東京湾のタイラバ 初挑戦を考えている方へ タックルセレクトと基本釣法
例年の乗っ込み現象が少なくなっている
春だ、マダイだ、乗っ込みだ! と勢いよく繰り出していたのも今は昔!?
近年の東京湾では明確な乗っ込み現象は少なくなっているイメージがある。
そう教えてくれたのはタイラバゲームを得意とする羽田「TAKEMARU」の半谷武船長だ。
「5年くらい前までは3月から4月にかけて、いわゆる乗っ込みが分かりやすい感じでした。
でも、ここのところはだらだら産卵する感じで、ときには秋に抱卵していたりする魚もいるくらい。
釣れるポイントの水深も30mから80mと幅広い。とにかくシーズン的な動きが読みにくい状況が多いです」
とはいえ、釣れないというわけではない。
4月中旬の取材日直前情報としても、型は大小まじり、という印象。
数がバリバリ釣れるという日はないが、十分に楽しめる程度の数はキャッチできていた。
ただ、相手にとって手頃な1㎏前後の魚がちょっと少ない気がする、とは船長の弁だ。
取材日はチャーターでの出船に便乗させていただいた。経験者2人、初挑戦3人の計5人。全体を通してはけっこう渋い日だったが、終わってみれば初挑戦の方だけが本命のキャッチに成功。経験者&船長の指導の賜物、とはいえ、初挑戦であってもチャンスは十分にある、ということでもあろう。
気にはなっているが…、という方も、臆することなく挑戦してみるとよいだろう。そこで、ここからは初挑戦を考えている方へ、タックルセレクトと基本釣法などを紹介していく。
80gのヘッドをそろえる メインラインはPE0.8号を
初回はレンタルタックルを利用するのもよいが、できればワンセット、自分専用のタックルを用意できれば、やる気&テンションもグッとアップ。より楽しめるはずだ。
ロッドは繊細なティップセクションを備えたタイラバ専用を選びたい。
長さは6ft台。80gが使用するタイラバの標準ウエイトなので、これに対応するパワーのものを選ぶとよい。
タイラバ用としてはスタンダートな一本だろう。
リールは小型のベイトリールを用意する。
東京湾で使用する限りでは、ブラックバス用などを流用してもOK。
ただ、ハンドルだけはなるべくしっかりとつまめて、ファイト時は握れて力を込めやすいものが装着されているタイプが心強い。
一日、巻き続ける釣りなので、使用感、操作感のよいものが理想的だ。
メインラインはPE0.8号を基本と考える。
リーダーはフロロカーボン4号を3mほどセットしておけばよい。
タイラバは大きく鉛やタングステンでできたヘッド部分と、ラバースカート、ネクタイ、フックなどから構成される。
ヘッド部分のウエイトに関しては、「TAKEMARU」推奨は80g。
潮が速く、二枚になって釣りづらいときでも100g程度までにしてもらうことが多いという。
全員で揃えたほうが、船も流しやすい、とのこと。
全体的な釣果アップにもつながるので、なるべく80gを使用するといいだろう。
ヘッド、ネクタイなどの各パーツはそれぞれ選択肢は無数にある。あれこれ悩むのも楽しみのひとつだ。
「最近の傾向としては赤系のネクタイが好調ですね。全体のボリュームは少な目のほうがいいかな。
ヘッド部分をあまり見ていない感じがしますね。魚じゃなくて虫を食べているのかも知れませんね」
とは半谷船長。
フックのシャープさだけは常にチェックしておきたい。
フッキングはもちろん、うまくフッキングしてもバラシに直結する重要パーツ。
消耗品と考え、ハリ先が鈍ったら研ぎあげるか交換するよう心掛けたい。
とにかく落としては巻き上げ、落としては巻き上げるが基本
タイラバゲームの基本はとにかく落としては巻き上げ、落としては巻き上げること。
極論すれば、ひたすらこの動作を繰り返す釣りでもある。
ビギナーの方は投入の合図があったら真下、もしくは少し潮上に向かって送り込むように落とし、着底するまで落とし込む。
着底の合図はラインが弛むこと。
これを確認したらリールのハンドルを回し巻き始める。
ある程度水深が把握できたら、必ずしも底を取る必要はない。
だいたいの水深で巻き始めるのも効率的な手だ。
海底から巻き始め、水深の1/3程度を目安に探り、また落とし直す。
この動作を3~5回程度繰り返し、いったん回収。再投入に移るのが基本だ。
シンプルな、以上の動作のなかでも工夫のしがいはある。
これらの差異によって釣果が変わってくることも確かだ。
一番はスピード。
速めに巻いたり、スローに巻いたり。
マダイからの反応を探る。タイラバをあれこれとチェンジする前に、ここまでの動作を確実にすることが大切。
慣れないうちはスピード変化や探る水深に気を配るだけで一日楽しめるはず。
待望のアタリが来たら即アワセは厳禁。
コツコツ、というアタリが来ても巻き続け、魚の重みが乗ったらロッドを立てる。
これだけでアワセは十分。緩めにセットしたドラグを頼りに、焦ることなくゆっくり寄せてくればよい。
難しく考えることなくまずは挑戦しよう。
さすればトビラは開かれる!? はずだ!
【東京湾】誰にでも楽しめるタイラバゲームのススメ 釣行レポート


海面を割る赤い魚体は、いつでも釣り人を興奮させてくれる

綺麗な魚体の1.3㎏。
「生まれて初めて釣ったマダイです。最初のうちはパタンパタンって感じでしたが、だんだん重くなりました」

カラーをチェンジしたり、全体のボリューム感に気を配ったり。タイラバのセレクトも楽しみのひとつだ

たっぷり用意したタイラバ。近年はタングステン製ヘッドの人気が上昇中だ
ヘッド部分のウエイトに関しては、「TAKEMARU」推奨は80g

落としては巻き、また落としては巻く。
ひとまずは誰でも簡単に馴染めるのがタイラバの魅力だ

絶好調だった佐々木さん。
「底から3回くらい巻いたところでコンコンっと来ました!」

船中ファーストフィッシュは良型のホウボウ。定番ゲストのひとつだ

チャータースタイルならではの返り際のお駄賃。お土産サバ釣りも楽しんだ

サバはジグをセットして狙えば、確率高くヒットが望める

今回、取材にご協力いただいたのは、東京・羽田「TAKEMARU」
「これが乗っ込み!という状況もなく、とにかく動きが読みづらい状況が続いていますね。
でも、粘っていると釣れる。不思議な釣れ方も多いです」
いつでも爆釣! そんな大風呂敷を広げる船長も少なくはない。
だが、誠実な対応で人気を集めるのが、羽田「TAKEMARU」の半谷武船長だ。
釣れないわけではない。
でも、これまでの実績と経験が通用しない。
そんな状況が多いのが近年の東京湾、タイラバゲームの特徴という。
取材日は5人でのチャーター船に便乗させていただいた。
慣れた方は2人。
船での釣りが初めてという方も含めた3人はレンタルタックルの利用だった。
しかし、好調だったのはレンタルタックル組。
堤防釣りの経験しかないという笹木さんは、ホウボウ、マダイ、サバと三目のキャッチに成功。
当日最大の1.3㎏のマダイを仕留めたのも、ビギナーの松崎さんだった。
慣れない人がトップ釣果を記録することが珍しくないのがタイラバゲームの魅力のひとつ。
気軽に挑戦してみれば意外なほど簡単に楽しめること、うけ合いだ。
もちろん間口は広く、奥は深いのがタイラバゲームでもある。
安定感はやはり腕達者に軍配があがるが。
「去年はGW以降、あまり釣れないよと言っていたんですけど、凄く釣れた(笑)。今年も狙い目かな、と思っています」
早めのお出かけ、おすすめします!
以上の記事は「つり丸」2019年5月15日号の掲載記事です。
つり丸の最新号 2019年5/1号 (2019年04月15日発売)、電子書籍(デジタル版)は税込み486円。今なら初回500円割引やレビュー500円割引もあります!また、定期購読なら割引や送料無料!
ドラグを緩めにセットしておけば、やり取りに難しいところはない。
マイペースで存分に楽しめばよい。
待望のアタリが来たら即アワセは厳禁。
コツコツ、というアタリが来ても巻き続け、魚の重みが乗ったらロッドを立てる。
これだけでアワセは十分!