駿河湾・沼津沖 湾内いたるところにマダイが集結中!
駿河湾のマダイの好漁場、沼津沖。
地元では湾内と呼ばれ、外洋が荒れていても湾内はベタ凪ぎ、ということは珍しくない。
高い出船率もこのフィールドの魅力のひとつだ。
コマセマダイ釣りに詳しい静浦港「真成丸」の高橋判船長によると、
「今期は湾内のどこにでも乗っ込みマダイがいるようです。1〜2kgサイズが平均的に多いけど、3〜5kgの大ダイもまじるからね。大ダイのシーズンはこれからだと思うよ」とは、高橋船長の言葉。
実際、高橋船長が狙うポイントはさまざま。
水深20〜90mまですべての場所にマダイが回遊中だという。
このようにマダイの魚影が確認できていても、なかなか口を使ってくれないのが、湾内の乗っ込みのマダイ。
ちょっとしたきっかけでいきなり活性があがることが多いのも事実。
自分の周りの船でマダイが食いだした、などの変化があったときが時合いだ。
さらに、午前船には朝いち、午後船には午後いちと夕マヅメの時合いがある。
その時合いを逃さずに集中して釣ることがこの湾内では大変大事だ。
釣り方はオキアミコマセ釣り!ハリス長の基本は10m

「ハリスを長くすれば釣れる! とは思わないでくださいね」。
これは高橋船長の言葉だ。
「真成丸」では、ハリスの基本の長さは10m。船上の釣り人がその長さの仕掛けを使っていると想定して、各ポイントにおいて、船長は細かく指示ダナのアナウンスを行っている。
「いかにしてマダイの鼻の前に付けエサのオキアミをもっていくか?
これを常に考えて仕掛けを作って使うことが大事。基本的には、ハリス長が10mもあれば十分です。
自分が竿をだすときは、ハリス6号6mと短ハリス仕様でマダイを狙うこともあります。
魚探とソナーでマダイの動きをいつも見ているとマダイはかなり浮くし、ビシにも近づいてくるんだよね。
もちろん、その魚影がマダイだけではないけど。湾内はさほど潮は速くないけど、
海底は複雑な地形をしているので、それにともない複雑な潮の流れが生み出されています。
だからいろんな長さの仕掛けを試す必要があるんだ」
つまり、「真成丸」ではハリスの長さの基本は10mだが、短くしても長くしてもよいということで、釣り人にある程度の仕掛けの自由度をあたえている。
ベテランは14mと長くしていることもある。
では、何メートルがいいの? と迷ってしまうが、迷ったら基本形の10mでやることをオススメする。
そして、ハリス長の次に大事なのがハリの大きさだ。
基本はマダイバリ10号。食い渋りの場合は、ハリのサイズを8〜9号落とすのが湾内流。
ハリのサイズを落とし軽い重さのハリを使用することで、マダイの食い気を誘う目論みである。
ただし、浅場で実績のある大ダイを専門に狙うときは、小さいハリの使用は控えたい。サイズはマダイ10〜11号を使おう。
指示ダナの5m〜7m下からコマセを少量振り出す

釣り方はコマセマダイの基本そのもの。
船長の指示ダナより5〜7m下までビシをおろし、数回に分けて軽くコマセを振り出しながら上げて、指示ダナで静かにまつ。
ビシに入れるオキアミコマセはひとつかみまたはふたつかみと少量でよい。
置き竿にして静かにアタリを待つのが湾内のセオリー。
誘いすぎはよくない。
魚影は濃いが人為的なプレッシャーも高いので、マダイの警戒心をさらにあおってしまう。
落としこみや誘い上げ動作を行うときは、ゆっくりと静かに行おう。
置き竿にするときは、あまり長くそのままにしていてはいけない。
エサ取り魚の活性にもよるが、エサ取り魚が多いときは3分に1度、そうでないときでも5分に1度は回収して付けエサのチェックを行う。
エサがきちんと付いているだけで、本命マダイのキャッチ率はグンっと上がる。
釣れる釣れないの理由は意外とこんな基本的なところにある。
船下になかなかマダイが入ってこないときの対処法

「湾内のマダイは、潮が気に食わないとなかなか船下に入ってこない。
産卵を意識しているので、マダイたちも神経質になっているからかな」と高橋船長は話す。
では、どのような仕掛けにすればよいのか。
「まずは、深場と浅場できちんと仕掛けを使い分けること。
深場や通常のポイントでは、重めの仕掛け。浅場では軽い仕掛けにする。
それぞれ、ガン玉などのオモリを活用するのだけど、それをどこに打つかがかなり重要になってくるよ」と船長。
「ハリスとハリはバランスが重要。ハリスは細ければいいってもんじゃない。
沼津沖はでかいマダイがたくさんいるからね。いつも使っているのは、6号のナイロンラインと簡単に脱着可能なシンカー。
ハリは、小ぶりで頑丈なもの。これでまず、釣れないことはないよ」
ハリスはサスペンドタイプのナイロンライン、ハリは平打ちのアジバリ8号やマダイ8号。
糸巻きから正確に10〜13mの長さを引き出し、ハリを結ぶ。あとは、シンカーをどこへ固定するかだ。
「6号のナイロンラインは潮乗りがいい。それを頭に入れてシンカーを打つ位置をきめる。
船の周りに泳ぐマダイを狙いたいときは、シンカーの位置をハリから遠ざければよいし、
船下を攻めたいときは、ハリにシンカーを近づける。基本はハリから5mのところだよ」
ビーズなどの光り物はいっさい付けないのがコツ。付けエサはオキアミ。
1匹掛けが基本だ。
湾内のスレた個体を狙うとき、つまり食い渋りになればなるほど、ハリは小バリ、エサは小さくがセオリー。
それに準じることが大事だ。
水深20m前後の浅場では、当然のことながら、指示ダナは浅くなる、ハリス長が10mであれば、水深8m前後が指示ダナだ。
こんな場所では、いかにハリスを船下から遠ざけ船の周りに伸ばすかが重要になるので、潮が速くないかぎり、シンカーを付けずに軽いストレートでオーケー。
重さの調整はガン玉で行うとよいという。
駿河湾・沼津沖 マダイ釣行レポート

早朝に姿を現した紅富士

朝陽を横に浴びながらマダイとのやり取り。午前船では朝いちがゴールデンタイムだ

湾内は湖のように波静か。外海が荒れているときでもここは静かなことが多い

4.6kgの大ダイ。
これからはこのサイズが湾内の主役となる

綺麗な弧を描くマダイロッド。沼津沖のマダイは1kg前後でも元気がいい

このサイズがアベレージ。食べごろだ

4.6kgと4.3kg 2枚の大ダイが同時にヒット!
これからはこんな光景は珍しくなくなるだろう

都内の横田さんは1.8kgのマダイをキャッチ

1㎏前後の個体が数多く乗っ込み中。腹はパンパン

うれしい1枚。まずはこのサイズを釣ろう

このサイズは数釣りを目指そう!

ゲストのクロダイ

コショウダイもヒット!

大アジ。
ゲストも多彩で面白い

今回、取材にご協力いただいたのは、静岡・沼津静浦港「真成丸」

午後船での釣果。1〜2㎏サイズはビギナーにも釣れる。
駿河湾の最奥部にあたる沼津沖。
正面にドンと居座る富士山をメインに3方向を山に囲まれ、春の新緑に包まれた山々と海が見事に調和。
その風光明媚な景色を楽しめる沼津沖は地元では湾内と呼ばれ、波静かな海上で高出船率で沖釣りが可能だ。
もともとマダイの魚影が濃い海で知られる沼津沖だが、今期は湾内のいたるところでマダイが高活性、乗っ込み中だ。
「今期は湾内じゅうどこにでもマダイはいるって感じだね。数釣れているのは1〜2㎏サイズが多いけど、
3〜4㎏サイズの大ダイも口を使い始めたのでこれからが楽しみですよ」とは、沼津沖のマダイに詳しい静浦港「真成丸」の高橋判船長。
連日、出船するたびに好釣果をたたき出している。
「水深80mなど深いところのマダイが群れ固まっていて釣りやすいけど、ゴールデンウイーク以降は、
水深20m台などの浅場でまた、大型マダイが乗っ込むんじゃないかな」と話す高橋船長。
午前と午後便の2便制のため、午前は朝いち、午後は夕マヅメのゴールデンタイムを狙うことが可能。
沼津沖のマダイはポテンシャルの高さがウリ。
最大の攻略法は時合いを逃さないこと。
さあ、貴方も沼津沖で気軽にコマセマダイ釣りにチャレンジしてみよう。
以上の記事は「つり丸」2019年5月15日号掲載の記事です。
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