アジを本線に、その時々のゲスト狙い
小坪港「洋征丸」のアジ五目船は、ビシアジ釣りをメインに、
その時期によって可能性の高いターゲットを同時に狙うことができる。
「冬から春はマダイや泳がせで青物、潮が濁ったときはクロムツ、初夏からはイシナギとヒラメの泳がせですね。アジはできるだけ浅場でサイズがいいものが出る場所を狙っています。アジは安定して釣れていますよ」とは、高木洋征船長だ。
通常、泳がせ釣りというと釣り座が四隅限定ということが多いが、「洋征丸」の場合は、
どの場所で狙うことも大丈夫で、比較的自由度が高い。
「ヒラメは今の時期は大型が多いですね。イシナギは乗っ込みで深場から水深100mほどの魚礁に入ってきています。一度入るとしばらく居着くようで夏までは狙うことができます」
そんなイシナギだが、釣れているのは20㎏前後が多いが、100㎏クラスの超大型も潜んでいるそう。
ヒットしてもそのサイズだとなかなか取るのは難しくなるそうだ。
ただ、城ヶ島沖のそんなに遠くない場所でこんな夢のような魚が狙えるというだけでも価値があるだろう。
相模湾・城ヶ島沖 洋征丸 ビシアジタックル

基本のアジ釣りのタックルはいわゆるノーマルのビシアジタックルでいい。
ビシ130号が背負えてコマセが振り出せる竿をセレクトする。リールはPE4号以上が300m巻ける電動リールを使用する。
水深は60~100mほどで電動リールは必須と言ってもいいだろう。
中型テンビンに1.5~2㎜のクッションゴムを30㎝ほど付けておく。
ビシはプラビシ、アンドンビシの130号でどちらでもいいという。
ただし、これからサバが多くなった時に、サバを避けたいならプラビシを使ったほうがいいという。
仕掛けは現在のアジメインの場合はハリス2号、2~3 本バリ、全長は2m前後でいいだろう。
「洋征丸」にはオリジナル仕掛けがあるが、こちらは仕掛け本体部分とハリスが分かれていて、
ターゲットによって変えていくというもの。マダイがまじるようになったらこちらも使おう。
コマセはイワシミンチ、支給のエサは赤タン。ゲスト狙いにアオイソメやサバの身を細かくカットしたものを持参する人も多い。
タナは高めが基本 澄み潮対応の釣り方で

水深は60~100mほど。このポイントでのタナは海底から4~5mと高めだ。
この日、竿を出して好釣果をあげていた仲乗りの井上さんが釣り方を解説してくれた。
「コマセは3分の2ほど詰めます。タナが5mの時は、海底から3m上げてコマセを振ります。振ったら必ず1m上げて再度振り、1m上げて待つのが基本です」と井上さん。
これが基本で、食わない時は一度底を取り直してもう一度同じ動作をする。ただし、これはやっても1回だという。
「最近はずっと潮が澄んでいることが多いですね。そんな時は一気にコマセを出してすぐに食わせることを意識してください」
アジは基本的に濁ったほうが食いが良くなる。
潮が澄んでいる時は、コマセを多めに出して人為的に濁りを作って食わせるのだという。
「コマセは1回だけ振るのではなく、それぞれ数回振って多めに出します。タナにセットする前にコマセを出し切って釣ります」
アジはすぐに食ってくる。少し待って食わないようなら回収して再投入したほうがいいだろう。
「1匹食ったら必ず追い食いを狙ってください。最初に1m巻き上げて待ち、さらに1m巻いて待ちます。これだけでも追い食いします」
居着きの大型アジを狙うこともある。そんな時はアナウンスがあるので、その場所にあった方法で釣ろう。
「ここは水深50~60mと浅めの根周りです。ここに大型の幅の広いアジが居着いていますが長時間は食いません。素早く狙います」
この場所を狙う場合は、少し細めの仕掛けにチェンジするのもいいという。
「海底から3m上げた場所で、5~6回コマセを振り1m上げて待ちます。ここもあまり待たないで一気に食わせます」
取材日から急にサバが釣れ出した。欲しい人はいいが、いらないという人は仕掛けのビーズ類を外しプラビシにして、
それでも食う場合は仕掛けを短くするといいという。
泳がせは随時OKイシナギ場はアナウンスあり

アジがある程度釣れたら、通常の場所では同時にヒラメを狙ってもいい。
イシナギの場所はアナウンスがあるので、専用の仕掛けを投入する。
もちろん、イシナギのポイントでもアジが釣れるので、そのままアジ釣りを続行するのもいい。
ヒラメとイシナギは共通タックルでいいだろう。タックルは、簡単にいうと相模湾のキハダ、カツオタックルなどでOKだ。
このほか、ライト泳がせロッドなど。リールも同様に電動、両軸どちらでもいい。
ヒラメのみを狙う場合はもう少しライトな道具立てでもいいだろう。
「ヒラメはハリスは10号ぐらいを使うといいです。ただし、エサが大きいのでハリは大きめのものを使ったほうがいいですよ」と船長。
イシナギはハリス30号以上2m前後、ハリは泳がせに使用する30号前後の大型のものを、親孫式にして使う。
オモリは150号、200号を用意しておくと潮に合わせて調整できる。
イシナギに使用するハリスは30号程度ならフロロ、ナイロンを使う場合は50号程度を使用したほうがいいだろう。
「ポイントは魚礁です。ここにはアジも多くエサになっています。アジは大きくてもいいですから元気なものを選んでください」
海底に仕掛けが着いたら、5mほど上げて待つのが基本になる。
「たまに底を取り直してください。アタリがない時は一度上げてエサを交換して落とすと食うことがありますよ」
アタリがあると最初は竿先がモゾモゾとする。これは捕まえたアジを巣となる魚礁に持っていく前段階。
そのあとに、ギューンと竿が入り込む。
「アワセは特に必要ありません。竿が入ったら、一気に10mほど巻いてください。これをモタモタすると根に潜られて全く動かなくなります。とにかく最初の10m巻いたらあとは何とかなりますよ」
相模湾・城ヶ島沖 アジ&泳がせ五目で幅広のアジと大型のヒラメ・イシナギ釣果レポート

ポイントは城ヶ島沖60~100mほど

イワシミンチのコマセ釣り

仕掛けはアジ専用ほか、「洋征丸」オリジナルを。こちらはマダイなども同時に狙える

アジは水深60~100mまで幅広く狙う。小型電動リールが便利だ

開始から皆さん良型のアジをバンバン釣っていました

アジはダブル、トリプルと絶好調!

泳がせもおもしろい!

「コマセは多めにまいてすぐに食わせるイメージです」

「侍ドクター」近藤さんも大型アジの引きを楽しんだ

狙ってトリプルは気持ちいい!

こちらもダブル!

3.9㎏の良型ヒラメも上がった

「潮が澄み気味なのでコマセは一気にまいたほうがいいですよ」と井上さんはダブル、トリプルを連発して79匹ゲット

ドクター近藤は「マッドバイパーファング」&「シーボーグ800MJ」のコンビでイシナギを狙う

こちらはヒラメ狙いに来たマトウダイ

「追い食いは1m上げて食わせていきます」

後半は居着きの大型アジを狙ったが、こちらも絶好調の食いだった

「初めてイシナギを釣りました」と22.4kgをゲット! 100kg近い超大物も潜んでいるという

今回、取材にご協力いただいたのは、神奈川・小坪港「洋征丸」
「うちはビシアジをメインにその時々のゲストを狙っています。今は泳がせで大型のヒラメとイシナギのシーズンです」と高木洋征船長は言う。
まずは城ヶ島沖でアジ釣り。このアジがまた良型揃いで丸々と太っている。
頃合いを見てアジを釣りながらヒラメの仕掛けを落とすのもOK。
そして、「イシナギのポイントです」という水深100mほどの魚礁周りでは、釣ったアジをエサにしてゴツいイシナギ仕掛けを投入する。
そのままアジ狙いを続行するのもいい。
「イシナギはエサをくわえると魚礁に戻ろうとします。最初に一気に10mくらい巻けば大丈夫です。ハリス切れなどのバラシも結構ありますが、かなりの大型もいますよ」
これからはアジと同時のマダイ狙いも再びチャンスに。タックルは万全にして多彩に狙っていこう!
以上の記事は「つり丸」2019年6月15日号の掲載記事です。
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