南房イサキ解禁!波佐間沖の激うまジャンボに注目!
3月に南房のイサキ釣りが解禁した。
気になる今期は予想どおり出だしよく、連日どの船宿でも好調の報が届いている。
高水温の影響もあり、水温があがる4月5月はまさに最盛期を迎えるハズだ。
このイサキを3月〜7月までメインの看板にあげている老舗の西川名港「竜一丸」では近年、数よりサイズを船宿のウリにしている。
「港の真沖の西川名沖から平砂浦沖では、良型がコンスタントに釣れてます。内湾側、館山湾の出口に位置する波佐間沖では、ジャンボサイズがそろうのはもちろん、ときおり40㎝を超えるメガイサキがヒットします。ここのイサキの最大の魅力は食べておいしいこと。身の脂が甘くて絶品なんですよ」と、安西竜一船長。
波佐間沖にある水深50m前後の定置網の縄を固定するための台周辺がポイントで、ここの魚を釣って食べてしまうと、あまりにも激うまのため虜になってしまい、来るたびに波佐間沖で釣りをしたいと話す常連さんもいるという。
だが、いつでもコンスタントに釣れるわけではない。
潮の流れ具合では超シビアなフィールドになるのだ。
それだけ、テクニックが必要になってくるのだが、竜一船長によると、
「波佐間沖のイサキは釣り初めての子供や女性がよく釣るんだよね」と話す。
言われた通りに釣るビギナーに分があることが多いという。
一方、ホームグラウンドというべき、西川名沖〜平砂浦沖は、潮の流れが悪くともポイントの多さから、コンスタントにイサキを釣ることができるという。
「竜一丸」オリジナルのトータルバランス仕掛けとは?

南房のイサキ釣りは、アミコマセ使用のビシ釣りが主流である。
カゴの大きさは規定によりプラカゴのFLサイズが使われている。
オモリは60号。
オモリとカゴの一体型ではなく、セパレートタイプが水中であまり暴れずイサキに警戒心を与えないからよいと竜一船長はいう。
仕掛けは、ハリス1.5号全長3.5mのムツバリ9号3本バリ。
これに1.5㎜径30㎝のクッションゴムを介してテンビンに接続する。
イサキ釣りにこだわる「竜一丸」がたどり着いたテンビンからハリまでの仕掛けのオリジナルバランスがコレだ。

まずはこのセットをそろえる。テンビンとビシ、オモリセットはレンタル出来る。
仕掛けは船宿オリジナルがオススメ
コマセは少量。カゴの上窓は3分の1開け、下窓は全閉に

準備段階でもっとも重要なことは、コマセの振り出し量の調整だ。
プラカゴの上窓は3分の1〜2分の1開け、下窓は全閉に調整にする。
それ以上上窓を開けるとコマセが多く出すぎてしまう。
上窓3分の1〜2分の1開けはほんの少しのコマセしか出ないのではないかと思うかもしれないが、アミコマセはこれで十分出て集魚効果も抜群なのだ。
コマセを入れる量は8分目くらいまででよい。
パンパンに入れすぎてしまうと、出なくなってしまうので注意。

コマセはアミ。警戒心をなくす目的でマジックでプラビシを緑にかえるのが流行り?
エサは秘伝のタレ漬けのイカタン

これが「竜一丸」秘伝のタレに漬け込んだイカタンだ。

イカたんはクルクルと回らないようにチョン掛けする
アミコマセを使う場合、イサキにアミを捕食させるのでそれに模したバケやハリを使う。
「竜一丸」ではより効果的にイサキに食わすために独自の付けエサを開発。
それは集魚効果のあるアミノ酸入りの秘伝のタレに漬け込んだイカタンだ。
これを小さなタッパに入れて一人一人に配っている。
コマセのアミの大きさにカットしてあり、そのまま付けるだけ。
常連さんは、さらにこのイカタンをイサキの活性に応じて形を整えるというが、そこまではやらなくても効果は抜群だ。
コマセの振り出しはソフトに。軽くスーッとシャクるのみ!

コマセ釣りでは、コマセと付けエサの同調が基本となる。
そのため、コマセはあるていどしっかりと量をまく、がセオリーだが、ここのイサキ釣りはちょっと違う。
コマセまきの基本のシャクリ方は、リールのハンドル1回転の巻き上げ量の平均が50㎝としたら、竿先を下げた状態から、軽くスーと50㎝ほど、30㎝ぐらいあげる気持ちでシャクリあげ、上げきったところで1〜2秒ピタっと止める。
この止めタイミングでコマセがプラカゴからフワっと出る。
その後はリールを1回転分巻きながら竿先を下げ、これを繰りかえす。
これを船長の指示するレンジで行うのだ。
「竜一丸」では、「○○の○×、水深○×でアタリを待ってください」との指示がだされる。
具体的に言うと、指示ダナが水深40mとしたら、「43の40、水深40mでアタリを待ってください」となる。
つまり、指示ダナの3m下のからコマセをふり出し、指示ダナでアタリを待つというもの。
指示ダナの3m下から基本のコマセシャクリをすればいいのだ。
コマセの振り幅は、50㎝にこだわらなくてもよい。
1mにするなら、1m刻みにシャクリ、リールは2回転ずつ巻けばよい。
いずれも“強くシャクる”はタブーだ。ソフトにやさしくシャクろう。
激しいビシの動きは魚を集魚するどころか、活性が低いときは、魚に警戒心をあたえてしまい逃げてしまうからだ。
竜一船長がシビアな波佐間沖で子供や女性がベテランよりもイサキを釣る! というのは、ビギナーたちはソフトに動かしているからなのだ。
一連の動作のあと、指示ダナでアタリがない場合は、再度ビシを3m下までシャクリ上げてきてもよい。
アタリが来た! よし、アワセ! ということはけしてやってはいけない。

1匹ヒットしたら多点掛けを期待。追い食いのさせ方とは?
アタリが出たらそのまま動かさずに待つ。多少聞き上げてもよい。
そのままにしておくと引きが強くなるので、すぐにやり取りを始めたくなるだろうが追い食いを期待する。
まずは、高活性、いわゆる入れ食いのとき。
この状況下では、1匹ヒットしたらゆっくり3〜5mほど巻き上げる。
こうすることでほとんど多点掛けができる。
食いが渋いときは、そのタナで追い食いさせることを期待する。
つまり、1匹ヒットしても巻き上げず、そのままかもしくは、50㎝〜1mほど送ってもよい。
イサキは群れているので群れに帰る習性を利用し、残りのハリに食わす目論見だ。
ほとんどの場合、そのままのタナで待つことで追い食いさせることができる。
ただし、食い渋り時はこれをやりすぎるとバラシの原因となるので、ほどよいところで巻き上げよう。
この追い食いを意識すると一気に数釣りができるようになる。ぜひやってみよう。
南房・波佐間沖〜平砂浦沖 イサキ釣行レポート 最大の魅力は美味ジャンボイサキ!

ツウの釣り人が好む、波佐間沖。激うまの魚がそろう

イサキは群れなので魚探にはっきりと出る

平砂浦沖ではこんな良型のイサキが一荷で釣れることはザラだ

幅広イサキだ

竿の弾性を利用したシャクリだが、小さな動作で十分もコマセが出るし、誘いにもなる

竜一船長が言う、小ぶりイサキのポイントで多点掛けで数をそろえよう!

波佐間沖で一荷達成。幅広の個体だ

多点掛けしたら、躊躇せず抜き上げよう

45㎝の特大イサキもヒット!

ハリス1.5号を切る大型イサキもヒットする

ほどよい脂ののりで食べて大変美味!

これが波佐間沖ジャンボイサキ。40㎝はゆうにこえる。
これからの季節、大型が期待できるぞ。

今回、取材にご協力いただいたのは、千葉・南房西川名港「竜一丸」
3月に南房のイサキが開幕した。
春の房総半島はきれいな花がいたるところで咲き、温暖な気候を満喫できる。
その春の訪れとともに開幕するのが波佐間沖〜西川名沖〜平砂浦沖のイサキだ。
「うちはジャンボサイズのイサキにこだわって出船してます。
小さいイサキを数釣るより大きな1匹のイサキとのやり取りを楽しみたい、というお客さんの要望から近年はこのスタイルでやってます。
平砂浦沖はイサキが大きく数釣りもできますが、オススメの波佐間沖は数はさほどでもないですが、個体が激うまです。
デカイのは大変貴重で、ハリスを切っていく大型もいます。その分、魚もシビアなので釣り人もそれなりのテクニックが必要になりますが、1匹に価値がありますからね。
好きな人はこの波佐間沖にこだわる人も多いですよ」とは、イサキ釣りにかなり詳しい西川名港「竜一丸」の安西竜一船長の弁。
「シーズン初期のイサキは静かに釣るのがコツです」と竜一船長がアナウンスするように、難しいといわれている大型イサキを真っ先にあげるのは子供やビギナーの女性が多いという。
その理由は、船長が解説する釣り方を忠実に行っているからだという。
ここでは郷に入れば郷に従えのことわざのように、仕掛けもテンビンもビシも船宿のものを使うのが望ましい。
誰にでも簡単に美味イサキを釣らせてあげたいという「竜一丸」のサービス精神がここにあらわれているのだ。
さあ、おいしい大型イサキを釣りに行きましょう!!
以上の記事は「つり丸」2019年4月15日号の掲載記事です。
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