安定して好調続き 大型の期待もある!
今年も本格的な夏を前にして、東京湾のマゴチが好調だ。
金沢八景「一之瀬丸」では春からマゴチ船をスタートさせているが、連日のように好釣果を記録している。
「ここ数年、ずっといいシーズンが続いています。
今年も、ここ数年と同じように好調が続いています」と話すのは「一之瀬丸」のマゴチ船を担当している渡辺直人船長。
「一之瀬丸」では、条件のいい日にはトップ8本を記録することもしばしば。
また大型もコンスタントに取り込まれており、60cmオーバーが掛かることも珍しくない。
今回の「一之瀬丸」の取材は6月中旬に敢行。そのときのエサはサイマキ(小型のクルマエビ)であった。
7月中旬以降になると思われるが、これから暑くなるとハゼをエサに使うようになる。今回はサイマキエサの釣り方を紹介していく。
リールは小型両軸 道糸はPEライン2号!
竿はマゴチ専用竿が一番のオススメ。
専用竿以外には、オモリ15号に対応したライト用の2.1〜2.7mぐらい。
マゴチがアタったときに違和感を与えない軟らかい穂先、アワせたときにマゴチの口にハリを貫通させる胴の強さを兼ね備えた
7対3調子の竿が適している。
リールは手巻きの小型両軸がオススメ。
アワせたときの衝撃の強さ、ドラグを締め気味にしたやり取りをするので、しっかりと竿とともにホールドしやすい両軸リールが適しているのだ。
「スピニングリールは、よほどこの釣りに慣れていない人でないとオススメしません」と渡辺船長。
道糸はPE2号がオススメ。150m以上リールに巻いてあればOK。
「道糸はPE2号がオススメです。1号だとけっこう切れます。1.5号は1号よりは切れませんが、切れることがあります」と渡辺船長。
エサが生きているように エサ付けすることが大事

仕掛けは上のイラストで示したとおり。
オモリは三日月型、または中オモリの15号を使用する。渡辺船長は鋳込みテンビンはオススメしていない。
テンビンのアームの長さが製品によって違い、タナを合わせるのが難しいからだ。
ハリスはフロロカーボンの5号。長さは1〜1.5m。長さは、その時の潮の流れなどによって変えていく。潮が流れないときほど、ハリスは短くした方がいいとのこと。
ハリはスズキバリの16〜18号。ハゼエサのときはイセアマ10号やチヌバリ5号などを使う。
ハリにヒューズを巻くのは状況次第。取材当日は潮があまり流れなかったので、「今日はヒューズは巻かなくてもいいですよ」と渡辺船長は言っていた。
そして重要なのがエサ付け。渡辺船長オススメの付け方を示したのが下のイラストだ。
よく口からハリ先を刺し入れるが、渡辺船長のエサ付けは頭部の羽の付け根付近の硬いところから刺し入れる。
この方法だと、弱りにくくエサ持ちがいいという。
ハリを刺した状態で海中に入れ、このときにエビの脚が動いていないのはダメ。元気なエビに付け替えよう。
エビの動きがマゴチにアピールしてアタリにつながるのだ。
「よく釣る人ほど、エサを使います。つまり、元気がいいエビにマメに替えているということです」と渡辺船長。


エサ付けはとくに重要。ハリを刺してもエビが元気な状態でいることが大事

「一之瀬丸」で用意している仕掛けとオモリがコレ
ハリス1.5mの場合 タナは海底から1m

タナはハリス1.5mの場合、オモリを海底から1m巻き上げた位置だ。
タナの取り方は、上のイラストの右側のとおり。オモリを着底させたら、竿先を海面に向けて糸フケを取る。
そして道糸のマークを見て、この位置から1m分竿を起こせばOKだ。
そしてタナの取り直しを頻繁におこなうこと。船が流れれば水深が変わっていくこともあるからだ。
タナの取り直しは、20秒に1回が目安だ。
「タナの取り直しは20秒に1回を目安におこなってください。20秒に1回となると、実際はかなり忙しくなりますが、小マメにタナを取り直してくださいということです。それだけタナが変わると食いが変わるからです」と渡辺船長。
また、タナを取り直すことでエサのエビが動く。これが誘いにもなって、タナの取り直し後にアタることも珍しくないという。
タナを変えたいときは ハリスの長さを変えよう
タナが10cm変わっただけで、食いが変わることもあるというマゴチ釣り。微妙なタナの違いが食いに影響しやすい。
積極的にアタリを出すには、タナを変える(探る)ことも重要だ。
渡辺船長は、タナを変えるときは、オモリの位置を変えるのではなく、ハリスの長さを変えることをススメている。
オモリの位置を変えるよりも、ハリスの長さを変えた方が確実に数十cm、または数cmエサの位置が変わるからだ。
「ハリスを30cm詰めただけで、3連発なんてときもありますよ!」と渡辺船長。
仕掛けの説明で前述もしたが、潮が流れないときほど、ハリスは短くした方がいいという。
アタったらまず送る アワセのタイミングは?

アタリの出方はいろいろ。取材時には「コツンときて、そのあとジワ〜ッと重いだけの『モタレ』と呼ぶようなアタリが最近多いです。最初からゴツゴツと竿先を派手に揺らすアタリは少ないですね」と渡辺船長。
そんなモタレのようなアタリを掛けるには、ちょっとしたコツが必要だ。それを示したのが上のイラストだ。
どんなアタリにも、まずアタったら竿先を下げて送ること。間違っても、ここで即アワセは禁物だ。
そして、ゆっくりと少し竿を起こして聞き上げていく。このときシャープに竿を動かしたり、大きく聞き上げるとエサを放してしまうので注意すること。聞き上げたときに、コツコツとかコンコンと竿先だけを揺らす魚信が出たら、再度竿先を下げて送る。
そして頃合いを見計らって、またゆっくりと少し竿を起こして聞き上げていく。竿先だけを揺らす魚信であれば、再び送る。
「聞き上げては送る」を繰り返していくと、聞き上げたときに竿の胴にかかるような重い(強い)アタリが出る。
この時がアワセのタイミング。
竿をしっかりと握って、大きく起こして思いっきり(渡辺船長曰く「限度のある思いっきり」)アワせる。
マゴチの口は硬いので、しっかりアワせないとハリ掛かりが甘くバレてしまうこともあるので注意しよう。
確実にハリ掛かりさせるために、リールのドラグは最初から締めておく。
大型が掛かって「ヤバイ!」と思ったら、リールのクラッチを切って糸を出して対応しよう。
アワせたときの衝撃はかなりのものなので、竿をしっかり持つことも大事。非力な人はアタリを待つときから、竿尻付近を脇に挟み、リールを掌で包むように竿を持つと力強くアワせやすいだろう。
連日好調が続く東京湾・八景沖周辺マゴチ釣果レポート

八景沖周辺をメインに広範囲を狙った

ヒット〜!

永井名人は、この日3本のマゴチを釣り上げた

慣れたベテランは、さすがの船中ファーストヒット! もちろん竿頭!!

若手アングラーも良型ゲット

嬉しい1本!

八景沖周辺のマゴチは、今シーズンも好調だ!

アワセが決まった〜!!

後半に追い上げて、トップに追いつき4本!

まずは1本を目指して釣ろう!

こちらも良型

今回、取材にご協力いただいたのは、神奈川・金沢八景「一之瀬丸」
東京湾の7月のオススメとしてイチ押しなのがマゴチだ。
ここ数年好調なシーズンが続いているが、今年も安定して好調が続いている。
金沢八景「一之瀬丸」では春から狙っているが、連日好釣果を記録。トップ8本の日もあり、60㎝オーバーも取り込んでいる。
好調とはいえ、必ず釣れるというものではない。型を見るには、しっかりと基本を押さえていないとダメだ。
「一之瀬丸」では出船前に渡辺直人船長が一からレクチャーをしてくれるので、自信がない人は聞くことをオススメする。
とくにタナ、エサ付け、アタリからアワセまでの流れに関しては、「一之瀬丸」流の方法を教えてくれるのでかなり勉強になるだろう!
6月中旬の取材では、エサはサイマキ(小型のクルマエビ)を使用していた。これから暑くなるとハゼエサも使う予定だ。
アワセが決まったときの衝撃が醍醐味のマゴチ。7月はこのターゲットに挑戦してみよう!
以上の記事は「つり丸」2019年7月15日号の掲載記事です。
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