アブラボウズのタックルはコレ!

深海のモンスター アブラボウズ釣果レポート

1流目にスロージギングにヒットした43㎏!

スロージギングにヒット

こちらもスロージギングにヒットした26㎏!

大型はギャフと滑車を使って取り込む

深海600mにすむアブラボウズ。その名の通り脂が乗って美味

エサ釣りの付けエサは冷凍イカ

エサ釣りはキンメタックルを使用

今回、取材にご協力いただいたのは、静岡・手石港「南伊豆忠兵衛丸」
南伊豆沖のアブラボウズが1月から開幕。「南伊豆忠兵衛丸」では10〜50㎏級が釣れている。水深600mの深海を攻める。
ルアーでは専門性が強いが、エサ釣りならキンメの道具で楽しめる。船宿にはレンタルタックルがある。
釣り場は新島沖だが、土曜は南沖へ走る。カサゴ目の魚なので、タナはベタ底。
船はカケアガリに沿って流すことが多いため、オモリの鉄筋がつねに海底を叩くことを心がけよう。
「エサのイカは新鮮なものが一番です。
アタリが来たら糸の出が止まるまでリールをフリーにし、鉄筋を根掛かりさせて捨て糸を切り、魚だけ上げられるといいですよ」と浅沼清人船長。
取材当日はエサ釣りが苦戦したものの、スロージギングでは一投目から43㎏がヒット。続いて26㎏。
潮によってはバラムツに注意。水深があるため一日で6〜7投程度だが、船長の指示を確認し、つねに底をキープすれば深海釣り初心者でもチャンスは十分にある。潮具合によってはキンメとリレーで狙うことも可能だ(予約時確認)。
アブラボウズは水圧の変化に強く、浮くことはない。口切れ防止に極太クッションゴムを使い、やや低速で巻き上げるのが重要。取り込みはギャフと滑車の出番。脂が乗りまくりの身は煮付けがじつに美味。釣期は3月末まで、早めの釣行が大物につながるだろう。
シラハタの好釣を夢見て! アブラボウズの料理方法
アブラボウズは骨が柔らかく、大型魚でも包丁1本で捌ける。
バラムツと違って消化できる脂なので、ギンダラ同様の料理が楽しめる。筆者のイチ押しは煮付け。
伊豆稲取・網元料理「徳蔵丸」販売の「秘伝の煮汁(醤油味)」で煮るとご飯が止まらない。
キンメや他の魚の煮付けにも最高。生なら漬けも良く、粕漬けや塩麴焼きも美味。
小田原ではサイコロ状に切った刺身(トロブツ感覚?!)にすることもある。伊豆でも一部で寿司ダネにされることもある。
筆者もかつて同船したベテランから「とくに好きなのはアブラボウズの味噌焼きだ」とも聞いているが、
大物釣りの醍醐味に加え、一度釣ったら、その食味に魅せられる魚の一つではないだろうか?
脂が気になる方は、生なら一度に60g、加熱した場合でも120gまでを目安に楽しもう。
以上の記事は「つり丸」2019年3月15日号の掲載記事です。
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タックルをキーパーに取り付け、幹糸60号にハリス40号の仕掛けを用意する。オモリは2㎏の鉄筋、エサはヤリイカだ。
「はい、前から順番に投入してください。水深は650mくらいでカケアガリになってます。ルアーは底から5m以内を探ってみてください」と、浅沼清人船長の指示で投入。
「モロコみたいに底にいる魚だから」
ガラガラガラーと、リールが音を立てながら仕掛けが海底へ向かう。着底時は700m以上道糸が出た。
海底をオモリがトン、トンと叩くようにタナを取っている間に、最初のアタリが出た。
愛知県の木村さんがロッドを真っ直ぐに海面へ向け、右手で重い引きをじわじわと巻き上げている。
ロッドを思い切り曲げるのではなくリールで寄せるのがスロージギングのやり取りだ。
こちらも深海竿「ディープインパクトMUTEKIⅡ」の竿先がググッと押さえ込まれた。
魚を鉄筋の重みでハリ掛かりさせるため、素早くリールのドラグをフリーにし、道糸が止まったところで巻き上げにかかる。
かなり激しく竿を叩くため、バラムツかと思った? 残念ながら巻き上げ途中でバレた! エサはほぼ無傷なので、本命だったかも…。
ルアーでは20分ほどのやり取りの末、「クロイオ」という別名の通り、真っ黒なアブラボウズが姿を見せ、でかい口にギャフが掛けられた。船長が滑車で取り込んだ魚は43㎏!
「底を取ったらすぐ食ってきた」と、最初の流しで本命を手にし、思わず笑みが浮かぶ。