今年はイケるぞ!誰でも束釣り可能!?
今シーズンの鹿島沖のヤリイカは2月初旬に開幕と、例年に比べて早く釣れだした。
「今年はいいスタートを切りました。最初は水深150mぐらいのところから始まって、85mぐらいのポイントで安定しています。
これから50mぐらいの浅場まで上がってきますよ。一昨年並みの連日束釣りの釣果も期待できますよ」と、
鹿島港「第18不動丸」の加瀬秀和船長は言う。
昨年のヤリイカはいまひとつだったが、その分、夜のスルメイカが久々に当たり年となるなど、
ヤリイカとスルメイカはどちらかが当たるとどちらかが不調になると見る向きも多い。
鹿島沖にはヤリイカの産卵場所があり、まずメスが入り、その後に大型のオスがやってくるといわれている。
大挙して産卵にやってくる群れを釣るというわけだ。
現在の群れはすでに大型が多いが、いずれも身が厚く味も最高とあって人気を集めている。
「このエリアのいいところは水深が浅いことですね。現在は80mぐらいがメインですが50m前後でも釣れるようになります」
水深が浅ければアタリは明確で引きも楽しめる。
さらに手返しが早く釣果は自然とアップ。初心者でも束釣りが夢じゃなくなってくる。
ただし、現在、ひとつだけネックとなることがある。それはサバの存在だ。
「このところサバの数がハンパありません。朝から日の高くなる日中まで絶えずいることが珍しくありません。
それも海底からかなり高い場所までとにかく多くいます。このため、通常のブランコ仕掛けだとまったく釣りにならないことがあります。
慣れない人も直結をすすめています」
現在のカギとなるのは直結仕掛け。
通常の釣り方に加えてビギナーでもチャレンジできる直結について考えてみよう。
【ヤリイカ仕掛け】慣れない人はツノ数を減らそう

タックルは、通常のブランコ仕掛け、直結ともに1.7〜2m程度のヤリイカ専用竿に小型電動リールを組み合わせる。
道糸はPE4号を300m以上。
仕掛けはプラヅノ11㎝をブランコの場合は5〜8本程度。
直結で慣れた人は10本程度。
慣れない人は5本ぐらいでいいだろう。
これぐらいのほうがトラブル少なく扱いやすい。
プラヅノの数だが、これから爆乗りも予想されるが、増やしすぎるとかえって手返しが悪くなるので、
10本程度までにしたほうが無難。水深も浅いので、手返しで勝負しよう。
「プラヅノですがヤリイカが大きいので14㎝でもよさそうですが、どうも見ていると14㎝のほうが乗りが悪いような気がします。
現在の時点では大型でも11㎝をすすめています」
オモリは水深によって100〜120号。
今後、さらに浅くなる場合は80号も。
中オモリやヨリトリリングは好みによって付ける。
水深が深い場合や小型のヤリイカが多いときはアタリがわかりづらいので慣れない人はこれらを付けないほうがいいが、
現在釣れているヤリイカはジャンボ級まじりで大型主体だ。
特に、直結で狙う場合は誘いが効き、さらに取り込みがしやすくなるので付けたほうがいいだろう。
中オモリは15〜20号程度。
直結に挑戦する場合、左右人差し指、中指に指ゴムをしておくと取り込みのトラブルがグーンと減るので、ぜひ持参しよう。
クーラーボックスは、イカが大きいことを考えて、20リットル以上のものを持参しよう。
【カンタン直結釣法】浮いたイカも多い 電動で広く探ろう

「海底で乗ることも多いですが、85mの水深だと50mぐらいでもよく乗りますよ。
だから底で乗らないと思ったら、電動で広く探るのをすすめています。これによって巻き落としの効果も得られますしね」
加瀬船長がすすめる釣り方はこうだ。
直結の釣り方だが、そのままブランコでも流用できる。
①着底後、海底付近でユラユラ
素早く着底させたら、注意深く竿先を見ながら1mほど上げて、竿を上下に動かしてツノを躍らせて、竿先を止めてアタリを見る。
再びユラユラを動かして止めてアタリを見る。
「根掛かりしないような場所では、オモリを海底に着けたままの状態で仕掛けをたるませる感じでやってもいいですよ」
②電動シャクリ
底で乗らなかったら、次は上のタナを探る。
電動のスイッチを中速に入れ、竿を上下にあおりながら「ウインウイン」と水深の半分くらいまで誘っていく。
スルメイカに近い釣り方だが、イカがデカイので乗るとあおる手が止まるのですぐにわかる。
1杯乗ったらそのままのスピードで乗りそうなタナを通過させ、底を過ぎたらやや早めのスピードで巻き上げ回収する。
乗らなければ再度底を取り直し、①、②と続ける。
③ただ巻き
電動を中速から低速に入れてただ巻き上げていくだけ。
竿先をしっかり見ていると、乗ったときにグイっと引きこまれる。
②は誘いを入れながらの巻き上げだが、こちらはただ巻いていくだけ。
どっちがいい場合もあるので使い分けよう。
【カンタン直結仕掛け作り】鬼門は取り込み 慌てず大きな動作で

サバが消えてしまえばブランコで確実に釣ってくることができる。
取り込みもそんなに難しくないが、直結の場合は慣れていないと取り込みでバラシが激増する。
こちらも慣れが一番の上達法だが、「慌てずゆっくり」と「大きな動作を心がける」という2点が重要だ。
①電動巻き上げ残り10mぐらいになったらそーっとキーパーに竿を掛ける。掛けない方法は次に。
②最後に巻き上げて中オモリをつかんで船べりの中へ。これでこの後の仕掛けを手繰る動作が容易になる。
ロッドキーパーを使わない場合は、手持ちで左手で竿を持ち、最後に竿を立てて中オモリをつかみ、竿を置く。
③中オモリを船べりの中に入れると同時に左手で幹糸をたどって最初のプラヅノをつかむ。
つかんだ左手を円を描くようにあげて右手に持ち変える。
次は左手で2番目のツノを迎えにいく。右手は半円を描くように持ち上げて左手が次のツノをつかめるようにしてやる。
このとき、体は船べりに対してやや横を向いた半身の状態にする。
船べりと体が平行だとぎこちない動作になってしまうので注意が必要だ。
一番重要なのは、この「円を描くような動作」だ。
慣れない人はほぼ次のような動きになってしまう。
「船べりに体が平行の姿勢で、下を覗き込んで両手でちまちまと手繰ってしまう」
1本のプラヅノををつかむのに、5手も6手も使ったら、手を滑らせて仕掛けを下げてしまう可能性が高まる。
こうなるとせっかくのイカは落っこちてしまう。
コツは慌てずに手繰りは大きくすること。
現在釣れているイカは大きいので船の揺れぐらいだとテンションさえ掛かっていればバレることも少ない。
イカを見るとどうしても慌ててしまうが、イカがいるときこそゆっくりを心掛けるといい結果が待っている。
イカがいる場合、慣れれば回収しながら外していけるが、慣れないうちは釣り座の上に並べていくなど、まずは船内に入れることを心掛けよう。
「そのうちサバは消えると思うんですけどね。それまで直結でがんばりましょう」
【茨城・鹿島沖 釣行レポート】浅場に大型が集結中!デカヤリをガシガシ乗せよう!

早朝から日中までサバがうじゃうじゃ。
ブランコでは釣りにならないので直結の準備を。初心者は5本程度で。

リールは小型電動がベスト

鹿島沖の水深80mを切る浅場に大型が続々と来襲している。
「アタリもでかいし引きも楽しいよ」とダイワフィールドテスターの北本茂照さん

1杯でもズッシリサイズ。身が厚くて味も抜群だ

「慣れていないけど直結で大型乗せられました」
大きな動作を心がければ、取り込めるようになる

「ライトタックルも楽しめます。イカがデカイので乗り味、引き味も楽しめます」

「海底で上下に誘って乗らなかったら、電動シャクリで上げてくると乗りますよ」と加瀬秀和船長

「サバがいるうちは直結じゃないと厳しいですよ。水深も浅いしイカが大きいので比較的挑戦しやすいです」

サバは海底から海面近くまで、早朝から沖揚がりまでとにかくすごい!
これが消えればうんと釣りやすく数も伸びる

サイズがでかく水深が浅いので竿先に出るアタリは明確。
浮いている群れも多いので高いタナまで探ろう

大型ヤリイカがじゃんじゃん釣れる

今回、取材にご協力いただいたのは、茨城・鹿島港「第18不動丸」
ここ最近、春からのヤリイカフィールドとして大きな人気と注目を集める鹿島沖。
今シーズンはかなり期待できそうなスタートを切ってファンを喜ばせている。
「今年はいい入り方をしています。水深150mあたりの場所、80mぐらいの場所と順調に群れが入ってきていて数も出ています」と、
鹿島港「第18不動丸」の加瀬秀和船長は言う。
鹿島沖は沖から産卵のため浅場に接岸してくる群れを釣るため、サイズは大型主体。
さらに関東地方では珍しい水深50m前後という浅場で釣れるのも大きな魅力となっている。
大型だと身が薄くて味は?
なんて心配もしたくなるが、現在釣れているのは身の厚いものばかり。
筆者は今シーズンはすでにかなりの回数ヤリイカ釣行しているが、
今回のイカが「一番うまい!」と感じたほど甘みが強く味わい深かった。
ただし、現在ひとつだけ問題がある。
「サバがすごい多いんですよ。朝から昼までずっといるんです。
ブランコ仕掛けだと釣りになりませんから、みなさんに直結をすすめています。
直結は難しそうなイメージですが、水深が浅くイカがでかいのでそんなに難しくはありませんよ」
サバの攻撃は直結仕掛けを入れてもつねにアタックしてくるのを見ても相当なものだが、
それさえかわせば明るい未来が待っている。
ずっしりした乗り味とその味わいをご堪能あれ!
これからロングランで楽しめる。
以上の記事は「つり丸」2016年4月1日号の掲載記事です。
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