相模湾のシイラ! 平塚「庄三郎丸」
シイラ当り年の相模湾 日を追うごとに新群れの流入
今期は例年にないほどのロケットスタートをみせている相模湾シイラゲーム。
スタートが早いだけでなく、シイラの数が多く、活性も十分に高い。
日を追うごとに新群れの流入も増えており、おおいに盛り上がっている。
取材でお邪魔したのは平塚の「庄三郎丸」。
実釣日は今期最高という状況で、出船から帰港まで、ほとんどの時間帯でヒットが得られた。
もちろん、反応の良し悪しはあったが、シイラは高確率でルアーを追ってくれた。
特大サイズは出なかったが、ヒットは9人で200回以上。シイラ釣りって楽しいなあ、と余裕を持って満喫できる状況だった。
取材日以降も好調は持続しているようだ。
そこで、今回の取材では、ほかのアングラーのランディングを手伝いながらも最大魚を仕留めるなど、八面六臂の活躍を見せていた常連中の常連、椙尾和義さんに「船上で一般のアングラーを見ていてひと言伝えたい」という観点からアドバイスをいただいた。
半ば「庄三郎丸」のスタッフと化している椙尾さんはルアーメーカー「サプライズ」の主宰者であり、メーカー各社からサポートを受けているマスターアングラー。
自身がシイラゲームに精通しているのはもちろん、一般アングラーを船上でサポートする機会も多い。ぜひ参考にしていただきたい。
シイラを船と反対方向に追わせる
椙尾さんには、キャストからランディングに至るまで、思うままにアドバイスをいただいた。
「一番多いのは魚の近くに投げ過ぎちゃうことですね。
自分とシイラの間にルアーを投げちゃうと、シイラが追ってもすぐに船を見てしまい、ルアーを追うのをやめてしまう。これを繰り返すとスレてしまう。
だから、シイラの向こう側にキャストして船と反対方向に追わせるとヒット率が高くなるし、スレにくいですよ」
追わせて食わせる一般的なルアー、たとえばペンシルとかミノー、ポッパーなどすべてに当てはまる原則、という。
例外として挙げられるのはジャークベイトをシイラの近くにキャストし、ワンアクションで食わせる場合。これ以外の場合は心掛けてみるとよいだろう。
「スピードを出すより良いアクションを出せるように注意してください」
ほとんどのルアーの操作法はトウィッチ、ルアーの動きとしてはダートアクションというものでOK。
糸フケを故意的に出し、ルアーの頭を左右へと振る操作法、アクションだ。速いスピードで追わせて食わせるよりも、ヒット率は格段にアップする。できないという方は、練習を繰り返し、必ずマスターしておきたい。
シイラの泳層を意識したレンジの探り方

シイラの泳層を意識した、レンジの探り方も大切なポイントだ。
「季節や天気によっても異なりますが、朝一番は表層の水温が低いこともあって、シイラの泳層が低いことも多い。
だから沈めないにしても、水面直下を引けるルアーのほうがヒット率は高い傾向がありますね」
日が高くなり、表層水温が上がってくるとシイラがより水面を走るルアーへの好反応を示すようになることも多い。
そんなときは積極的にトップウォータープラグをセレクトしたい。
「絶対にダメということではないですが、ミヨシなどで釣る人はできるだけ沈むルアーを使わないほうがいいですね。
なるべく表層を狙ってシイラの目線を上げながら釣る。後ろのほうの人は多少沈むルアーを使って釣っていくという関係が、船全体の釣果をあげていくことにつながると思います」
シイラゲームは乗船者全員でひとつのチーム。
乗り合わせた釣り人たちが、一日チームとなって釣っていくという意識が大切とは椙尾さんだ。
ファイト中はロッドを曲げっぱなしすることを意識

シイラを完全にコントロールしていた上屋さんのファイト

上屋さん使用ルアー。写真右上から時計回りにマヒペン127F、アトゥーラ120 35g、ロックスライド120S AR-C、マヒジャーク
「必要以上に強いドラグ、ハイテンションは避けるのを前提に、ファイトに関してはロッドを曲げっぱなしにすることを意識してほしいですね。
これを意識していれば、ラインテンションが抜けにくいのでバラシにくく、シイラに潜られにくいので、スピーディーなキャッチにつながります」
ファイト中はリールのハンドルから手を離さないということも重要。ジャンプや急に逆走したときにラインテンションが抜けてルアーがポロリ、と外れてしまうことがある。
こんなときでもハンドルから手を離していなければ、即座にリールを巻き、糸フケを出さずに対応できる。
小型の場合は周囲の安全に配慮したうえで抜き上げてもよいが、ランディングはネットですくってもらうのが基本だ。
また、船上に取り込んでからも注意したいことはある。
「とくに中型のシイラは取り込んでから狂ったように暴れることが多い。フックを外すときは十分に注意してください」
素手でフックを外すのは厳禁。プライヤーやリリーサーといった道具を活用し、フックを体に刺さないように注意するよう、安全に楽しんでいただきたい。
いかがだろうか? 思わずなるほどと納得するアドバイスが多かったのではないだろうか? 参考にしていただければ幸いだ。
本格シーズン到来!絶好調の相模湾シイラゲーム!ヒット連発釣行記

水面をゴールドイエローに染めるシイラ。かなり綺麗だ

このジャンプ力で我々を楽しませてくれる

ルアーのフックはバーブレスにしておくのがルールだ

釣りあげたシイラが吐き出したのは流れ藻についていた20cm弱のワカシ。これを捕食しているなら反応がいいはずだ

最後はしっかり玉網のアシストをお願いすると安心だ

オスの最大魚はトップウォータープラグ、マヒペン127Fに反応してきた

105cmを仕留めたのはルアーメーカー「マングローブスタジオ」の上屋敷隆さん。着水後のワンアクションでバイトしてきたデコッパチだ

取材日の最大魚109㎝を仕留めたのはルアーメーカー「サプライズ」の椙尾和義さん

ひとり、オオドモに陣取り淡々と遊んでいた女性アングラー。デキる!

数多くヒットするのがこのサイズ

今回、取材にご協力いただいたのは、神奈川・平塚港「庄三郎丸」
相模湾のシイラが好調だ。
「今年は5月のスタートからずっといいね。シーズン最初はここまでは釣れないことが多いからね」
とは、平塚「庄三郎丸」でシイラ船を担当する後藤久船長。
好調なうちに出陣! というわけで、船上の人となった。
朝一番はどんよりと厚い雲が垂れ込めていたが、海はベタ凪ぎ。出船して間もなく、次々と流れ藻が現れた。
9人のアングラーは待っていました! とばかりにキャスト開始。これにシイラは次々とヒット! 前評判通り、いやそれ以上の食いっぷりだった。
シイラの泳層は低めではあったが、活性が高くトップウォータールアーにも好反応。スタートからストップフィッシングまで、多少の上下はあったものの、終始ヒットが続く一日となった。
結果、ヒットは9人で200回以上、キャッチ総数は135本! 最大サイズは109㎝止まりではあったが、文句があろうはずはない。
「新群れが入ったみたいで食いっぷりが良かったね。これからは梅雨で釣りづらいときもあると思うけど、シイラの群れは入るいっぽうだし、平均サイズも上がってくると思うよ」とは船長。
梅雨明けを待たずとも期待度満点!? 2019相模湾シイラゲームは絶好調と言えそうだ。
以上の記事は「つり丸」2019年7月15日号の掲載記事です。
つり丸の最新号 2019年7/1号 (2019年06月14日発売)、電子書籍(デジタル版)は税込み486円。今なら初回500円割引やレビュー500円割引もあります!また、定期購読なら割引や送料無料!
椙尾さん使用ルアー。上がスギペンフローティング130、下がスギペンシンキング110