食い渋りの一日に当たっちゃった‥‥。でも今年も好調に釣れてますよ!!
以前は足繁く通っていた遠征釣り。
最近とんとご無沙汰だったが、今回久々に遠征釣りのメッカとも言える銭洲に釣行した。
その昔漁師さん達が「行けさえすれば銭になる」と言った沖釣り師憧れの聖地。
ネープルスに代表される岩礁帯は、変わらず神々しいまでの姿で出迎えてくれた。

アカイカを仕入れ、いざ銭洲へ!
今回お世話になったのは下田港「龍正丸」。
途中神津島で生きたアカイカを仕入れてから銭洲へと向かう。
釣り場は銭洲の象徴ネープルスの北側に位置するダルマ。
ここ最近のアカイカカンパチの本命ポイントで、定刻の7時を待って釣り開始となる。
さすがに銭洲辺りまで来ると海の色が違う。
吸い込まれそうな紺碧の海は、いかにも大物が竿を引きずり込みそうに思えるが…。
「まいったなー。反応が全然ないよ」と船長。
「昨日も9時過ぎくらいからだったみたいだから」と、ふた流しほどでダルマに見切りを付けてネープルス周りへと移動した。
ネープルスの横「ヒラッタイ」には多くの磯釣り師の姿も見える。
ナギは良く天気も最高、まさに銭洲日和だったのだが、ここでも魚達の活性は低いまま。
時折ルアーマンのジグにショゴクラスのカンパチ、ボトムを狙ったワームに小型のアカハタが食い付いたくらいで、その他の泳がせ組はアカイカの遊泳教室に終始していた。
ネープルスとダルマの距離は2㎞ほど。
潮変わりのタイミングを逃すまじ、と船長は時折ダルマへ戻り反応を確認するが、どうも芳しくないようで、ネープルス周りで釣ることが多くなっていた。
そんな状況に変化が出だしたのが10時を少し回った頃。
「お土産の欲しい人はコマセも積んであるから五目釣りをやってもいいですよ」の声に何人かがコマセ五目に転向した。
そして「潮が流れ始めたかな。いい反応も出だしたねー。なんか気配あるよー」の船長の声が合図かのように、突如五目釣り師の竿にガンガンとアタリが出だした。
コマセ五目の竿を引き絞ったのはシマアジ。
0.8~1.2㎏級と銭洲では小型の部類であるが、言わずもがなの超高級魚。
サイズの割りに引きも強いから皆嬉々として釣り上げている。
これに2㎏近そうなメジナもまじってコマセ釣りは「らしい」入れ食い状態。
なかでもうらやましかったのがスマガツオ。
筆者の大好物でもあって、一瞬コマセ道具に手が伸びかけたが、いかんいかん! でアカイカカンパチに集中した。

イカゲソエサに小型カンパチ連発!
そうこうしているうちにカンパチの活性も上がりだした。
まずはミヨシお立ち台のルアーマンお二人が2㎏級のカンパチを続けて抜き上げる。
続いては左舷トモ2番、紅一点の相田さん。
女性アングラーながら「龍正丸」の常連さんで、これまで数々の大物をキャッチしている凄腕。
当日も小柄な身体ながら常時手持ちでライト泳がせタックルを扱い、休まずタナを探り続けていて、その竿がズキューン!と入る。
あしらい方も手馴れたもので「大きくないみたい」で中乗りさんにタモ取りされたのは2㎏級のカンパチだった。
エサは持参のイカゲソとのこと。
これを見てか大半の泳がせ組もイカゲソにエサを切り替え、そして面白いように次々とカンパチがヒットした。
型は最大で3㎏弱級と船長言うところの、銭洲では「お話にならない」サイズだが、次々に竿が曲がる様は、さすがは銭洲!である。
この好時合で大半の方が本命をキャッチし、残るは私を含め2、3名のアカイカカンパチにこだわる勇者? だけ。
当日の生きアカイカはほとんどが胴長45㎝級のビッグサイズ。
こいつを食い込むのは5㎏以上じゃなければ厳しそうだ。
それでもここまで脇目も振らずアカイカに食い付くビッグワンに狙いを絞っていたのだが、ラスト1時間近くになって心がひよる。
遊泳教室に疲れた瀕死のアカイカのゲソを抜き、私もゲソカンパチに参戦したのだが、時既に遅かった。
この後はダルマに戻りカンパチ狙い。
やはり反応がないと見るややや深場でハタ、モロコ狙いを試みたが、この日大型魚は留守のようだった。
今シーズン最悪‥‥翌日からは良型復調
「今シーズン最悪」とは船長だが、それでも数名の勇者を除き、臨機応変に対応したほとんどの方は、シマアジ、カンパチ、スマなど銭洲ならではの土産を確保。
また翌日以降は再度5~8㎏級のカンパチが食いだして、銭洲らしいロマン溢れる釣りが展開されている。
「龍正丸」では6月いっぱいくらいまではアカイカの入荷がある限り、アカイカカンパチを中心に銭洲を攻める予定。
その後はチビムロも含めムロアジの回遊が始まれば、ムロアジの泳がせへと移行するのが例年のパターンだ。
シマアジもカンパチも魚影は例年以上とのことだから、今年も熱い銭洲ドラマが期待できそうだ。
大型チャンスもある!狙いは世界記録級!? 銭洲 カンパチ釣行レポート

銭洲のカンパチが好シーズン。
現在、アカイカ泳がせで狙い5~8㎏級の爆釣もあるぞ!

この日は食いが渋く大型は出なかったが、一発大型のチャンスもある。
「龍正丸」では2年前の6月に74kgを上げている

エサのアカイカは神津島で購入。
今後ムロアジが回ってくれば、それを釣ってエサにする

ルアーでカンパチなど青物や根魚を狙うのもいい

この日はアカイカの泳がせよりも、ルアーやイカゲソなどに小型カンパチが好反応を示した

美味しそうなカンパチをゲット!

泳がせの合間に五目釣りでシマアジを狙ってもいい。最高のお土産だ

今回、取材にご協力いただいたのは、静岡・下田港「龍正丸」
釣り人憧れの聖地『銭洲』でアカイカカンパチが始まった。
カンパチの大好物アカイカを生きたままエサにするこの釣りは、時として爆発的な釣果を叩き出す。
今季は5月中旬頃より本格化し、5~8㎏級を中心に船中50本近く釣る船も出ている。
「ここ数年カンパチは好調ですけど、今年も多いですね。しばらくは好釣果が続くんじゃないかと思いますよ」とは下田港「龍正丸」の鈴木豊船長だ。
アカイカは神津島に寄り漁師さんから買い付ける。
したがってアカイカが神津島周辺で釣れるうちが釣期だ(例年だと6月いっぱい~7月初旬)。
「龍正丸」では2年前の6月22日にJGFA公認の世界記録74㎏のカンパチが取り込まれていて、この時季はまさにカンパチの絶好機。
今季「龍正丸」では今のところ15㎏までだが、いつ超ド級の大物が食いつくか分からないのが銭洲。
ハリスは40号以上が定石だ。
もちろん泳がせだけでなくコマセ五目釣りもOK。
今季はシマアジの魚影も濃く、取材日も一時入れ食いのシーンもあって、こちらも楽しみだ。
以上の記事は「つり丸」2017年7月1日号の掲載記事です。
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