今期は例年どおり 6月半ばから本格化

梅雨期に全国的に釣れ盛っているイサキだが、その釣れる理由は乗っ込みだから。
産卵のため群れ固まり釣りやすくなっているのだ。
このイサキたちは産卵行動を済ます前までは全身に脂をまとい、食べておいしい。
関東東海エリアでもイサキはメジャーなターゲットだが、
この季節、そのなかでも軍を抜いて安定しておいしいとされているのが、駿河湾の石花海のイサキだ。
しかも小型は少なく大型ばかり。数匹釣れれば御の字の高級魚にも関わらず、数釣れている。
そのおいしさの理由は、駿河湾のほぼ中央部に位置する石花海の地形にある。
この瀬はひょうたん型をしており、世界でも稀な海溝、駿河トラフの影響が濃い。
深海からの栄養豊富な湧き潮が瀬に流入。豊富なプランクトンが発生しそれを捕食しているので、
個体は大きくなり、脂もたっぷり乗るという。たしかにイサキだけでなく、ここで釣れるあらゆる魚の味がいい。
まじりで釣れる大アジやアカイサキまでもが絶品なほどだ。
だが、そうはいってもこのイサキは簡単には釣らせてくれない。
警戒心がかなり強いようで、駿河湾周辺の船宿では、なかなか数を釣ることができないので、
貴重なイサキを認知されているほどだ。
そんなイサキをコンスタントに数釣らせてくれるのが、
コマセマダイのカリスマ船長として有名な西伊豆土肥港「第18とび島丸」鈴木健司さんだ。
「今年は例年どおりゴールデンウイーク以降は、石花海の大ダイをメインに狙ってました。
イサキの反応も同時に連日みてましたが、本格的にイサキの群れがまとまり始めたのは6月半ばから。
マダイとイサキをリレーで釣っていてイサキのトップが20匹を越えたのをきっかけにイサキ専門に切り替えたんです。
7月はトップシーズンですから、数釣りを狙ってくださいね」と健司船長は話す。
オキアミコマセ釣りの基本動作を確実に行うことがコツ

コマセマダイのカリスマ船長といわれるほど実力者の鈴木健司船長だが、
この石花海激うまイサキの釣り方にもこだわりがあるという。
卓越した操船力で毎流し、手抜きすることなくイサキの反応にピンポイントで当てる健司船長だが、
ここのイサキを釣るにはコツがあるという。
まず、船長が強く伝えたいことは、「イサキ釣りはコマセ釣りの基本中の基本。
コマセをまいて、そのコマセのなかに付けエサを同調させるのがコマセ釣りの根幹です。
それを確実に毎回実践していけばいいのです」「とび島丸」での仕掛けは、
どちらかといえば、マダイ釣りの延長。
このイサキは大型だけに乗っ込み期はマダイ同様に神経質になっているので、
ハリスの全長は長めの約8m、ハリは3本。
釣り方は、船長の指示ダナより10m下へビシを落として、指示ダナまでしっかりとコマセをまき、
誘いながら指示ダナまで上げてくるというもの。
このコマセワークで確実に付けエサとコマセを同調させる。
さらに詳しく動作を示すと、指示ダナ下10mから約6〜7mまでは数回に分けて大きくコマセを振り出して、
残りの指示ダナまでのコマセの振り出しは、ウイリーシャクリの要領で食わせの間を入れながらシャクリ上げたり、
デッドスローで指示ダナまで巻き上げたりするというもの。
コマセに付けエサが同調したと思われるタイミングから食わせることを意識して指示ダナまで探るということだ。
魚の活性が高くタイミングが合っていると、たいていの場合、この誘い上げ中にアタリがでる。
イサキは湧昇流が発生しているところに群れている

そもそもイサキはどんなところに群れているのか。
それはプランクトンイーターであるイサキは、根の頭など湧昇流が発生しているところに群れていることが多い。
しかも、石花海は湧き潮であることが多い。海全体が湧いているのだ。
これが石花海のイサキ釣りを難しくしている原因のひとつだ。
石花海のすぐ隣に位置する深海、駿河トラフが起因し、とくに上げ潮時は、
海全体の水量が増えるので、湧き潮が起こりやすい。
さらに黒潮や通常の干満による潮の流れによっても湧き潮は発生している。
だから、石花海でイサキ釣りをするときは、基本的に湧き潮のなかでの釣りを想定して釣るのが正解だ。
湧き潮のなかでは、付けエサは斜め上を向いている。
そんな状態のエサをイサキが下から捕食することはなかなかできない。
この状態を打開するのは、まず、誘い上げだ。マダイ釣りでは落とし込みの誘いが有効だが、
イサキは逆。まずは、この誘いが基本であることを覚えよう。
そしてガン玉の活用。
ハリのチモトやその近くにオモリとなるガン玉を打つことでエサの向きを斜め下へ向かせるをことが可能だ。
オモリとなるのはガン玉だけでなくシェルビーズなどでもよい。
このようにイサキの捕食パターンの水中イメージを持つことから釣りを始めることが大切だ。
水中イメージを理解したうえで行う多点掛け法

数を伸ばすためには、多点掛けをすることが大事だと健司船長はいう。
その方法とはこうだ。
“1匹掛けたら、ゆっくりとリールを巻き上げ追い食いさせる”これは超基本。
水中イメージを理解すれば、これが有効なことも分かる。どこの海でも通用する方法であるのでぜひ、実践してみよう。
実際、1匹ヒットしてから竿をそのままにしてじっと待っていると、追い食いするどころか、バレてしまうことがある。
この原因はまさに湧き潮にある。
ゆっくり巻き上げ動作を行うことによりハリスのテンションを保ち、エサの向きもキープすることができるのだ。
まれに湧き潮でないときもある。そんなとき超高活性時であることが多く、置き竿にしても追い食いするだろう。
駿河湾石花海のブランドイサキ攻略!コマセマダイタックルで釣る釣行レポート

魚探にはイサキの反応がびっしり

タックルはマダイ用でオーケー。理由は不意な大物がよくヒットするから。
ライトなイサキ専用ではなかなかその大物とは対峙できない

水面に金色のボディが輝く

見事な個体はこの通り。1匹に価値があるブランドイサキである

単発であってもこの見事なサイズ

上げ潮か下げ潮かを意識して追い食いの誘いをかけていく

ダブル!トリプルが当り前!
トリプルヒットができれば、竿頭も可能だ

これも大型

今期は青物が多い。これはブリ

マダイもよくまじる

メダイも常連ゲスト

石花海初チャレンジで42匹

このサイズのイサキがこれだけ釣れるのが最盛期の石花海

今回、取材にご協力いただいたのは、静岡・土肥港「とび島丸」
激うま”の最高の称号がある駿河湾・石花海のジャンボイサキ。
釣れる個体がほぼジャンボサイズでありながら、ゴールドに輝くボディ、
体高があって顔が小さく身厚なイサキをセレクトして食してみると、それは脂がのりのり、
その甘みは独特で誰もが舌づつみを打つこと間違いなしだ。
「数が釣れ出すとシーズン初期ほどの脂ののりはありませんが、十分おいしいですよ」とは、
コマセマダイのカリスマ船長で有名な「第18とび島丸」鈴木健司船長の弁。
今期は6月半ばから本格的に石花海のイサキを狙い始めたという。
「イサキ釣りはコマセ釣りの基本中の基本です。
仕掛けをいかにコマセと同調できるかが釣果を左右します」と健司船長が話すように、
石花海のイサキは適当に釣っていたのではなかなか数釣りはできない。実際、乗船者の釣果に差が出ていた。
「コマセに突っ込むイサキをどう掛けるかなんです。上げ潮時がちょっと難しいかな。
イサキは落とし込みではなく誘い上げがカギ。これだけでもきちんと実践すると結果がでますよ」と話す船長。
シーズンはすでに後半。早めの釣行をオススメする。
以上の記事は「つり丸」2019年8月1日号の掲載記事です。
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激うま”の最高の称号がある駿河湾・石花海のジャンボイサキ。
この季節、まさに旬でおいしいイサキのをたっぷりと味わってみよう。