『夜ムギイカ』前半渋るも後半3時間で50杯超!状況次第で束釣りもあるぞ!
沼津湾で今年も夜ムギイカが開幕した。
タチウオと並びムギイカは沼津沖の夜釣りの看板釣り物で、
これら夜釣りを得意とする沼津静浦港の「清時丸」で束釣りがあったとの情報をもらい、
5月15日に釣行してきた。

月が煌々と海を照らす、夜イカ釣りでは悪条件‥‥
当日の相客は相模原市の田村さんと八王子の鈴木さん達3人グループ。
田村さんが右舷ミヨシ、鈴木さん達はトモ寄りに座席を取るとのことで、私は左舷ミヨシに入れさせてもらう。
「湾内いたる所にムギイカは居ますよ。サバも少ないし比較的釣果が安定しています」と船長。
大瀬崎近くまで船を走らせ、慎重に反応を探し潮流を見定めてからアンカーが打たれた。
辺りはまだ明るいが「70、80mでやっていいですよ」と船長から声がかかる。水深は110mとのことだ。
田村さんは3号スッテのブランコ仕掛けで、一番下には鶏のササミを付けたエサ巻きスッテを配し、
置き竿での自動電動シャクリで釣りを開始。
トモ寄りの鈴木さん達はイカ釣りの他、胴突き仕掛けにサバエサを刺して海底付近を狙う置き竿も出している。
「清時丸」ではオマツリが多発しない限り、どんな仕掛けを出すのも釣り人の自由とのことで、
ちなみに胴突き仕掛けではムツの他アカムツが食うこともあるそうで、
ムギイカが釣れればそれを泳がせてマダイも結構な確率で釣れるそうだ。
そして、その鈴木さんの置き竿にヒット。
いい引きで期待も高まったが、上げて見たらミズフグで爆笑の一幕。
しかし鈴木さん、すぐに本命のイカ竿に乗せる。
ニセイカサイズの良型で早速の名誉挽回を果たす。
直後には田村さんも同級をエサ巻きスッテに乗せるが、その後はなかなか乗らない時間帯が続いた。
初めのころは「暗くなってライトを点けてからが本番」と余裕もあったのだが、
1時間が経ち2時間近くが経過し、船の灯りに小魚が集まり出しても乗りはイマイチ。
「あれ?今日は悪い日に当たっちゃったかな」の気持ちがよぎり出す。
船長も「反応は出て来てるよ。60から上」と檄を飛ばすが、一方で煌々と輝る月を見上げ
「お月様が明るいと良くないんだよねー。雨イカって言うくらいで雨や曇りの日がいいんだ」とボソッと一言も…。
乗り渋りもプラヅノに変更で状況好転
それでも9時近くになるとようやく乗りが上向く。
布巻き浮きスッテの直結仕掛けを電動シャクリで釣っていた私にも55m付近でズン!
まずまずサイズの3点掛けだ。
よーしこれから! なのだが、ここからもなかなか一筋縄では行かない。
同じタナを同じ釣り方で攻めてもう1杯追加したがその後は全く無反応、
電動のデッドスロー巻きを試すもダメ、竿をごくゆっくりと誘い上げて行くと竿先がクッ!とわずかにモタレ、
これをアワセるとようやく乗った。
まるでマルイカ釣りのようだが、この釣り方も何杯も連チャンはさせてくれない。
タナも50mで乗ったり20mで乗ったりと一定しなかった。
試行錯誤の釣りもこれはこれで楽しいが、なんか夜ムギらしくないなーと言うことで「乗り渋りにはプラヅノ」とばかりに(過去はあまり功を奏したことないけど…)、11㎝のプラヅノ直結仕掛けに変更。
すると時間帯もあったのか、いきなりの3点掛けだ。
そしてその後も相変わらず誘いパターンもタナもバラバラながら、イカからの触りは明らかに増えて来た。
トモ寄りの様子を見に回ると、手釣り道具を出していた船長も
「プラヅノブランコに替えたら急に乗るようになった」と短時間で15、6杯を釣っていた。
鈴木さん達も大分ペースアップして来たようだ。
乗り上向きラストスパート!トップは50杯オーバー
10時半を過ぎてラスト1時間となると、尚一層乗りが上向きタナも30mより上、時には15m前後でも乗るようになる。
いよいよ沼津湾夜イカタイムの始まり始まりだ。
浅いタナのせいか小型が多く多点掛けも少ないが、今までのことを考えたら文句は言えない。
田村さんも「上のタナでは餌巻きより普通のスッテに乗りがいい」と言いながらハイペースで乗せている。
結局この好釣は沖揚がり時間の11時半まで続き、深夜便で出船して来た僚船に場所を譲って我々は帰港となった。
釣果は19~51杯でトップは田村さん。
私も43杯釣らせてもらった。
釣果のほとんどが後半3時間のもので、もうちょい早めに乗り始めてくれれば…と思うが、それはまた次回のお楽しみとしておこう。
いずれにしても今年も沼津湾の夜ムギは健在、これから十分夜遊びを堪能させてくれそうだ。
150杯もある!駿河湾・沼津沖の『夜ムギイカ』 釣行レポート

浅瀬で手軽にできる数釣り可能のターゲットだ

沼津沖の夜ムギイカが好シーズン!

ムギからニセサイズがまじりで釣れている。どちらも軟らかくて美味しい。

この日は前半渋ったものの、ラスト3時間で釣れた!

多点掛けも連発!
ときにはひとり200杯、300杯もある!!

こんなムギイカサイズも多い

ムギイカの沖漬けは最高!!

今回、取材にご協力いただいたのは、静岡・沼津静浦港「清時丸」
イカやタチウオなど、ほぼ一年中なんらかの夜釣りが可能な沼津湾。
春先から夏にかけては夜ムギイカの好シーズンだ。
「200だ300だっていう爆釣はまだないけど、今年も150杯以上釣った日もあるし、
ボチボチ楽しめるんじゃないかなー」とは夜タチ、夜イカと夜釣りを得意とする沼津静浦港「清時丸」の清水國明船長。
型は俗に言う万年筆サイズの胴長10㎝少々の可愛らしい物から、同20㎝級のニセイカサイズまでと、小中まじり。
「浅い方が比較的小さいのが多く、深めには良型が多い」と船長は話すが、
指示ダナ以下に仕掛けを下ろすと、イカが浮いて来なくなるので、ある程度の範囲は守りたいところだ。
沼津湾の夜ムギイカ釣りはアンカーを打ってのカカリ釣り。
他のイカ釣りのように反応を見付けて急停船「ハイやって!」で投入競争なんてことがなく、
のんびり自分のペースで仕掛けを上げ下げできる。
また今季は「今のところサバが少ないから直結じゃなくて、プラヅノのブランコ仕掛けでもいいよ」と、
ビギナーのイカ釣り入門にも最適だ。
順調に行けばムギイカの後には当地でジンドウイカと呼ばれる夜マルイカシーズンも控える沼津湾。
しばらく夜イカ釣りが楽しめそうだ!
以上の記事は「つり丸」2019年6月15日号の掲載記事です。
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