ヒラマサ&マダイ大型好調! 目指せ10㎏! いや20㎏!

外房のカモシ釣りは私の大好きな釣りのひとつ。
毎年あちこちの船宿に出かけているが、御宿岩和田港の「広丸」には4年ぶりだ。
前回取材では、御宿沖でもそう滅多に上がらない13㎏のド級ヒラマサを写真に収めた思い出の船でもある。
その時は私にヒラマサは釣れなかったものの、3.2㎏のマダイを上げて満足の釣果で終えた。
まずはマダイの様子見 状況でヒラマサ狙い
「次の日曜なら常連さん達が集まるから来なおう」と、電話の向こうの青柳邦廣船長。
6月10日は、曇り時々雨、北東風が9~11mとややタフコンディションの日だった。
港に着くと、前回に大ヒラマサを上げた常連さんの顔も見える。今日の面子なら、マダイもヒラマサもしっかりと釣ってくれそうだ。
船は港を出てまっすぐに沖へ向かった。
三本松と呼ばれる御宿沖の釣り場は、潮通しの良い瀬に無数の荒根が点在し、複雑な潮流を作り出している場所だ。
ここには周年ヒラマサが回遊するポイント、そして初夏には大ダイが産卵で集まる乗っ込みポイントでもある。
朝の流しはほとんどの人がマダイ仕掛けで様子を見る。
ヒラマサの大群れが回遊しているときは、しょっぱなから太仕掛けを下ろすこともあるが、今は潮具合によってヒラマサが口を使ったり使わなかったりという状況。
まずはマダイを釣ってから、または仕掛けをぶった切られることがあってからヒラマサ狙い、という作戦を取る人がほとんどだ。
もちろん、しょっぱなから一発ヒラマサ勝負でもかまわないが、そのときはアタリ無しで終わるリスクも覚悟しなければならない。
朝イチの流しは大切!マダイ2kg級が連発

サンマミンチがヒラマサやマダイの食い気を誘う
コマセ釣りは朝のひと流しめはチャンス大で、カモシ釣りも例外ではない。
船長の指示ダナは海面から15ヒロ。すぐにトモで竿が曲がり、2.5㎏の綺麗なマダイが上がる。次いで隣の人にも同級のマダイ。
さらに、次の流しではミヨシで竿が曲がり、2㎏のマダイが釣れ上がった。
今日も調子良さそうなスタートだ。私も気合を入れて竿を振る。
しかし、3流しめから二枚潮気味になり、潮方が悪くなってきた。表面の潮の流れと海中の潮の流れが異なるのが二枚潮で、これはコマセ釣りには都合が悪い。
アタリも遠くなり、さすがの常連らも沈黙する時間が過ぎていった。
御宿沖は潮流が複雑で常に変化する。
真潮(南からの潮)、逆潮(北からの潮)の他に、込み潮(陸に向かう潮)、出し潮(沖へ向かう潮)があり、風向きと潮向きによって、食いが立ったり、ぱったり食わなくなったり、状況が変わるのが特徴だ。
いつ潮が変わって食いが立つかはわからない。そのチャンスを逃すまいと、皆黙々とコマセを振り竿先を見つめている。
二枚潮がきついので、ヒラマサ狙いに変更する人も出てきた。ハリスが短いヒラマサ仕掛けの方が、二枚潮の影響を受けにくいこともあるし、この日のような悪天の日にはヒラマサが口を使うことも多いのだ。
マダイ5kgに続き 出た!ヒラマサだ

ヒラマサ狙いではイカの切り身や1匹付けも効く。
状況によってはアジを釣って、エサにすることもある
9時をまわった頃、斜めに海中に入っていた道糸がまっすぐに下りるようになった。二枚潮が収まってきたようだ。そして、トモでヒット。これは大きそうだ。ボコッ! と浮いたのは5㎏のマダイだった。
次いで、私の隣でヒット。この流しからヒラマサ仕掛けに代え、ムギイカの一杯掛けで狙っていた釣り人だ。強烈な引き込みで竿が伸され、竿先がゴンゴンと叩かれている。これはヒラマサに間違いないだろう。
私は仕掛けを上げてオマツリしないようにする。
タモが入って、6㎏のヒラマサが取り込まれた。引き締まった魚体は海のスプリンターと呼ばれるに相応しい貫禄を見せていた。
私はここまで型見ず。朝からマダイ狙いで通していたが、ヒラマサの顔をみると太仕掛けを使いたくなる。ここがカモシ釣りの悩むところで、面白さでもある。
大ダイも出たので、マダイ仕掛けのまま通すことにした。しかし、この後はトモの釣り人がヒラマサの疾走にハリスを切られただけで、沖揚がりの時間を迎えた。
船長の「この流しで上がります」の声に、釣り座を海水で洗っていると、さきほど5㎏のマダイを釣り上げた人にヒット。
これも大きそうだ。
そして、最後にタモに収まったのは7㎏のヒラマサ! 有終の美を飾る魚だった。
「広丸」では今後はカモシ釣りを中心に出船、沖の深場根魚にも希望があれば出船する。カモシ釣りは初心者歓迎とのこと、この魅力ある釣りを多くの人に体験して欲しい。
外房・御宿沖の醸し釣!大型好調ヒラマサ&マダイ釣行レポート

都内からもそう遠くない外房エリアで、
ヒラマサの10㎏、20kg級との格闘が期待できる。それがカモシ釣りだ!!

ナイロン道糸と遊動式のカモシテンビンがカモシタックルの大きな特徴だ

付けエサはサンマのブツ切りがメイン

ヒラマサの引きは強烈。海面でも暴れるので取り込みは慎重に。
テンビンはぶら下げておいて、走ったらすぐに海にもどせるようにしておこう

この日「広丸」では、6㎏と7㎏のヒラマサが上がった。
さらに大型も回遊しており、このところハリス切れなどのバラシも少なくない

引きは強烈、そして食べても美味しい高級魚。
こんな魚が意外なほど簡単に手にできるのが外房のカモシ釣りだ

マダイもこの釣りの主役。5㎏オーバーの大ダイも珍しくない。この日最大も5㎏だった

食べごろサイズのマダイはいいお土産だ

大型クーラーに赤、青両方を納める。しかもグッドサイズ! 完璧な釣果だ!!

今回、取材にご協力いただいたのは、千葉・御宿岩和田港「広丸」
御宿沖のカモシ釣りが好調だ。御宿岩和田港の「広丸」では、この日6~7㎏のヒラマサ、5㎏のマダイなど、大物が上がった。
カモシ釣りとは外房地区で行われているコマセ釣りの一種。道糸にナイロンを使うこと(近年はPEラインOKの船も多い)、
遊動式テンビンを使うことと、コマセも付けエサもサンマを使うことがカモシ釣りの主な特徴で、ヒラマサなどの大型魚に狙いを絞った釣りと言える。
ポイントは根の荒い場所が多いが、サンマミンチによって魚を浮かせて食わせる。
遊動式仕掛けとナイロン糸の組み合わせは、10㎏を超えるヒラマサの疾走も、大ダイの突進も柔らかく受け止めてくれるため、比較的細仕掛けで大物が獲れるのがこの釣り方のメリットだ。
初夏から秋にかけてのタナは海面から15~20ヒロぐらい(20~30m前後)と浅く、釣り場も港から30~40分ほどと近い。
それでいて10~20kg級のヒラマサも上がることがあり、関東一円では最も手軽な大物釣りと言ってもいいのではないだろうか。
なにはともあれ、まずはカモシ釣りを体験してみてほしい。初めての人は竿、リール、カモシ糸、テンビンなど、貸道具でトライするのがおすすめだ。
竿を伸すほどの強烈な引き、海面に浮上するヒラマサや大ダイを目にしたら、この釣りにぞっこん惚れ込んでしまうだろう。
これから夏場、そして秋にかけてカモシ釣りシーズンは続く。御宿沖~勝浦沖は周年ヒラマサ、マダイの大型が回遊している場所だ。
いつ食うかわからない大物に備え、ハリの結び目、ハリスの傷チェックをまめにして、メモリアルサイズを手にしよう!
以上の記事は「つり丸」2019年7月15日号の掲載記事です。
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