ディープゾーンの幻魚に今年もチャレンジだ!

「活きエサ確保」で臨んだヤリイカが予想以上の乗り&大型ぞろい。
朝一刻で全員が十分な土産を確保して、チョッピリ緊張感が緩んだか!?
お約束のツノザメとメダイのみで時が過ぎ、この日の釣りも早終盤。
「今日はダメかな」大ダルにひしめくヤリイカが変な余裕を持たせる中、それまでとは「ちょっと違う」アタリが竿先を叩いた…。
2月14日は勝浦港「初栄丸」より、昨年末に荒天で流れた「ディープゾーン」こと大アラメインの中深場五目に、9名の仕立で仕切り直し。
「エサは各自持参」でフルタイム本命狙いが「TEAM OKAMOTO」仕立の基本スタイル。
サバを筆頭にソウダガツオやスルメ、ヤリイカのタンザク、小振りのヤリイカやイワシのデッドベイト、果ては「前日釣った活きヤリイカ」まで。
誰もが「幻の大アラ」を手中に収めるべく、秘策を凝らす。
筆者は「サメ避け効果」を期待し、胴付き3本の上2本にニッコー化成「スーパーイカタンMEGA」を配す段取りだ。
「ヤリイカが釣れ出しましたよ。エサと土産を兼ねて朝二流し位、やってみますか?」渡辺船長から電話が入ったのは釣行2日前。
膝腰が壊れている筆者が普段意識的に避けている「イカ釣り」だが、何故か即座に船長提案に「乗った!」で、メンバーにヤリイカタックル追加のメールを配信する。
「活きエサが3~4杯、土産も同じ位あれば上等」の筆者が用意したのは中深場汎用ロッドに500番の電動リール。
膝腰に負担を掛ける「シャクリ」は行わず、巻き上げも置き竿メイン、の段取りだ。
6時半、11㎝1段ヅノ7本の「ヤマシタ/イカ釣りプロサビキ」でスタート。
シャクリなしで乗せるべく、ラスト10mはサミングを強めにしてズルズル落し、着底後は意識的に「間」を置いてから、糸フケ分を巻き上げる。
乗らなければ5m位巻き上げて再度落し込み…「落し込みの誘いと弛ませ」をミックスした横着な?スタイルだが…1投目の着底直後、いきなり「キューン!キューン!」とイカからのシグナル。
そのまま待つとズン、ズンと立て続けに「追い乗り」。
胴長35㎝のヤリイカ2杯にスルメイカ1杯と上々の幕開け。
2投目はサバのアプローチで着底せず、以降ツノを5本に減らしてサバの層をスルーしたのが奏功か、胴長35㎝前後をメインに最大40㎝が3杯、4杯連なる場面も。
2時間足らずでヤリイカ20杯、スルメ2杯と充分過ぎる土産を確保し、いざメインの「ディープゾーン」へ。
しょぱなから活きイカを投入した右舷ミヨシののロッドが絞られるが、お約束?のツノザメ。
この日のツノザメは普段より一回り大型揃いで、中型スタードラグリール使用者は中々取り込む事が出来ずに四苦八苦。
スムーズに処理出来れば再投入も可能な釣りだけに、チャンスを逸した可能性もある。
如何にサメを早く巻き上げ、再投入するか。
実釣時の巻上力=リールの選択もこの釣りの重要なポイントなのだ。
デカツノザメ以外には、こちらも普段よりひとまわり大きい3㎏超のメダイが船中数匹。
筆者は下バリのサバタンザクにユメカサゴ。
やや深みに移動した直後、煮え切らないアタリは筆者がベニアコウ&大アラ用として開発依頼した幅2㎝、長さ22㎝の「スーパーイカタンMEGA」を丸飲みした35㎝程のカガミダイ。
その貪欲さには毎度驚かされる。
「ここでカガミダイが釣れるのは珍しいですね」と渡辺船長。
いよいよ終盤戦。
満を持して前週に9.8㎏の大アラが上ったポイントに攻め込む渡辺船長だが、ここも立て続けのツノザメ。
まあ、今日はイカもあるし…と変な余裕でタナを取り直した直後、「サメじゃない」アタリが「TERUスタイル」を叩く。
一匹を確実に、で早々に巻き上げ。抵抗具合で「あの色」が脳裏を過る。
今日は下品なアタリばかりだ、と渋い顔の船長に「これは違うよ」と喉まで出かけたのをグッと飲み込み、待つ事しばし。
海面下に見えて来たのは…予想通りのルビーレッド!
船長の差し出すタモに納まったのは0.8㎏のアカムツ。
この一匹が口火を切り、続く流しは隣席の大久保さんに2.6㎏のアラ。
さらに「ミスター大アラ」こと小野寺さんが意地を見せ、2.3㎏と2本の本命が浮上。
納竿間際には1.7㎏カンコ、1.2~1.3㎏の鬼カサゴ3匹にアラ場名物の大型ユメカサゴと役者がそろう。
「TEAM OKAMOTO、相変わらず持ってますね!!」渡辺船長からお褒めの言葉を頂戴し、この日も大団円。
ボウズ覚悟の「幻の逸本」だが、我がチームの仕立は5連勝。
ヤリイカ本番の現在、アラ狙いの「ディープゾーン」は仕立限定での出船となるが、人数を集めてチャレンジする価値は十二分だ。
勝浦沖・アラ釣行レポート 小型ながらも幻の魚アラをゲットだ!

この日は、まずはイカを釣ってそれもエサにしようという作戦。
今外房のヤリイカは好調だ。エサもお土産もたっぷり!

エサは各自持参したサバやソウダガツオやスルメ、ヤリイカのタンザク。
それに加えて釣ったヤリイカも

ポイントの水深は200m前後中心

2.6㎏のアラが浮上!
「大アラ」とは呼べないサイズだが、うれしい本命。食べてもおいしい!!

やった!2.3㎏の本命。
なかなか手にできない魚だけに、このサイズでもうれしい

釣行前週に上がった9.7㎏。我々もこんなの釣りたかったな~
※写真提供「初栄丸」

大本命はアラだが、そのほかにも嬉しい高級ゲストがまじる。
最初に筆者が上げたのはアカムツだった

オニカサゴも定番ゲスト。良型が多く、いいお土産になる

カンコもまじった

美味しいお土産が釣れて大満足

今回、取材にご協力いただいたのは、千葉・勝浦港「初栄丸」
一向に姿を見せる気配のない「本命」達に、実は朝イチのヤリイカ爆釣がこの日のクライマックスだったのでは、と誰もが真剣に思い始めた勝浦沖、「初栄丸」でのアラ狙いの終盤戦。
ツノザメばかりが元気な中、まばゆいばかりの光を放つアカムツが浮上し、ドラマは大きく動き始める。
期待と不安が交錯する直後の流し、まずは大久保さんの疑心暗鬼を弾ける笑顔に変える2.6㎏。
程なく小野寺さんに面目躍如の2.3㎏。
「大」には少々足りないが、大本命のアラが立て続けに2匹。船内の興奮は最高潮に達する。
しめくくりは良型の赤鬼3匹とカンコ、ビッグサイズのユメカサゴ。
「勝浦沖ディープゾーン」のメインターゲットが一堂に会す1日と相成った。
「初栄丸」のアラ狙いの「ディープゾーン」は仕立限定での出船だが、人数を集めてチャレンジする価値はある!
以上の記事は「つり丸」2015年4月15日号の掲載記事です。
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