【大原沖】春栄丸イサキの仕掛け

イサキは5月の開幕から順調
大原港の「春栄丸」は、5月の連休明けからイサキ乗合を開始した。
イサキは順調に数が出ていて、今年もシマアジがまじっているそうだ。
楽しい釣りになりそうとの期待を胸に大原港へと向かった。
集合時間は4時と早い、受け付けをしているうちに空が明るくなった。
イサキ船の舵を握るのは白川永一船長、昨シーズン以来、一年ぶりの挨拶をして船に乗る。
釣り場まではおよそ40分ほど。根が点在するポイントで、タナ取りは海面からになる。
「15mから12mでやってください。根掛かりするからビシは15mから下に降ろさないで」とアナウンスがある。
海面から15mビシを下ろし、軽く振りながら12mまで誘い上げる。
そこでしばらく待ってもアタリが来なければ、ビシを上げてコマセを詰め直すのが大原沖の基本的な釣り方だ。
いまにも雨が降り出しそうな曇り空、イサキ釣りにはこんな暗い空が適しているが、
北東風がけっこう強く5月の半ばというのに肌寒い。もう一枚着て来れば良かったと後悔する寒さだ。
船上を見渡すと、ぽつりぽつりとイサキが上がっているが、船長は「昨日に比べると食いが悪いなー。型も小さいよ」という。
しかし、そこは大原沖、多彩な外道が顔を出し賑わせてくれる。30㎝に迫る良型のメバルは嬉しいお土産だ。
強い引きで上がってきたのは500gほどのマダイ。良型のメジナや高級魚のマハタも釣れた。
強烈な引きが来たら⋯⋯それはシマアジだ!
イサキの食いも徐々に上向いてきて、一荷で釣れ上がるシーンも見られるようになったとき、
「それシマアジだよ、慎重にやって」と船長の声が聞こえた。ふと目をやると胴の間の釣り人の竿がガンガン叩かれている。
ビシが上がると、船長がサッとタモ入れ。30㎝ほどのシマアジが顔を出した。
「まだ時期が早いので小さいけど、ハリスを切ってく奴もいるよ」と船長。
その言葉通り、次にシマアジらしきアタリがあった人は一瞬でハリス切れ。
「ドラグは緩めといてね、油断すると切られるからね」と船長。
イサキ仕掛けはハリス1.5号、小型のシマアジとはいえ無理はできない。
私にも強い引きが襲来。ゴンゴンと突っ込む魚を慎重に寄せる。
ハリスを手にすると銀色の魚体がみえた、シマアジだ。が、手繰り寄せようとすると、ポロリ。
なんと、ハリが外れた!落胆した次の瞬間、横からさっとタモが飛び出た。
ハリから外れて海面で戸惑うシマアジをすくってくれたのは永一船長だった。
地獄に仏、見事なタモ取りだった。いやぁ、ありがとう船長~!!
この1枚を皮切りに、あちこちで竿が曲がる。どうやらシマアジの群れが船に付いたようで、一荷で釣りあげた人もいる。
ハリス切れ、口切れもバラシも多い。
「バレる魚は仕方ないよ、気にしない!次が大事、誘って誘って!」と、船長はポジティブに檄を飛ばす。
船中ほとんどの人にシマアジのアタリが来たと思う。いい人で5枚、船中では17匹のシマアジが上がった、
時間にして30分ほどだろうか、嵐のように過ぎたシマアジ入れ食いタイムだった。
これからイサキ本番シマアジはサイズアップ
本命のイサキの方は前半は順調、後半はコマセを食べ飽きたせいか釣れるペースは落ちたものの、
12~42匹と定量の50匹に届く勢いだった。
私の釣果はイサキ15匹、シマアジ3匹だったが、そのうち1匹は撮影中に置き竿に食ってきたのを船長が上げてくれた。
ハリ外れの魚をすくってもらったのと合わせ、シマアジの半分は船長に釣ってもらったようなもので、
永一船長には頭が上がらない一日だった。
数を見れば大原沖イサキ絶好調、というところだが、この釣りの本番はこれからだ。
6月になって梅雨入りした頃は35㎝前後の良型が一荷、一荷半で食ってくるイサキ釣りの醍醐味が味わえるはずだ。
シマアジはまだ小型だが、水温の上昇と共に1~2㎏サイズが顔を出すようになり、よりスリリングな引きが楽しめる。
家に帰ってイサキをさばいてみると、まだ真子も白子も小さかった。
6月になれば大きくなって、美味しい白子料理も楽しめるだろう。
大原イサキ&シマアジ仕掛け考
基本的にシマアジもマダイもイサキ仕掛けを使い、エサはイカタンで狙うのが「春栄丸」流。
ハリスは1.5号、太くしても1.7号を使う。2号より太いとイサキもゲストも食いが落ちるという。
キロ以下のシマアジであれば1.5号でも取れるが、夏場になると2kgオーバーの魚も回遊してくるので、
イサキ仕掛けでは歯が立たないこともある。そんな場合のために、3号または4号ハリスの仕掛けを自作しておけば安心だ。
食いは落ちるが切られるリスクは低くなる。
また、シマアジは動くエサに反応が良い。
まわりでシマアジらしきアタリがあったときは、指示ダナの範囲で誘い上げてエサに動きを与えてやることが効果的だ。
数釣りターゲットと高級魚が一緒に楽しめるなんて最高!! 大原沖 春栄丸イサキとシマアジ釣果レポート

ここ数年シマアジの魚影が多くなっている大原沖。イサキのまじりで超高級魚が狙える!!

ナント! シマアジの一荷も! コレは止められません!!

グッドサイズのシマアジ!! こんなゲストが期待できるイサキ釣りは楽しすぎる。大原沖へ急げ!

本命イサキも好シーズン突入。これから梅雨時にかけては釣っても食べても最高だ

高級魚シマアジと、これから産卵を控えて脂が乗り、白子も美味しいイサキ。最高のお土産だ

小型ながらマダイも

こちらは大型メバル

イサキは良型主体に2点掛け、3点掛けで釣れてくる。数釣りの期待大!!

イサキにまじって食ってくるシマアジ。引きが強いと思ったらやり取りは慎重に

シマアジに加えメバル、マダイ、メジナ、マハタなど、その他のゲストも多彩。美味しい魚でクーラーが埋まってゆく!!

今回、取材にご協力いただいたのは、千葉・大原港「春栄丸」
八十八夜が過ぎて夏が近づけば、大原沖はイサキ釣りのシーズンとなる。
10mちょっとの浅いタナからやってくる明確なアタリ、小気味よい引き、30㎝越えの良型がダブルで掛かれば引きも最高。
食味もよく、数も釣れるとあって人気の釣り物だ。
そして、大原沖のもうひとつの魅力は多彩なゲストにある。特にシマアジは近年になって数が上がるようになった魚で、
大原港「春栄丸」ではイサキにまじって連日のようにシマアジが釣れている。
「春栄丸」の白川栄一船長は、「ドラグは緩めにしておいてください、引きが強ければ無理しないでゆっくり巻いて」とアナウンスする。イサキを釣っている最中に、突然に疾走する引きが来たらそれはシマアジの可能性が高い。
ハリス切れに注意しながら慎重に巻き上げよう。浅場のシマアジは海面まで走り回り、タモに入るまで超スリリングだ!
取材日はイサキが12~42匹と順調。さらにシマアジは0~5匹、船中17匹が上がった。
その他にも、メバル、マダイ、メジナ、マハタと多彩な高級ゲストたちが顔を出し、大原沖の魚種の豊富さを感じた一日だった。
大原沖のイサキは入梅の頃からが本番、35㎝から40㎝のジャンボイサキが登場するのもこれからの時期で、
ゲストのシマアジも水温が上がればキロオーバーが型を見せてくれる。
暑い夏が来るよりひと足先に、熱い大原沖の釣りを楽しもう!
以上の記事は「つり丸」2019年6月15日号の掲載記事です。
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