大型カサゴ主体の根魚五目!狙うは35cmオーバーだ!
夏の東京湾で盛んなカサゴ釣り。
ビギナーにも比較的簡単に釣れて食べてもおいしいカサゴは、人気の沖釣りターゲットだ。
そんなカサゴ釣りを南房エリアで楽しませてくれるのが、洲崎港「北山丸」。
東京湾同様、ライトなタックルで誰でも簡単に釣れるのだが、東京湾と比べて大きく異なるのが釣れるカサゴのサイズ。
25㎝級は当たり前、狙いは30㎝オーバーで、なんと過去最高は36・8㎝!? とにかく大きなカサゴが狙えるのだ。
「6月ごろがここのカサゴのベストシーズンです。梅雨ごろがいわゆる乗っ込みで、大型の群れが浅場に入って固まるので、大型を狙いやすくなります。そうなると30㎝級が船中あちこちで連続ヒット、なんてこともありますよ」。
こう話すのは「北山丸」北山茂樹船長。
5月からカサゴ釣りで出船している「北山丸」。
このところ数はトップ10~20匹前後。
東京湾のカサゴ釣りのような数釣りはないものの、とにかく型がいい。
小さい物は20㎝ほどのものもまじるが、アベレージで25㎝ぐらい、連日30~34㎝の大型が釣れている。
梅雨に入るとさらに大型が食うようになるというのだから驚きだ。
また、アカハタやキジハタ、マハタ、アヤメカサゴ、オニカサゴ、メバルなど、まじりも多彩で大型カサゴ主体の根魚五目が楽しめる。
タックルは東京湾のカサゴのパワーアップ版

仕掛け、タックルは東京湾のカサゴ用のものを少々パワーアップしたようなもの。
仕掛けはハリス3~5号、幹糸5号~8号の胴付き2本バリが基本。
カサゴのサイズがいいし、あまりハリスを細くしても食いは変わらないのでハリスは最低でも3号を。
南房では思わぬゲストが食ってくることもあるので、それらを取りたければハリス6号でもOKだ(取材日前後は40㎝オーバーのヒゲダイがアタっていて、重量感のある引きでハリスを切られる場面も見られた。ちなみにヒゲダイは知る人ぞ知る超美味魚だ)。
オモリ60号または50号を使用するので、竿はそのオモリを背負ってやや先調子気味になるものがいい。
胴調子気味だと食い込みはいいが操作性が悪く根掛かりしやすい。
極先調子だと操作性はいいが食い込みが悪い。
先調子気味で、魚が引くと胴に乗ってくるようなものがおすすめ。
LTロッド、ゲームロッドなどから適当なものを選ぶといいだろう。
リールは小型両軸リールにPE2~4号。
2号以下は根掛かり時、オマツリ時に高切れするなどの心配があるので、2号以上を巻いておこう。
エサ交換などの手返しアップを狙って超小型電動リールを使うのもアリだ。
エサは冷凍カタクチイワシとサバの切り身が配られる。
「2本バリの上のハリに冷凍イワシ、下バリにサバを付けるのが基本です。上のイワシで周りにいるカサゴに見せてアピールし、底を引きずることもある下バリにはエサ持ちがいいサバを付けるんです」と船長。
もちろん、どちらかに食いがいいという状況なら、上下ともイワシまたはサバを付けてもOKだ。
サバは身が付いた状態で配られるので、ハサミやナイフで身を削ぎ落とし、できるだけ薄く皮がヒラヒラするようにしてからハリに刺すようにする。
ゆっくりした動きでエサをアピール、大型カサゴの引きと食味をたっぷりと。

ポイントの水深は20~40mほど。
現在30~40m前後中心に狙っているが、梅雨の最盛期には20mほどの浅場が中心になってくる。
水深に対してオモリ50~60号は重いように感じるかもしれないが、これは洲崎沖の潮流がかなり複雑でその潮の中、効率的に岩礁帯を攻めるためのものだ。
しっかり底ダチを取り直し、船の移動と同調して仕掛けも海底を移動していくよう意識して釣ろう。
オモリが着底したら、すかさず10~50㎝ほど上げて、オモリが底を切るようにする。
根掛かりを恐れていては根魚は釣れないが、オモリを置きっぱなしでは根掛かり連発で釣りにならない。
10~50㎝上げたら、そこでしばらく待ってエサをカサゴに見せてやる。
そこでアタリがなければゆくっり落として込んでやってオモリを着底させてやる。
着底してエサがフワッと落ちたときにアタリが出ることも多い。
ここでもアタリがなければ再び10~50㎝上げて待つ、この繰り返しだ。
この動作の間にも船は流れているので、上げて下ろしてという作業によって仕掛けは次々新たなポイントに入っていくというわけだ。
「カサゴの捕食するところを水中映像で見たことがあるんですが。カサゴはじっくりエサを見てから、カエルみたいにピョンピョン近づいてきて、周りに自分より小さいカサゴがいたら、それを追い払ってから、狙い定めてエサに食い付くんです。だから、カサゴ釣りでは早い動きは禁物。仕掛けはゆっくり動かして、ゆっくりエサを見せてやるイメージで釣ってください」と北山船長は話す。
基本的にはアワセは不要。
カサゴは向こうアワセでOKだ。
コツコツという小さなアタリはエサの端を咥えているだけの場合が多いので、ここでアワせるとスッポ抜ける可能性が高い。
ガツガツっとはっきりしたアタリは、エサを食い込んでハリ掛かりしている可能性が高いので、ここがアワセ時。
ひと呼吸おいて聞き上げるように竿を立ててやればフッキングがより確実になる。
実はアタリではなく根掛かりだった、という場合もある。
根掛かりした場合は無理に引っ張らず、竿の操作で軽くテンションを掛けたり緩めたりを繰り返すとポロッと外れることもある。
根掛かりかと思ったら、大カサゴが根に潜り込んで踏ん張っていた、ということもあるので、すぐに仕掛けを切ろうとせずに、しばらく外す努力をしてみよう。
いよいよ外れないというときは、道糸をつかんで強く引っ張って仕掛けを切る。
このときハリス、幹糸を太くしているとなかなか切れない。
道糸で手を切ったりしないようにフィッシンググローブなどを持参しておくといいだろう。
30~35㎝クラスも少なくない洲崎沖のカサゴ。
そのサイズともなると、決して「小物釣り」とは呼べない強い引きが楽しめるはず。
ガンガンと元気いっぱいの引きを存分に楽しもう。
大型カサゴは食べる方でも魅力いっぱい。
定番の唐揚げもたっぷり身が取れる。煮つけも食べ応え満点だ。
そして大型ならではの刺身もおすすめ。
大型は釣った当日は身が硬いので、最低2日は寝かせてやると旨みが増し、食感もグッとよくなる。ぜひお試しを!
狙いは30cmオーバーの大型カサゴ!南房総・洲崎沖 カサゴ釣行レポート

ポイントは洲崎沖の20~40mほど

胴付き2本バリ仕掛けの上バリに冷凍イワシ、下にサバの切り身が基本

洲崎沖のカサゴ・ハタ五目。メインターゲットはこの大型カサゴだ!

ライトなタックルでガツガツガツ! っと派手な引きを楽しもう

こちらは30㎝ジャスト。筋肉質で見事なボディー

大きなカサゴでタルが真っ赤っか

型がいいので食べ応えあり。唐揚げ、煮つけ、刺身もおすすめ

根掛かりしないよう、海底付近をトレースするのが大切

大型カサゴが連発だ!

アカハタもよくまじる。ほかキジハタ、マハタなども

こちらはアヤメカサゴ

ヒゲダイもちょくちょく顔を出すという。
あまり知られていないが、非常においしい魚だ

浅場だがオニカサゴもまじる。こちらも美味、うれしいお土産だ

今回、取材にご協力いただいたのは、千葉・洲崎港「北山丸」
5月から7月にかけて南房洲崎沖で楽しめるのが、大型カサゴ中心にアカハタなどがまじるカサゴ・ハタ五目。
洲崎沖の水深20~40mほどを狙い、25㎝から30㎝オーバーのデカカサゴが連発する。
「6月、7月の梅雨時はカサゴの乗っ込み期で、大型の群れが固まって、とてもおもしろい最盛期です」。
こう話すのは、カサゴ乗合で出船中の「北山丸」北山茂樹船長。
このところカサゴはトップ10~20匹前後。
サイズがいから10匹あればお土産は十二分だ。
そのほか、アカハタ、キジハタ、マハタ、アヤメカサゴ、オニカサゴ、メバルなど、さまざまな根魚がまじり、クーラーは鮮やか。
「最盛期は30㎝級のカサゴが、みんなに簡単に釣れますよ。ぜひ遊びに来てください」と船長。
夏の南房は根魚もおもしろいぞ!!
以上の記事は「つり丸」2016年6月15日号の掲載記事です。
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