は平日ながら釣り人が多く、船は二隻出しだった。
吉清晃朗船長が舵を握る第三不動丸の右舷に入れてもらう。
船長に話を伺うと、ヤリイカはまだ初期で、反応が大きい日は多点掛けで数が伸びるが、底反応で単発のときもあり日によってムラが出ているとのこと。
サバは好調、キロ超え特大マサバも毎日顔を出しているという。
1時間ほど走ってポイントに着いた。
まずはフラッシャーサビキでサバ釣りだ。
反応に乗せて投入合図が出る。
「水深は200m。120mから150mに反応があります」とのアナウンス。
サバの反応は中層に出る。
反応の上についたら、仕掛けを止めて竿先の変化をみる。
アタリがなければ10m落としてまた止める、というようにタナを広く探ってやるとよい。
竿先がフワフワと揺れたらアタリで、そこからは糸フケが出ないように上へ上へと巻き上げて10秒ほど追い食いをさせる。
このところ、反応の上の方で大型が食っているとは船長の話だ。
1投目はカメラを構えて様子見をしていが、サバのサイズにびっくり。
35㎝前後の大型が鈴なりで上がってくるが、その中に50㎝近いヤツがまじってくる。
これがはちきれんばかりのナイスバディのマサバなのだからこりゃたまらない。
次の流しから私も参戦し、サバを次々と抜き上げた。
小型(といっても30㎝級だが)はリリースし、大きいのだけをキープする。
45㎝の大サバもまじり、数投でお土産は十分確保できた。
サバを血抜きしてクーラーにしまいながら、余裕でヤリイカの開始を待った。
ヤリイカはサバとほぼ同じ場所だが、船長はサバの反応を避け、イカの底反応に当てる。
水深は205m、オモリを底まで落とし誘いあげると、すぐに穂先がクンクンと引っ張られた。
慎重に巻き上げると、ヤリイカの3点掛け、胴長20㎝ほどのメスのヤリイカだった。
しかし、ヤリイカのツノにもサバがアタックしはじめた。
これがまた良型のマサバなので、クーラーはさらにサバで埋まる。
船長はサバの反応から逃げるようにヤリイカの反応を追う。
うまく底まで落ちればヤリイカが乗るが、反応は底近辺から浮かないようでこの日は多点掛けが少ない。
中層でサバに止められることもしばしばあり、この日はヤリイカは苦戦気味だ。
それでも慣れた人は数を伸ばして、トップは20杯とまずまずの釣果で沖揚がりの時間となった。
寒サバの釣果はトップで53匹で、ほぼ全員が重いクーラーを持っての下船となった。
寒サバのシーズンは例年なら2月いっぱいで、春を迎えると脂が落ちてくる。
今年は特に大型マサバの魚影が濃いので、残り少ないシーズンでぜひ脂乗りまくりの寒サバをゲットしていただきたい。
対してヤリイカはこれからが本番。
まだ小型のメスヤリが目立つが、このメスを追ってパラソル級のオスヤリが増えるのは2月以降になる。
そして3月になると浅場にもヤリイカの群れが回遊し、ヤリイカを専門に狙う時期になる。
反応も高く出て、大型ヤリイカ多点掛けを楽しめるのが春シーズンだ。
ワンポイントアドバイス◆勝浦沖ヤリイカには巻き落としが有効
勝浦沖のヤリイカは、瀬の上に広く反応がでることも多く、ひと流しの時間が多い。
このため、底近辺で誘って乗せるのが主な釣り方だ。
船の流しに合わせてイカの乗りを待つという釣り方でも良いが、アタリを増やすためには積極的に巻き落としをしてみよう。
20mほど巻き上げてから、底まで下ろす。
ツノが上から降りてきてストンと止まる動きはヤリイカにとって絶好の誘いとなる。
着底直後のアタリは明確でわかりやすい、というメリットもある。
また、ツノ数をあえて5本にするのも有効だ。落下速度が速くなり、中層でサバに捕まる確率が減るからだ。
外房・勝浦沖 お土産たっぷり ヤリイカ&サバ釣行レポート

勝浦沖は、最盛期にはずーっと船を流しっぱなしでも、いつまでもヤリイカが乗り続けるほど、イカの群れが集まる場所だ

調子上向き! 外房勝浦沖のヤリイカ釣り。
まだ小、中型が多いが、こんなグッドサイズの多点掛けもあるぞ!

近年はなかなかに予測の難しいヤリイカ釣りだが、ここ勝浦沖は今期はよさそう!
やや日ムラはあるようだが、いい日はツノ数パーフェクトも狙える!

ソフトなシャクリで誘って乗せてゆく。
着底と同時に一発でズシッと多点掛けになることもある

この時期のヤリイカは大小にかかわらず身厚で美味しい。刺身が最高だが、煮ても焼いてもウマイ!

リレーでフラッシャーサビキの寒サバ釣りも。勝浦の寒サバは極上の美味しさだ

見よ!このデップリとした腹。脂がタップリだ

寒サバシーズンは終盤。脂たっぷりでこの時期のサバは激ウマ!

寒サバ狙いは2月いっぱいくらいまで。食べたい人はお早めに!

今回、取材にご協力いただいたのは、千葉・川津港「不動丸」
丸太のように太った寒サバには脂がビッシリ。
透明感あふれるヤリイカには甘みがタップリ。
真冬の海の幸を同時に味わえるのが勝浦沖のグルメリレー釣りだ。
勝浦川津港の「不動丸」では朝方にフラッシャーサビキで旬の寒サバを釣り、後半はヤリイカを狙う乗合船を出している。
「今年は寒サバは好調、ヤリイカも早い時期から釣れてます。
2月、3月になると新しいヤリイカの群れがどんどん入ってくると思いますよ」と、吉清晃朗船長。
サバの魚影はすこぶる濃く、7本バリのフラッシャーサビキ全部にマサバが掛かってくることも珍しくない。
レギュラーサイズは35~40㎝、これに45㎝を越えるジャンボサイズがまじってくる。
このマサバが絶品で、脂の乗りはすさまじく、焼き網から炎が立ち上るほど。
ヤリイカはサバと同じ漁場に群れがいるので、水深200m前後とやや深場を狙った。
こちらは走りの群れで、大型の群れが来る本番はもう少し先になりそう。
現在は30㎝前後の中ヤリ主体だが、春が近づくにつれパラソルサイズが増え、重量感溢れる乗りを楽しませてくれるだろう。
寒サバのシーズンは例年なら2月いっぱい、その後はヤリイカ中心の狙いになっていく見込みだ。
寒サバは終盤だが、ヤリイカはこれから本番、両手に花を狙いたい人は釣行を急ごう。
以上の記事は「つり丸」2019年3月1日号の掲載記事です。
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