キンメダイ仕掛け 朝イチにキンメ その後にヤリのリレー釣り


片貝旧港「二三丸」が毎年2月から3月いっぱいにかけて出船させるキンメ・ヤリイカのリレー乗合は、
美味しい魚と美味しいイカが一挙に狙える豪華リレー釣りだ。
キンメというとヘビーな深海タックルが必要と思うかもしれないが、さにあらず。
リレーで狙うヤリイカのタックルがあれば、それ1タックルでキンメもヤリも狙えてしまうのだ。
片貝沖一帯は、かなり沖まで遠浅の海底地形が続いており港の近くではキンメなどの深場釣りはできない。
しかしその遠浅の海の先にあるのが有名な片貝海溝。
言わずと知れたキンメなど深場釣りの好漁場だ。
この海溝の400mほどのラインでキンメを狙う船は古くからあったが、「二三丸」は300m以浅のポイントに限定して狙っている。
「キンメは朝一番、まだ空が薄暗い時間帯に狙います。
暗い時間帯はキンメも浅場に上がってきてエサを追っているので200m台から300mまでの水深でも釣れるんです」、
こう話すのは「二三丸」小倉 忠船長。
浅場で狙うキンメ釣りなので本格的な深場タックルは必要なく、ヤリイカタックルなどの流用で狙えてしまうというわけだ。
港集合は3時半。ポイントまで2時間ほど走ってもまだ空は薄暗い。
そこから完全に明るくなるまでの2時間半ほどキンメを狙うが、それ以降はキンメの群れが沈んで釣れなくなる。
「この時点でまだ時間はある。そして幸いなことにキンメ釣り場から20分ほど走ったところにヤリイカのポイントがあるんです。
それならば同じタックルで両方釣っちゃえばいいんじゃない!ってのがこのリレー釣りっていうわけです。
イカのタックルなら多くのひとがキンメに挑戦できるし、家に帰ってキンメとヤリイカの刺身盛り合わせが食べられるなんて最高でしょ!」と船長。
日並みがよければキンメはトップ40匹ほど、それに加えてヤリイカもトップ10~15杯前後釣れてお土産になっている。
前述のようにタックルはヤリイカタックル(オモリ200号が背負えるもの)1セットでOK。キンメ用、イカ用2タックル用意してもいいが、「イカ竿で十分キンメも釣れますよ」と船長。
イカ竿1本でやる場合、多点掛けになるとだんだん胴に乗ってバラシを防いでくれるような調子のイカ竿が理想。
キンメも口切れのバラシがある魚なので、それを防いでくれるからだ。
2タックルにするなら、キンメ用はオモリ200号対応の中深場竿やビシアジ竿などが流用できる。
道糸はPE4~5号を使うのがルール。
オマツリなどトラブルを少なくするために、これは厳守しよう。
これを300m以上(300~400m)リールに巻いておく。
電動リールは、シマノなら2000番から3000番、ダイワなら500番クラスのものでOK。
つまり普段イカで使っているようなリールだ。
キンメの釣り方 宙層から探って追い食いも狙おう


キンメはフラッシャーサビキ仕掛けで狙う。
付けエサは無しでサビキだけで勝負するので手返しがいい。
船宿仕掛けは丸セイゴ18号にピンクフラッシャー、全長4.4mの10バリ仕掛け。オモリ200号を使用する。
オモリを投入したら軽くスプールをサミングし、糸フケが出ないように仕掛けを沈める。
朝イチの薄暗い時間帯はまだキンメが浮いた状態で、必ずしも底ベタに反応があるわけではない。
「ベイト反応が宙層に出ていることが多くて、それにキンメが着いているので、その宙層のタナを指示します。
まずは宙層の魚を狙ってください」と船長。
例えば250mほどの水深のポイントでも反応は220mほどに出ていたりする。
船長は「220mで止めて、アタリがなかったら底まで落として」といった指示を出すので、
まずは220mの少し上からスプールにブレーキをかけていき220mでストップ。
そこでしばらくアタリを待つ。
ここですぐアタるようなら多点掛けのチャンス。
タナの上下を探って追い食いを狙う。
中層でアタリが無ければ一度底まで落とし、糸フケを取って底を切る。
そして底から15mぐらい上までシャクリながら探ってゆく。
本格的な深場タックルとちがってイカタックルは軽いので、手持ちで誘いがかけられる。
イカのシャクリのように「シャクル→待つ→竿先を下げながらリールを巻く」を繰り返し細かくタナを探っていくことができる。
キンメのアタリはけっこうハッキリしていてわかりやすい。
ただし、ハリが10本あるので上バリに掛かったときと下バリに掛かったときではアタリの出方にも差がある。
「上バリに食うとガタガタと竿先をたたくような激しいアタリが出ます。
下バリだと、ググッ、ググッと引き込むようなアタリが多い。これがわかると追い食いさせやすいですよ」と船長。
最初の1匹が上バリに掛かるということは仕掛けの上部がキンメの群れに入っているということ。
そこから少しずつ巻き上げてやれば新しいハリが次々と群れに入ってゆく形になる。
上バリに掛かったら上に上に、の誘いで追い食いを狙う。
逆に最初の1匹が下バリに掛かったと判断できる場合は、仕掛けの下部が群れに入っている状態。
そんなときは少しずつ仕掛けを送ってやり、上のハリにもキンメを食わせてやる。
「うちで狙っているこの水深は、本格的な深場のキンメ釣りとちがって型は小さめ(25~35㎝前後)ですが、
かなり魚影は濃いので10本バリにパーフェクトも狙えますよ!」。
キンメ釣りは2時間半勝負なので、なるべく多点掛けを狙うのが好釣果への近道だ。
ヤリイカ釣り 後半は美味なヤリイカも釣れば、豪華刺身盛り合わせだ!

キンメが食わなくなったらヤリイカポイントへ移動。
仕掛けとオモリを交換してイカ狙いだ。
仕掛けはプラヅノ11㎝のブランコ仕掛けが基本。
オモリは150号(潮によって200号も)。
イカのポイントは100~200m。
底中心に反応が出ているので、底から10~20mまでを探ってやる。
イカは短時間の釣りで、しかもこのところややムラがあるようなのでそうたくさんは釣れないが、それでも大型主体にトップ10~15杯ほど釣れていいお土産になっている。
船長の言う通り、美味魚&美味イカの刺身盛り合わせが楽しめそうだ。
この手軽に狙えて、とっても豪華なリレー釣り。春らしくなってきた3月の釣りとして、超オススメだ!
外房・片貝沖 釣行レポート イカタックルでキンメ&ヤリイカどちらも狙ってお土産いっぱい!!

竿は、キンメもヤリイカもヤリイカ竿でOK。つまり1タックルで両方できる。
キンメはアカムツ竿などの中深場根竿やビシアジ竿なども流用可能

この日のキンメポイントは230m前後中心だった。
道糸はPE4~5号を300〜400m巻いておくようにする

キンメの仕掛けはフラッシャーサビキ。船宿仕掛けは10本バリ。
付けエサは無しでフラッシャーだけで勝負する

水深200~250m前後をヤリイカタックルの流用で狙うことができる「二三丸」のキンメ釣り。
高級魚キンメがハリ数パーフェクトもある!

ズラズラズラ〜!と多点掛けが楽しめるぞ!

釣り場に到着してもまだ空は薄暗い。
この時間帯はキンメの群れがだいぶ浅場に上がってきている。これから約2時間半ほどキンメを狙う

キンメは25~35㎝クラス主体。
水深400mほどを攻める本格的な深海キンメ釣りよりは小ぶりなサイズだが、脂が乗って味はバツグン

キンメはトップで15~40匹前後釣れている。
何度が多点掛けできれば、クーラーはズッシリ!これにヤリイカも加わり、美味しいお土産いっぱいだ!

日が高くなるとキンメが釣りにくくなるので、ヤリイカにリレーする。
この日はかなり乗りが渋い日だったが、良型2点掛けも!

やや日ムラがあるが、いい日は25~45㎝をいい日はトップ15杯前後

今回、取材にご協力いただいたのは、千葉・片貝旧港「二三丸」
2月から3月いっぱい、早春の片貝沖で楽しめる手軽で贅沢なリレー釣りを紹介したい。
片貝旧港「二三丸」のキンメ・ヤリイカリレー乗合だ。
「キンメもヤリイカもヤリイカタックルでできますよ。リールはPE4号か5号が300~400m巻ければ大丈夫。
イカ用のタックルでできるから、キンメ釣りと言っても気軽にできるでしょ。
おいしい魚とイカを釣って帰って、豪華な刺身盛り合わせを楽しんでください!」と「二三丸」小倉 忠船長。
キンメは朝イチの薄暗い時間に釣り開始、ポイントは片貝海溝と呼ばれるキンメの好漁場だ。
暗い時間帯はキンメがエサを追って海溝の斜面を浅場まで上がってくるので、水深200~250m前後と比較的浅場で釣れる。
そのためリールはイカで使用するサイズで十分対応できるのだ。
ただし、日が高くなってくるとそのキンメも深場に戻ってしまい食わなくなる。
そこでキンメ釣り場の近くで釣れるヤリイカをリレーで狙い、お土産を追加して帰るというわけ。
ヘビーな深海タックルでなくてもキンメが釣れて、イカのオマケまで付いてくる!
潮具合が良ければ、キンメはトップ40匹前後、ヤリイカはトップ15杯ぐらい釣れている。
美味しい魚と美味しいイカの代表のようなキンメとヤリイカがこんなに手軽に釣れちゃうんだから、こりゃ行くっきゃない!
以上の記事は「つり丸」2019年3月15日号の掲載記事です。
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