【ハナダイ五目仕掛け】コマセシャクリは大型が狙える!

ハナダイのコマセシャクリ釣法は、アミコマセをまきながら仕掛けを上へ上へと動かし、ウイリー糸を巻いた擬餌針に魚を食わせる釣りだ。
誘いが重要で、コマセ釣りというよりも、感覚はルアー釣り近い。
ハナダイといえばエビエサの胴付き仕掛けで砂地を釣る方法もあるが、コマセシャクリ釣りでは根の荒い場所でも、魚を浮かせて釣ることができるメリットがある。
そして、根の荒い場所は大型のハナダイが多いポイントでもある。
「太幸丸」はコマセ釣りハナダイの老舗宿だ。
実川浩司船長が舵を握る第七太幸丸は、まだ暗い港を出ると、南沖へと向かった。
ポイントまでは行程60分ほど、キャビンでうとうとしているとエンジンがスローになった。
昨日まで吹いていた風のせいか、ウネリがちょっと高い。
魚探反応を探して、さっそく投入の合図が出た。
水深は47m、根掛かりするとのことで、海面からタナを取るようにする。
反応があるのは、海面から30~42mとアナウンスがある。
42mまで仕掛けを下ろし、誘いを開始した。
この釣りでは竿をシャクる動作には2つの意味がある。
ひとつはコマセをパラパラと出しながらビシを上げて、コマセの帯を作ることだ。
ここで大切なことは、ビシは常に上に動かすこと。
シャクった分、道糸を巻き取り、またシャクって巻き取る、の繰り返しだ。
これでビシは上へ上へと動き、シャクったときにコマセがこぼれる。
ビシの下窓は全部閉めて、上窓を3分の1ほど開けるように調整することも忘れてはいけない。
もうひとつの意味は、ウイリーへ規則的な動きを与えることだ。
竿をシャクればウイリーは上にスッと動き、シャクり終えたときには静止する。
ここで大切なのは、シャクった後にしっかりと竿先を止めること。
ハナダイはウイリーが止まった瞬間に食いつくので、アタリは竿を止めた直後に出ることが多い。
アタリがあったら、しっかりとアワセを入れてハリ掛かりさせる。
初めてこの釣りにトライする人は、上へと続くコマセの帯の中を、ウイリーが上へと泳いでは止まる、それをハナダイが下から追いかけて食いつく、そんなイメージを持ってシャクってほしい。
さて、コマセをまいてしばらくするとハナダイの反応は徐々に浮いてきたようで、船長からも28mまでシャクるように指示が出る。
水深47mで海面から28mなので、中層の釣りだ。
しかし、最初から中層で待っていても食わない、35mまで下ろしてから5mほど誘い上げたところでアタリが来るのがこの日のパターンのようだった。
シャープなアタリにアワせてやると、小気味よい引きがやってきた。魚が暴れたら竿でいなし、おとなしくなったところでリールを巻いてやる。
海面に姿を見せたのは25㎝の綺麗なハナダイで、この日のレギュラーサイズ。
船中あちこちでハナダイが取り込まれている。
昨年は4月に来たが、その時は小さくとも30㎝で、中に40㎝級の飯岡サイズのハナダイがまじった。
今日は25㎝の中型に30㎝オーバーがたまにまじるという感じだが、アタリは多い。
しっかりとシャクって止めてを繰り返すと、空振り無しでアタリはやってくる。
先週はトップで50枚という日もあったが、このアタリ具合が続けば数は伸びそうだ。
しかし、ウネリが高いせいでアワセ損ねも多く、ハリ掛かりが甘いのか途中で外れることも多い。
常連さんからも「今日はよくバレるなー」とボヤキが出ている。
飯岡では、先バリにだけオキアミを付ける人も多いが、エサ取りが多い日にはウィリーのみの仕掛けを使うのも有効だ。
私はこの日はウイリーだけで釣った。
また、ハリスが太いと食いが極端に落ちるので注意しよう。
船宿仕掛けは2号ハリスで、これより太くはしない方が良い。
後半は潮が止まってペースが落ち、終わってみれば7~20枚の釣果、今後数は伸びるだろう。
私は12枚でお土産はたっぷり。
淡いピンクの魚体は桜の花を思わせる。
釣りたてハナダイの塩焼きはふわふわ柔らかく、飯岡の春の美味を十分に楽しんだ。
【飯岡沖・ハナダイ釣行レポート】良型ハナダイ好釣果!

ウイリーの色や動かし方、ポーズの取り方など、ルアー的要素も強いウイリーシャクリ釣り。
いろいろ試して当りパターンを見つけるとひとり勝ちもある。それが楽しいのだ!

仕掛けはウイリー3本プラス先バリは空バリというのが基本スタイル。
空バリにオキアミを付けるとゲストも多彩になる

コマセはアミコマセ。ビシはFL60号

大型ハナダイの引きは強烈、無理に巻き上げず、三段引きを楽しみながらやり取りしよう

大型ハナダイが狙える飯岡沖のウイリーシャクリ。
25~40㎝級が鋭い引きを楽しませてくれる

良型、大型の一荷も多い。こうなると引きと重量感はハンパ無い!
一回味わうとヤミツキになる釣り人も少なくない

こちらも嬉しい一荷!

良型ハナダイは脂が乗って食味もイイ!
刺身は昆布締めや酢締めなどひと手間加えるのがおすすめ。塩焼きも美味しい

ピンクの花でクーラーズッシリ!

ゲストでハタをゲット!

小型のカンパチもゲストで姿を見せた

今回、取材にご協力いただいたのは、千葉・飯岡港「太幸丸」
春の足音と歩調を合わせるように、飯岡沖のハナダイが上向いている。
飯岡港の「太幸丸」では、コマセシャクリ釣りで良型ハナダイをターゲットに出船している。
良い日はトップ30~40枚の釣果で、マハタやカンパチなどの美味しい外道も顔を出している。
ウィリー糸を巻いた擬餌バリを誘い上げて食わせるウイリーコマセシャクリ釣りは、荒根や漁礁にいる大型のハナダイ狙いに適した釣法だ。
コマセについて浮いてくるハナダイを中層で食わせるにはシャクリ方と止め方がポイントで、誘いのピッチやステイ時間の長さによって食いが変化するルアー釣りに似た面白さがある。
その日の当たりパターンを見つけるとひとりだけ入れ食いになることも珍しくない。
また、竿を絞り込む引きの良さもこの釣りの魅力で、30㎝級にもなればドキリとするような強い引きをみせてくれる。
ハリスは2号前後なので無理なやりとりは禁物。
良型が食ったら、引きをいなしながら慎重に浮かせてタモ取りしよう。
取材日は高いウネリに悩まされたがトップは20枚、クーラーの中はピンクの魚で埋まった。
「このところ25㎝前後が主体で、30㎝オーバーがまじる状況です。反応はずっと出てますから、魚影は相当濃いですね」と実川浩司船長。
水温が上がる春は数、型ともに上昇することが時期できる。
40㎝級のジャンボハナダイもじきに顔を見せてくれるだろう。
以上の記事は「つり丸」2019年4月1日号の掲載記事です。
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