千葉・館山「鯨丸」生きイワシ五目仕掛け

いきなり本命ヒラメ! 続いて上がったのは…
当日はグループのキャンセルが出て、越谷の前寺さん習志野の細野さんと私の3名での出船となった。
朝イチは大房岬寄りに走ったところでパラシュートアンカーが入れられ釣り開始。
エサのカタクチイワシは下アゴから親バリを刺し上アゴの硬いところに抜き、孫バリは背中に打って投入する。
仕掛けは30m少々で着底。タナは船長の指示通り「海底からオモリを1m切って」でアタリを待つ。
と、早くも私の竿にアタる。
グッグッ! と力強いアタリにアワせたくなる気持ちをぐっとこらえ、食い込みアタリを待つ。
ほどなくしてグングングン! と断続的に竿が引き込まれたところで、ゆっくりと竿を立ててアワセると、
ライトヒラメ用の竿が大きくしなりハリ掛かりを伝える。
途中の引き込みもまずまず、竿がライトなだけに結構スリリングだ。
それでもバットパワーには全く不足はなく、なんなく海面に浮かせ無事タモ取りされたのは1㎏ちょいのヒラメ。
開始からわずか10分足らずの速攻におもわずニンマリだ。
続いては「幸先いいねー」と祝福してくれた前寺さんにアタリ。
結構な突っ込みを見せ「なんだなんだ?」で上がって来たのはキロ級のキレイなマダイ。
そうマダイもイワシの群れを追うのだ。
「いやー朝からタイやヒラメの舞い踊りですねー」などと軽口を叩いていると、またもや前寺さんにアタる。
今度は先ほどよりも強い。時折突っ込むように走るのを見て「青物かな?」と想像するが海面に現れたのは良型のスズキ。
バシャバシャ! とエラ洗いの後、無事船長の差し出すタモに収まった。
30分程でヒラメにタイにスズキ。「こりゃ今日はどうなるんだろう?」なんて余計な心配をしたのがいけなかったか、
その後アタリはピタッと止まりモーニングタイムは終了した。
この日はリレーでひとつテンヤも
生きイワシ釣りのアタリが一段落したのを見て、ひとつテンヤの竿も出してみる。
「鯨丸」では一人2本の竿までなら各自自由な釣りが出来る。
もちろんオマツリなど他の人の迷惑にならないことを前提にした話だ。ところがこの頃からサバフグの猛攻が始まる。
テンヤのエビはもちろん置き竿の生きイワシも10分と持たず、かじられて頭だけになってしまう。
時にはハリスを噛み切られたりもして仕掛けの消耗も激しい。
船長は港寄りへと船を戻し、イケス周りへとポイント移動する。
こちらではサバフグ禍は一段落したが、代わってエソの猛攻が始まる。
こちらも歯が鋭くテンヤ仕掛けのリーダー、生きイワシ仕掛けのハリスがズタズタにされ閉口する。
そんな中久しぶりに前寺さんの生きイワシ竿にアタリが出る。
「あまり大きくないなー」と余裕のヤリトリで上がって来たのはソゲ。
ちょいと小型とはいえ久々に本命扱いの魚が釣れ期待感が広がり、直後には私のひとつテンヤにミノカサゴが食ってきたりもしたが、この後はまたもサバフグのちょっかいが始まってしまった。
船長はパラシュートアンカーの上げ下げをいとわず、何度もポイント移動をしてくれ、流す水深も30m、20m、15m、しまいには10mそこそこの浅場も狙ってみたが、この日はどこもサバフグだらけ。「なんだろうねーこんなにサバフグが多い日も珍しいよ」と船長もあきれるほど。結局13時の沖揚がり時間までこの状態は変わることはなかった。
静かな湾内で泳がせおすすめです!
日が高くなってからはサバフグの猛攻に泣く形も、朝のうちは良い魚の連発には館山湾の生きイワシ釣りの実力を垣間見る思いだった。この日は姿を現さなかったが普段であればマゴチが良く釣れ、他にもイナダやホウボウ、ワニゴチにマハタ、タチウオなども生きイワシに食って来るという。またひとつテンヤにはマダイの他イトヨリも結構釣れて良いお土産になるとか。
例年7月下旬くらいまでは湾内にイワシの回遊が見られ、これら色々な魚が楽しませてくれるというから、まだまだ今後に期待したい。
波静かな館山湾でのこの釣りは、生きエサ釣り入門にも最適。喧騒から逃れのんびり釣りを楽しみたい向きには特におすすめだ。
この釣りに最適! おすすめ仕掛け
カタクチイワシをエサにする場合、孫バリなしの1本バリ仕掛けの方がイワシへの負荷が少なくベターだが、釣り人の人情? として掛かりの良い孫バリ仕掛けを使いたくなる気持ちも理解できるし(ちなみに船長も孫バリ仕掛けを使う)、ビギナーは市販の仕掛けを使うことがほとんどだろう(市販品は大抵孫バリ付き仕掛けだ)。
そんな時におすすめなのが、がまかつの『定番ヒラメ仕掛け』シリーズに新製品として追加ラインナップされた『固定式特製トレブル(チヌ&泳がせヒラメ)』だ。親バリには細軸のチヌバリ、孫バリはイワシへの掛けバリだけが細く小さくまた逆バリになっている「泳がせヒラメ針」を使用し、イワシへの負担を最小限にするようになっている。カタクチイワシエサだけでなく比較的エサが小さいことの多い夏ビラメシーズンにもおすすめの仕掛けだ。
色々釣れるイワシ泳がせ五目がおもしろい!! 館山湾泳がせ五目釣果レポート

エサのカタクチイワシ。弱らないように素早くハリを下アゴから上アゴに刺し抜く

館山湾にはたくさんのカタクチイワシが入ってくる。その群れを狙い撃てば高確率でヒットする

何が食ってくるかわからないのも楽しさのひとつ。これはけっこう引くぞ…

正体はマダイでした! カタクチイワシはいろんな魚が捕食しているのだ

今の時期、館山湾で楽しめるカタクチイワシの泳がせ五目。ヒラメ、マゴチをメインターゲットに据え、様々なフィッシュイーターが食ってくる楽しい釣りだ。筆者も本命ゲット!

このほか、マゴチにワニゴチ、カサゴやハタ類、青物などなど、いろんな魚が食ってくる

今度はなんだ? かなりの強い引きを見せたのは…

良型のスズキ! スリリングな引きを楽しませてくれた上に、食べても美味しく、いいお土産に!!

今回、取材にご協力いただいたのは、千葉・館山「鯨丸」
魚影豊富な南房総にありながら、三方を陸地に囲まれ西寄りの風が吹かない限り、穏やかな海で釣りが楽しめる館山湾。
この館山湾内で生きイワシをエサにした五目釣りを得意としているのが「鯨丸」だ。
「海底に根らしい根はなくてほとんどフラット。根掛かりはまずないですから生きエサの釣りビギナーでも釣りやすいですよ」とは30年ほど前に釣り好きが高じて遊漁船の船長になったという唐沢船長。
「根がなくて釣れるの?」とい問いには「イワシの群れが根みたいなものですよ。イワシの群れを追って色んな魚たちがやって来ます。その通り道を流して釣りますから色々釣れますよ」とのこと。
メインターゲットはヒラメとマゴチだが、その他マダイ、スズキ、マハタ、ホウボウ、タチウオや青物までもが狙えるという。
この釣りのキモは一にも二にもエサのシコイワシを弱らせずに海底に送り込むこと。エサ付けは慣れるしかないが、初めてなら船長に聞けば優しく教えてもらえる。
あとはタナ取りで「オモリを海底から1mくらい上に」と「鯨丸」ではやや高めのタナ取りを推奨。「イワシが海底を引きずっちゃてるようでは釣れません」と船長。
オモリ35号(40号でも可)とLTで臨めるスリル満点の生きイワシ五目釣りは、7月下旬くらいまでがベストシーズンとのことだ。
以上の記事は「つり丸」2019年7月1日号の掲載記事です。
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