勝浦沖のイサキ仕掛け 多点掛け連発を楽しもう!

数釣りが楽しいターゲットといえば、やはりイサキはハズせない。
ひとたび食いが立つと入れ食いが続き、あっというまに大型クーラー満タンなんてこともある釣り物だ。
もちろん、クーラー満タンにすることが楽しい、というわけではない。
イサキ釣りは、基本を守り、さらに少しだけテクニックを駆使すれば比較的簡単に2点掛け、3点掛けが達成できる釣りであり、それがなんといっても楽しいのだ。
1匹だって元気な引き味を楽しませてくれるイサキが3点掛けともなると、グングングングン力強い引きと重量感が味わえる。
それを連続で楽しめるのがイサキ釣りのダイゴミといえるだろう。
房総エリア各釣り場では、資源保護のため、トップ50匹という規定数を設けているところが多い。
タルに泳がせておけばいつまでも元気な魚なので、ある程度数釣れたら小さい魚はリリースして大きい魚を持ち帰るなど、規定数内で楽しむ方法もある。
もちろん規定数などにかかわらず、必要な数だけ持ち帰ることもできる。
クーラー満タンを目的とするのではなく、テクニックを駆使して多点掛けを楽しみながら、数釣りの過程を楽しんでいただきたい。
南房エリアでは、3月1日からイサキ釣りが解禁。これから8月いっぱいまでロングランで楽しめる。
洲崎港「佐衛美丸」も3月からイサキ乗合の出船を開始している。
「初日はうちは出なかったんですが、出船した船はトップ50匹ぐらい釣っていたようですね」。
そう話すのは「佐衛美丸」早川忠信船長。
「佐衛美丸」は2日から出船しトップ35匹、3日は47匹と、上々のスタートを切っており、今後も期待十分だ。
イサキの型は22~35㎝前後。
25~30㎝級中心に、いわゆる「南房サイズ」の35㎝オーバーの大型もまじって釣れている。
南房のイサキタックルは、標準的なものでOK。
2.1~2.4m前後のコマセシャクリ竿に中、小型両軸リールという組み合わせだ。
竿は最近は2m前後のゲームロッドを使う人も多い。
細身で軽量なゲームロッドは軽快なコマセワークが可能になるし、一日手持ちで釣っても疲れが少ない。
同様に、リールも軽量な小型両軸リールが楽だが、コマセ交換のときの手返しアップを考えれば小型電動リールもおすすめ。
現在45mほどのタナもせめているので、電動があるとコマセ交換がぐぐっと楽になる。
ビシはFLサイズ60号を使用。
ハリス1.5号の3本バリ仕掛けが標準だ。
付けエサにはバイオベイトを細長く切ったものが配られる。
南房のイサキの釣り方 指示ダナキープ!これがルール

ポイントの水深は30~50m前後、指示ダナは20~40m中心。
仕掛けを投入したら、指示ダナより3mほど下までビシを沈め、数回に分けてコマセをまきながら指示ダナにアワセ、そこでアタリを待つというのが釣り方の基本。
イサキ釣りではコマセのまきすぎは禁物。
ドバっとコマセをまくと、そのコマセに群れが付いて行ってしまい、群れが散ってしまう。
少しずつポロポロコマセが出るのが理想で、サニービシなら「下窓全閉、上窓3分の1から4分の1開け」に調整し、竿をシャクったときに、ポロッ、ポロッと少量のコマセが出るイメージで。
「イサキの魚影は今年も濃いです。反応がたくさん出ていますから、指示ダナを守ってもらえば食ってきます。
上へ上へとタナを探ったり、タナの下を探ったりするとタナボケして釣れなくなってしまうので、指示ダナは守るようにご協力ください」と船長。
イサキ釣りではタナ取りが一番大切。
アタリがないと指示ダナの上下を探ってみたくなったりもするが、それは逆効果。
指示ダナ厳守で。
周りのひとがバリバリ食わせているのに、自分だけアタリがないというときは、そもそも指示タナに合っていないかもしれない。
間違っているかもしれないので、一度道糸のマーカーがズレていないか確認し、マーカーを見てしっかりタナを取るようにしよう。
タナが合っているのに食わない場合は、仕掛けが絡まっていたり、コマセや付けエサがなかったり、ということがほとんどだ。
食わないと思ったらすぐに仕掛けを上げてチェックしてみよう。
多点掛けの取り込み 状況をよく見て手返しよく多点掛けを狙おう!

「1匹掛かってもすぐに上げちゃだめですよ。しっかり追い食いを待ってください。
大きいのがかかるとアタリがデカイから、みんなすぐに巻き上げちゃうんだけど、そこはガマンして2匹目、3匹目を狙わないと」と船長。
追い食いのさせ方は、「1匹掛かったら竿を上げてやる」とか、
「ゆっくりリールを巻く」など諸説あるが、早川船長のオススメはは「指示ダナでそのまま待つ」だ。
「追い食いを狙うときも指示ダナはキープしてください。それもタナボケ防止のためです」という。
最初に掛かった1匹が暴れることで、コマセがポロポロこぼれ出て、さらに付けエサが踊るので、同じタナで待つだけで、2点、3点掛けも十分可能だという。
ただ、1匹掛かって追い食いを待っても、なかなか2匹目のアタリがこないと、何かやりたくなってしまうのが釣り人というもの。
しかしここで竿を上げ下げして誘ったりしているとタナボケの原因になり、かえって追い食いさせるのが難しくなる。
そんなときは1匹で上げてしまおう。
「そもそも多点掛けになるのは、タナを取ってすぐに1匹目が掛かるようなときです。
まだコマセがビシに残ってますから。追い食いさせやすいんです。
投入してしばらく経ってから1匹目が食ったようなときはビシのコマセが残ってないから、追い食いの可能性は低い。
すぐに上げちゃった方がいいです。その方が手返しがよくなります。あとは取り込みも大切です。
多点掛けのとき手前マツリなどさせないよう、手際よく取り込んでください。
イサキの数釣りの秘訣は、なんといってもタナ取りと手返しです!」
南房・洲崎沖 イサキ釣行レポート 魚影バツグンで期待十分!数釣りが楽しめる!

ポイントは洲崎沖。この日はタナ30~50m前後を攻めた

追い食いを待って多点掛けを狙うのがこの釣りのダイゴミ。3匹掛かると重量感バツグン

50mほどのやや深めのポイントも狙うので、小型電動だとコマセ交換がラク

今年も開幕した南房のイサキ釣り。大型まじりで数釣りが楽しめ、食べてもおいしい。3点掛けの連発だ!

こちらでも3点掛け!

こちらは良型2点掛け!

寒い冬を乗り切ったイサキ。
脂が乗っていて食べてもおいしいぞ! 刺身、塩焼き、煮付けてもおいしい

ゲストでオキメバルもよくまじる

掛かったイサキに食いついたのか? ハタが食ってきた。いいお土産だ

今回、取材にご協力いただいたのは、千葉・洲崎港「佐衛美丸」
3月1日、南房のイサキ釣りが解禁した。
南房のイサキはまさに数釣りが楽しいターゲット。
今シーズンも開幕から好調で、初日からトップ50匹を記録する船もあった。
洲崎港「佐衛美丸」は翌日2日から出船を開始、そこに取材で乗船させてもらった。
昨日は朝から活発な食いが続いたという情報があったので、当日も入れ食いか、と思っていたら…。
まさかの食い渋り。
まだ水温の低いこの時期のイサキ釣りでは、「前日入れ食っても翌日はダメ」ということも、まれにある。
ただし、魚探にはしっかりとイサキの濃い反応が映っている。
「魚はいるから、状況が変われば食ってくると思います」と早川忠信船長。
いくら食い渋っても一日まったく食わないということも少ない。
そして船長の言葉通り、時間とともにイサキの食いが立ってきて、ポツリ、ポツリとイサキが上がりだす。
さらに活性が上がったのか、タナ取りと同時にアタリが出るようになってきた。
こうなれば多点掛けのチャンス。
すぐに上げずに追い食いを待つと、すぐに次のアタリがやってきて、2点掛け、3点掛けの連発。
南房イサキらしくなってきた!
結局この日はトップ35匹とまずまずの釣果。
まあ「六分咲き」というところか。
その翌日はトップ47匹、これは「八部咲き」くらいか。そろそろ「満開」になっているハズですよ!
以上の記事は「つり丸」2016年4月1日号の掲載記事です。
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