水温高く、間もなくスタートか?深場に大型入ってスタンバイ!浅場に入ってくればいよいよだ!
東近郊のコマセマダイの一大フィールドである剣崎沖・松輪瀬。
毎年4~6月ごろは乗っ込みの大型マダイに沸き人気を集めている。
早い年は3月中旬ごろから乗っ込みの気配を見せる。
「最近は、真冬でも水温があまり下がらなくなったから、はっきりとした感じがなくなってきていますね。ダラダラとした感じが多くなっています」とは、剣崎松輪「一義丸」の北風幸人船長。
通常は、水温が極端に下がる厳冬期は越冬場所の深場に落ち体力を温存している。
そして水温が上がり16度を超え、プランクトンが大量発生して濁りが出てくると、「いよいよ!」と乗っ込み場所である「吉野瀬」または「吉野出」と呼ばれるポイントに入ってくる。
これがわかりやすい乗っ込みパターンだが、真冬でも水温が高いため、はっきりした感じの時もあれば、ダラダラと乗っ込んでくるようなこともある。
ただ、乗っ込み第一陣が来て、少し間をおいて二陣、三陣と段階を追って入ってくるので、そこにうまく当たると高確率で大型のチャンスが生まれる。
こうなると、2㎏前後の良型主体に、3~4㎏級、さらには5㎏オーバーもチャンスが多くなっていく。
「深場では5㎏、6㎏、7㎏オーバーと大型が出ています。魚はいるので条件が揃えば浅場に入ってくると思いますよ」
4~5月が最も熱い時期になるが、6月に入ってもチャンスが続く。
しばらくは動向を見守り続けておこう。
マダイ仕掛け ハリスは大型の時は4〜5号を


剣崎沖のマダイはいわゆるノーマルなコマセマダイのスタイルでいい。
竿は2.5~3mほどの胴調子マダイロッド。
リールは中小型電動リールを組み合わせる。
道糸はPE3~4号程度。
仕掛けは片テンビン仕掛け。
中型テンビンに2mm径のクッションゴムを1m、ハリスは3~5号10~12m。
ビシはステン缶、プラビシ共にLの80号。
仕掛けは二段テーパーもおすすめ。
ハリス全長10mなら元部に6号6m、小型スイベルを介し先には4号4mにする。
スイベルがあることで仕掛けの沈みを早くすることができ、コマセと付けエサを同調しやすくなる。
また、誘いもイメージ通りに行える。
ハリはマダイバリ9~10号ほど。
大型を見越してなるべく軸がしっかりした形状のハリを選びたい。
ハリはあまり小型にするとバラシにもつながるので注意が必要だ。
この時期はチヌバリもハリ折れが多くなるので注意を。
結びは、大型に備えて強度のある結び方がおすすめ。
チャンスは一度きりかもしれない。
そのチャンスをモノにするためにしっかりと準備をしておこう。
このほか、ビーズ類や夜光玉などのアクセサリーも状況に応じて使用する。
潮が濁っている場合は派手目に、潮が澄んでいたりエサ取りが多い場合は地味にするか付けない。
海面からのタナ取りは手返しと落とし込みを

コマセ、付けエサともにオキアミを使用する。
乗船したらコマセをオケで溶かしておき、仕掛けをいつでも入れられる状態に準備しておこう。
コマセは軽く7~8分目くらいビシに入れる。
タナは海面から指示が出るのでそれに従おう。
●タナ取り
「タナは40m」という場合、まずはビシを45mまで落とし、2~3回に分けてコマセを振り出し、道糸のマーカーを見て40mのところを海面ピッタリに持ってくる。
コマセは付けエサとコマセが同調することを第一に考える。
コマセは下の方からまくと同調しやすくなるが、エサ取りが多い場合などは下の方でまかないなど調整する。
タナにセットしたら毎回道糸を手で引き出して、ドラグ調整を行おう。

●手返し
コマセマダイは付けエサがなければ魚は釣れない。
付けエサが海中にある時間を増やすことで確率が上がる。回収時の付けエサの有無で調整してやる。
投入してから回収するまでの時間は約3分。
ここで付けエサがなくなっているような場合は少しインターバルを早めてやる。
逆に付けエサが付いていて、コマセも残っているようなら少し長めにする。
「付けエサが残っているような時は、落とし込みでエサをマダイがいる場所に落としてやるといいですよ。
ロッド操作で落とし込みを演出してもいいし、あらかじめ少し上目のタナで待ち、そこからスルスルとエサを2mほど落とし込んでいってもいいですよ」
アタリを待つときも、竿先を見ておくと、エサ取りにエサを取られた時に小さなアタリが出ることが多い。
これを察知できればより効率的に狙うことができる。
また、今までエサ取りにやられていたのが、急に残ってくる場合はチャンスで、マダイが近くにいる可能性が高い。
手返しのインターバルは、朝イチのチャンスタイム、周りが食っているときなどは早めて入れて少し待って食わなければどんどん入れなおしてみよう。
●誘い
乗っ込みマダイは魚が浮いていることが多い。
産卵を控え臆病になっているとも言われ、あまり激しく動かさないほうがいい。
誘いは竿をゆっくりと大きく持ち上げて、ゆっくりと落とし込んでいく。
「いい反応があるよ」とか、「魚が浮いてきたよ」などとアナウンスがあるときは激アツのチャンスタイム。
ここは誘ってみたいところだ。また、周りで食いだしたときなども誘うポイントだ。
時に静かに置き竿で待ったほうがいいことも。
この時は手返しを早めて対応しよう。
アタリは海面に突っ込むことが多い。
竿を手に持ち、一度軽く竿を持ち上げることでアワセになりしっかりとフッキングする。
強いアワセは必要ない。
やり取りは、糸が出る場合はまずは出し、止まったら竿を立て気味にして巻き上げていく。
強い引きが来たら竿を下げていなしていく。
巻き上げは自信がなければドラグを緩めに調整しておき電動巻き上げでもいいだろう。
三浦半島・剣崎沖 コマセマダイ釣行レポート

軟調ロッドが絞り込まれるのがコマセマダイの魅力の一つだ
コマセワークはコマセと付けエサの同調をイメージして行う

ロッドは食い込みがいいものを選択しよう

リールは小型電動リールがおすすめだ

「誘いと手返しで狙い通りに食わせました」と石塚さん

この日は常連さんが深場で3kgクラスの良型をキャッチ。
水温も高めに推移し、そろそろスタートの気配も

風格漂う良型をゲットしたのは、リオ五輪男子体操団体金メダリストの山室光史さん。
まだ沖釣り歴は短いが北風船長も舌を巻く集中力でどんな釣りもすぐに上達したという

常連の丸山さんは美しいマダイをゲット

1kgクラスの食べごろマダイ

居着きのワラサも回遊中だ

歯が鋭く上げてくるのが難しいサワラもゲット

大ダイか? と思ったけどワラサだった。

今回、取材にご協力いただいたのは、神奈川・剣崎松輪港「一義丸」
3月中旬にもなると、コマセマダイの要注目ポイント、三浦半島・剣崎沖の動向が気になるところだ。
「3月上旬の時点では、60~90mを狙っています。まだ乗っ込み前ですが、2月下旬から7.5㎏筆頭に、6.28㎏、5.25㎏、5.1㎏と大型が連発しています。だいぶいい感触になってきています」とは、剣崎松輪「一義丸」の北風幸人船長だ。
現在はまだ乗っ込み前の前哨戦だが、深場にはかなりのサイズの群れが入ってきているもようだ。
「一義丸」ではタナは海面から指示が出る。
高めのタナ設定で、やる気のある魚を浮かせて食わせる。
「エサ取りが多いときは手返しを早く。エサが残ってくるときは落とし込みを。これを実践し続けるだけで釣果は変わってきますよ」
底潮の水温が上がり、濁りが入れば一気にスタートする可能性も。
剣崎沖では、第一陣、二陣と段階的にスタートすることも。
これからますます目が離せない。
以上の記事は「つり丸」2019年4月1日号の掲載記事です。
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