早くも乗っ込みスタート!好調!東京湾口のタイラバゲーム

東京湾口のマダイが例年よりもおよそ1ヵ月半も早く乗っ込みシーズンを迎え、千葉・船橋港のルアー船「フレンドシップ」船上ではタイラバゲームで好調な釣果を記録している。
「取材前には船中18枚という日もありました。潮さえ動けばかなり期待できますよ!」と話すのは、「フレンドシップ」田岡要司船長。
取材は3月下旬。
田岡船長によると、例年であればこの時期は水深70~80mを主に狙うそうだが、今シーズンは乗っ込み時期に狙うことが多いという水深40~50mを主に狙っているという。
実際に取材日もその水深を中心に攻略し、そこでヒットしたマダイの中には体色が黒ずんだ個体もいて、すでに乗っ込みが始まっていることを証明していた。
東京湾口のタイラバの釣り方について紹介したい。
落として巻くだけ‥‥ではない!

タイラバの釣り方は、「常に一定速度で巻き続ける」が基本中の基本テクニック。
つまり、タイラバを海底まで落とし、そこからただ巻き上げて来るだけである。
それゆえ、「なんだ、ただ落として巻くだけか」と思う人もいるかもしれないが、実はこれがカンタンそうで案外難しい。
これが上手くできないためにアタリが出ない人が多いのだ。
巻くスピードは「秒速90㎝が基準です」とは田岡船長。
ハンドル一回転の巻き取り長が90㎝であれば、1秒で1回転。それ以下の巻き取り長(ギア比)であればより速く巻く必要があり、逆にそれ以上の巻き取り長であればより遅く巻くということだ。
このスピードは、実際は想像以上に速い。実は、巻速度が遅すぎてアタリが出ない人も多いのも事実だ。
探る範囲は海底から10m前後。
乗っ込み時期は海底から浮いていることもあり、そんなときは船長が指示してくれるので、それに従うとよいだろう。
そして、タイラバゲームで最も難しいといわれるのがアワセのタイミング。
タイラバでのアタリは、最初にゴツゴツとした感触が手元に伝わってくることが多い。
これはマダイがヘッドにアタックしているときのアタリだといわれており、まだハリ掛かりはしていない。
このゴツゴツでアワせてしまうと、ほぼ乗らない(掛からない)のだ。
ではどうするかというと、グググッという〝強い引き込み〟があって初めてロッドを〝持ち上げる〟ようにする。
これでOKである。強いアワセは必要ないのだ。
「その他、乗っ込みの時期は水深20~30mという浅場を狙うこともありますので、そんなときはスピニングタックルに60g程度の軽いヘッドを組み合わせて、キャスラバで攻めてもいいと思います」と田岡船長。
見た目には「落として巻くだけ」というタイラバゲームだが、実際アングラーがやらなければならないことは非常に多い。
それはつまり、考える要素がたくさんあるということ。
今回は紹介できなかったが、ネクタイやスカートのカラーや組み合わせ、そしてその形状によって釣果は大きく異なってしまう。
これがタイラバゲームを面白く、そして奥深くしている要因だ。
いよいよ乗っ込みシーズンに突入した東京湾口のマダイ。
ぜひこの機会に、タイラバゲームにチャレンジしていただきたい。
手軽だけど、奥深い! 東京湾・観音崎沖 タイラバゲーム釣行レポート

3月下旬の取材で主に攻めたのは東京湾口の観音崎沖。水深は40〜60mだった

ヘッドは100gが基本。ネクタイは、このところ黒や茶など、ダーク系がよくアタっているという
初心者は少し重めがオススメだという

田中さんのタイラバコレクション。シンプルだけど、洗練されている。ぜひご参考に!

来る度に釣る常連の田中さんは2.4kgの良型!
体色は少し黒ずんでおり、早くも乗っ込みが始まったことを示していた

タックルはタイラバ専用ロッドにカウンター付き小型両軸リール。ラインはPE0.8〜1号だ

朝のひと流し目でいきなりヒットした1㎏級。今日は絶好調だ!と思われたが…

リールのドラグを駆使し、ロッドを一定角度に保ってやり取りする

比較的波穏やかな東京湾だが、船の曳き波など独特の波が立つ。
そんななかでもタイラバが一定に動くようアングラーが調整する。
基本は一定速度で巻き続けること。これが簡単そうで案外難しい

「常に一定速度で巻き続ける」という意味では、電動リールは大変有効なアイテム

そろそろ沖揚がりか…というタイミングで、時合が訪れたのかバタバタとヒットした。最後まで諦めないことが大切だ!

田中さんの2枚目は腹パンの美しいマダイ。これも2kg級だ

このマダイも黒ネクタイにヒット!

電動タイラバで貴重なマダイを釣り上げていた常連さん。ネクタイにはやはり黒が…

乗っ込みシーズンを迎え、サイズも数も期待大の東京湾口。
ぜひ、この機会にチャレンジを!

定番ゲストのホウボウ。良型だ。

サプライズゲストはグッドサイズのタチウオ!

今回、取材にご協力いただいたのは、千葉・船橋港「フレンドシップ」
東京湾のタイラバゲームが好調だ。
千葉・船橋港「フレンドシップ」では、3月中旬になんと船中18枚という東京湾のタイラバらしからぬ驚くべき釣果を記録したこともあったほどだ。
「例年であれば3月頃は水深70~80mのポイントを攻めていますが、今シーズンは水深40~50mのポイントを攻めています。これは、乗っ込み時期に攻める水深です。つまり、もう乗っ込みに入っているんです。こんな年は初めてですよ」とは、田岡要司船長。
実際、3月下旬の取材では黒ずんだ体色をした、まさに乗っ込みという2.4㎏のマダイがヒットした。
数的にも、東京湾のタイラバゲームは「一日一回アタリがあればいい方」なんて言われることもあるほどだが、それが取材日はなんとひと流し目から本命登場。
その後中盤にかけてはアタリが遠のいたものの、終わり間際に時合が訪れ、終わってみれば船中8枚、トップ2枚が3名、アタリは多数! という上々の釣果に恵まれたのだった。
「例年であれば乗っ込みはゴールデンウイーク頃にピークを迎え、6月いっぱいまたは7月の頭頃まで楽しめます」と田岡船長。
さあ、今こそタイラバにチャレンジするチャンスだ!
以上の記事は「つり丸」2019年4月15日号の掲載記事です。
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