アタリが多く時間の経過も忘れ、つい夢中!これから浅場がメインで釣りやすくなる!


合図とともに投入。
ドジョウとサバ切身をエサに、25号オモリの胴付き仕掛けで底を探るうち、ゴツゴツとアタリが伝わってきた。
巻き上げる途中でもグッ、グッと抵抗を続ける。
姿を現したのはカサゴ。
ヒレを広げ、丸い目が特徴的だ。
【開始早々にさっそくアタる】
5月11日、久比里の老舗「巳之助丸」を訪れた。
カサゴ乗合は開幕直後。今シーズンの様子を確認できれば何よりだ。
船に道具を積むと、すでに日差しが強くなっていた。
春用のレインウエアを車へ戻す。筆者の釣り座は左舷胴の間。さっそく道具を組み立てる。
仕掛けは2~3本バリの胴付き仕掛け。
幹糸は3号でハリスは2号、ハリは丸セイゴやムツバリの12~13号。
エサは元気なドジョウとサバのタンザクだ。
船のバケツには無数のドジョウが泳ぎ、見ているだけでも楽しくなる。
電車のお客さんも乗船し、定刻7時30分に河岸払い。
橋のある平作川を下って海に出るため、操舵室が下がるのも久比里船の特徴。
「ドジョウは上バリ、サバは下バリに付けます。カサゴは上を見ているから、オモリが底スレスレになるようにやってください」とベテランの臼井美喜男船長。
ドジョウは左手で滑らないようしっかり握り、下アゴからハリを通す。
ドジョウの入ったオケも、直射日光を避け、なるべく日影に置くことも大切。
15分ほどで久里浜港を出た直後、10mの浅場から開始。
岸壁に着いたカサゴが出てくるか?
さっそく、右舷大ドモで型を見た。下バリに食っている。
筆者も投入すると、さっそくアタリがきた。
やはり下バリのサバタンザク。
素早く打ち直すと2匹目追加。
右舷胴の間でもカサゴが上がる。
やがて根掛かりやベラのアタリが出始めたため、30分ほどで移動。
少し沖へ出ると、おびただしい数のカタクチイワシがピチャピチャ跳ねている!
タモに手を伸ばすが、網目が大きすぎて無理!
獲れれば最高のエサになると思ったが…。
この下にも居そうだが、2回ほど流しても不発。

当日、よくアタッたエサはサバのタンザク

水深10m未満の浅場で、とくに有効なのが生ドジョウエサ
下アゴから上アゴへとハリを刺し抜く
【移動するとアタリは増え、一荷で掛かることも!】
今度は水深30m程度。
右舷大ドモでは先調子の竿で、細かく誘いをかけているようだ。さっそく良型が顔を出す。
「まだ始まったばかりだから、魚は30mくらいの場所に多い。6月になれば10mの浅場に上がってくる」と船長。
明らかにアタリの数も増え、型が良くなってきた。
胴の間ではダブルも! 外道はベラの他、トラギスもまじる。
これまで釣ってみたところ、圧倒的にサバタンザクにアタリが集中している。
サバタンザクの場合、上バリにも結構食うため油断はできない。
ベラだとブルブル竿を震わすばかりでなかなか食い込まないが、カサゴは丸飲みにするため掛かりも早い。
一度、魚が根に入ったが、少し緩めて待つと出てきた。
すっかり良型カサゴだと思ったがベラ!ベラも根に持って行くことがあるとは…。
右舷ミヨシ、左舷ミヨシでも良型が姿を見せ、一通り画が撮れて一安心。
日差しが強くなってきたので、左舷の日影がちょうど良い。
釣ったカサゴはバケツの中に生かしておくと様々なエサを吐き出すため、観察するとカニが一番多く、他にクモヒトデやイカ、ハゼも捕食していた。
アカクラゲの触手が仕掛けに絡むこともあり、そのままでは食いが落ちる。
タオルで拭き取ってもいいが、胴付き仕掛けなので海中で強く振るとかなり外せる。
根掛かりも下ハリスだけ切れてくることが多く、ハリを結び直す。
船の真下だけ探るよりは、アンダーハンドで軽く投げ、少しでも広い範囲を探りたい。
投げられない時も、船はゆっくり流れるため、1mほど仕掛けを上げ、再び落とすことで新しい場所を探れる可能性がある。
場所が良ければ、着底直後にアタるのがカサゴの特徴。
ゴンゴンと竿を叩き、そのまま食い込む魚もいれば、活性が低いのか、わずかに送り込むと掛かる魚もいる。
良い場所へ入ると2人同時に食ってくる。

筆者もこの通り!カサゴをゲット
【最後までアタリは続き、トップは51匹!】
船上も暑くなってきたため、上着を脱いで半袖になる方が続出。
筆者もクーラーで冷やしていたゼリーを味わう(これからの時期オススメ)。
11時30分頃に再び移動。
今度は潮が効いているため、ややオモリが流れ気味だが、依然として大小まじりでアタリが続き、つい夢中になってしまう。
昼過ぎにはあちこちで良型が姿を見せ、右舷ミヨシではタモが出る騒ぎ、駆けつけると1㎏級のマトウダイ!
ドジョウエサに食ったという。
2匹目のドジョウとばかり、筆者も大きめのドジョウを付けてみるが、さすがにそんなうまい話はない。
アタリがあるのはサバタンザクの方。
ゲストにマダコも姿を見せ、本命以上に価値がある?!
最後までアタリは続き、エサも切れる頃、14時30分を迎えて沖揚がり。
皆さんも好釣果に笑顔がこぼれる。
船宿に戻ると、あっという間に女将さんたちが船の片付けに回ってくれる。
わずかに汗をかいたため、濡れタオルも有難い。
本日の釣果は25~51匹。
筆者も小型は極力放流して20匹のお土産に満足。
船長の話では、魚が浅場に入ってくるとドジョウが威力を発揮するという。
6月上旬にはすでに10mの浅場で食う見込みが高い。
生きドジョウ&サバタンザクで初夏のカサゴと遊んでみよう。

カサゴは引き味も抜群!
浅場のポイントではドジョウが有効! 東京湾・久里浜沖 カサゴ釣行レポート

まずは本命ゲット!

一荷もある!

こちらもダブル

これから水温が上昇すれば、水深10m未満の浅場でも好調に釣れだす見込みだ

大型は刺身、小型は唐揚げなどが美味しい!

慣れた人は着実に数を伸ばす

釣れたカサゴがカニ、イソメ類を吐き出した!

仕掛けとオモリの予備は多めに準備すること!

今回、取材にご協力いただいたのは、神奈川・久比里「巳之助丸」
東京湾・久里浜沖のカサゴが開幕している。
久比里「巳之助丸」では、トップ60匹以上の釣果が上がっている。
釣り方は2m前後の竿に小型両軸リール、2〜3本バリの胴付き仕掛けで底を狙うが、ここの特徴は生きドジョウをエサにすること。
サバタンザクも配られるが、魚が10mほどの浅場に来ると、ドジョウはとくに有効だという。
ヌメリが強いため、しっかり握ってハリ付けしよう。
皮が硬いためエサ取りにも強いことが特徴だ。
場所は久里浜沖。
状況によって鴨居沖や観音崎沖も攻める。
岩礁帯を探る釣りなので、仕掛けやオモリの予備は多めに持参したい。
アタリは明確に出るので、重みを確認して聞きアワセを入れれば力強い引きが伝わってくる。
取材時は水深30m台を中心に攻めた。
一投目からアタリが出て、トップは51匹。
良型もまじった。
日によってはさらに数が狙える。濁り潮がチャンスだ。
「ドジョウは上のハリ、サバは下のハリに付ける。
6月になると10mの浅場で食う。そうなったら本格シーズン。
8月半ばまでカサゴ狙いで出船します」とドジョウエサのカサゴ釣りを考案した臼井美喜男・大船長は言う。
カサゴは初心者もある程度の数が期待でき、ベテランも楽しめる。
暑くなる前に、カサゴを根から誘い出そう!
以上の記事は「つり丸」2019年6月15日号の掲載記事です。
つり丸の最新号 2019年6/1号 (2019年05月15日発売)、電子書籍(デジタル版)は税込み486円。今なら初回500円割引やレビュー500円割引もあります!また、定期購読なら割引や送料無料!