銚子・外川港「福田丸」メヌケの仕掛け

一投目は空振り嫌な予感が…
当日の相客は5人。
くじ引きで決まったミヨシに釣り座の準備を完了させると、そそくさとキャビンに潜り込み釣り場まで惰眠をむさぼった。
辺りが薄明るくなる頃釣り場に到着。
若干ウネリは残るものの風はなく絶好の条件下、船長の合図でトモから仕掛けの投入が始まる。
「水深420m」のアナウンスとほぼ変わらぬカウンター表示で仕掛けが着底。嫌な予感がよぎる。
ほとんど潮が流れていないのだ。
予感は的中し一投目は全員空振り、440mでの第二投は微かなアタリがあるも、これはカラスザメの行列。
底潮が行っていない証拠で、こいつが食って来る時にはろくな思いをしたことが無い。
明るい兆しが見え始めたのは390mダチとやや浅場へ小移動した三投目のこと。上潮だけのようだが多少海が動いて来た。
「オモリが着底したらどんどん巻いて底を切ってアタリを待つように。オモリを引きずっちゃあダメですよ」の言葉通り
オモリトントンでアタリを待っていた自分の竿にクククッ! と明確なアタリが出る。
「福田丸」では巻き上げは自由裁量で行う事が出来、船長からも「食いが渋い時は待ち過ぎると外れちゃうことも多い」とアドバイスされ、追い食い待ちも早々に巻き上げを開始した。
40~50mおきに出る引き込み、その鋭角的な力強さから本命度80%以上と判断したが、
残り120mでの引きを最後に竿先はおとなしくなってしまう。痛恨のバラシ。どこかに浮かないか? と仕掛け回収後も
しばらく辺りを見渡していたが期待に沿ってはくれなかった。
3点、4点、5点掛け… 提灯行列が連発
日が高くなるにつれ風が強まりシケ模様となって来た中、次投でこの日の初物が上がる。
型も3㎏級とナイスサイズ、胴の間では同級のメダイも上がった。船内に活気が出始めた5投目。
私にも初物が上がる。イマイチハッキリしないアタリで半信半疑の巻き上げは、一番下バリに2㎏弱級で納得。
引きがスポイルされていたのだろうが、嬉しい1匹であることには変わりはない。
そして次の投入でついにメヌケの提灯行列が出現。
私の右隣氏で3㎏超級の良型まじりで海面に4点のメヌケの華が咲いた。
この流しでは胴の間氏、そして私にも単発ながら3㎏超級が上がった。
この次の投入ではミヨシ突き出しから竿を出していた仲乗りさんが5点、私も負けじと次投次々投で2点、3点と連続して
提灯をぶら下げ、型も良いためこの時点で釣果的には十分満足となっていた。
そして「この流しで上がりますよ」と声が掛かった投入では、着底タナ取り後すぐにアタリが出た。
「アタリが出たら糸は送らずオモリは底を切った状態をキープして追い食いを待って」の指示に従うと
クンクン! からグングン! とアタリの強さ、重量感が増してくる。
頃合いやよしで巻き上げを開始すると、深場用大型リールが悲鳴を上げる。
ドラグを締め直し、巻き上げ速度を上げてどうにかこうにかの巻き上げとなった。
糸にはパンパンにテンションが掛かって、スプール上でミチミチと音を立てている。
フィナーレは7点掛け7月ごろまで狙えそう
残り50mを切ったあたりから道糸は徐々に前方へと斜めに走るようになり、
船べり停止で止まった時には道糸を手に取るのが大変なほどに払い出していた。
そしてそうこうしているうちにボコン! ボコン! と真紅の大輪が海面に浮かびだした。
メヌケ釣りのハイライトシーンだ。一つ、二つ、三つ…なんと7つのメヌケ華が海面に炸裂、
最高のフィナーレで有終の美を飾り、大満足で竿を仕舞うことが出来た。
船中の釣果は1.5~4.3㎏を1~14本。遠慮して? 43Lと控えめなクーラーを持参したため入り切らない釣果に恵まれた。
銚子沖のメヌケはこれからが本番で、今年も7月くらいまでは狙えそう。多くの方にメヌケの提灯行列を味わって頂きたいものである。
エサはヤリイカで
深場釣りでポビュラーなエサと言えばイカ。
銚子沖のメヌケでもこれを使う方がほとんどで私もイカ派だが、もっぱらエサにするのはスルメイカ。
ヤリイカは過去数回の経験でも良い思いをしたことは無く、何故か食わないエサと思っていた。
で、今回また試してみた。ご承知の通り今季は各地でヤリイカ絶好調、もったいないの批判も今ならば多少軽減される?
の思いもあってのことだ。結果は本文通り、バリバリ食いました。
そりゃそうだよね、生きエサではマダイやアラなどで抜群の実績があるし、切り身にしてもスルメより身は白く、
薄くてヒラヒラ目立っていかにも食いそうだもの。ただし縦切りにしたのはダメ。
一度使うと薄皮がキュッと縮こまって硬く反りが入ってしまう。スルメも同じ傾向があるけど比較にならないほどで、
見るからに食いそうもないエサとなってしまうのだ。
7点掛けも飛び出す食いの良さ!! 深場釣りのダイゴミを満喫! 銚子沖メヌケ釣果レポート

投入はひとりずつ順番に。投入用の治具を使うひとも多い

船べりのマグネットにセットして、船べり投入も可能だ

オマツリして仕掛けが上がってきたら、船べりが真っ赤っ赤!

竿先にでるアタリで、数付いたことがわかる。これも楽しい時間だ

この一投でお土産十分!

4点掛け、5点掛け、7点掛けと海面に真紅の大輪が咲く。この「提灯行列を」が、この釣りのダイゴミ

こちらは4㎏超えのナイスボディ

安定した釣果が続く銚子沖のメヌケ釣り。2~3㎏級を中心にトップ二桁は期待十分

控えめな大きさのクーラーだと、入りきらないことも。大型を持参しましょう

今回、取材にご協力いただいたのは、千葉・外川港「福田丸」
銚子沖のメヌケが安定期を迎えている。
銚子外川港の「福田丸」では、このところ出船するたびに、2~3㎏級を中心にトップ二桁以上と絶好調が続いている。
「今年はシケ続きで出られる日が少なくてねー。何日も出られなくて。ようやくここに来て天候も安定し出して潮具合も良くなってきましたよ」と福田稔船長の顔も明るい。
敷居が高く感じる深場釣りではあるが、「福田丸」の場合は決して高い敷居ではない。
超大型船の船べりには強力マグネットが常設。船宿仕掛け(1000円)はハリス長も短いため、船べり投入が可能で、
仕掛けの使い回しも効き(筆者は当日1組の仕掛けで事足りた)、コストは押さえられるし、深場ビギナーでも扱いやすい。
ハリ数を5~7本にすれば(通常は10本まで)ライトタックル(PE8号800m以上)での釣りも可能だ。
それでいて釣果はド級。
5㎏近い大型もまじって、メヌケ釣りのダイゴ味「提灯行列」を味わえる確率もかなり高いのだ。
取材日も4点掛け、5点掛け、7点掛けと海面に真紅の大輪が咲く、提灯行列の連続。
銚子沖のメヌケは7月ごろまでが釣期。今後しばらくは好釣果が聞かれそうだ。
深場ビギナーも、ぜひチャレンジしていただきたい。
以上の記事は「つり丸」2015年6月1日号の掲載記事です。
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