数釣りが楽しめた部分解禁 全面解禁後もラッシュ必至


ノーマルのタックルでもLTでも楽しめる!攻める水深にもよるが、50m近い場所を攻める場合は、手返しを考え、電動リールをチョイスだ
お待たせしました!12月1日は、茨城海域におけるヒラメ釣りの全面解禁日!!
ということで、ここでは、すでに開幕している部分解禁エリアの状況を徹底分析し、さらに例年のパターンを融合させた攻略法をお届けして行こうと思う。
今後の釣りが有利になり、爆釣させることも夢ではないので、しっかり読んで参考にして欲しい。
ではさっそく、11月1日よりスタートした部分解禁(神栖沖〜鹿島沖にかけて一部)の様子から述べて行こう。
例年に比べ、水温がやや高い状況下での開幕となったが、ヒラメの活性はすこぶる高く
①安定した釣果が見受けられた。
②例年通りの数釣りも可能だった。
③どの水深でも結果が出た。
と、順調な滑り出しを見せてくれたと共に、当地がヒラメパラダイスであるというポテンシャルの片鱗も見せてくれた。
ただ、取材に伺ったどの船のお客さんからも「幾分、サイズが小さ目かな」という意見が出たように、当地の売りである大判ビラメの姿が現在まで見られず、物足りなさを感じている釣り人もいるようだ。
しかし、これに対し、各港の船長たちは「水温が下がり、例年通りに北からイワシが入り、沿岸沿いに南下してくれば、浅場で渡りの大判ビラメが狙えるようになるからね。型は、これからだよ。イワシが入るXデーまでは、数釣りを楽しんで、掛けるテクを磨いておいて」と、ポジティブな意見を返してくれている。
これらのことをまとめ、総合的に考えると、ズバリ!今後の見通しは明るい!!
今期も、数はもちろん、型狙いを楽しめると言えるぞ。
釣り座の優位は関係ナシ 〝横流し〞の釣りがメイン

茨城海域のヒラメ釣りは、風を船の側面に当てて、そのまま横に流す〝横流し〟のスタイルでポイントを広く探る船が圧倒的に多い。
これはヒラメが好む、砂地にツブ根が点在するような場所が至る所にある当地ならではの釣り方で、釣り座に関係なく、乗船者全員にまんべんなくアタリがやってくるのが最大の特徴となっている。
船長は、ポイントでの流し変えの際、毎回、船の立て方(ミヨシとトモを入れ変え)を変え、右舷、左舷の胴の間で受ける風が、風上と風下の交互になるように操船している。
当然ながら、風下側は常に仕掛けが新しいポイントを通過するようになるのでチャンスが多い。
つまり船長は、この風下側への順番が左右公平になるように操船し、アタリの出る確率を平均化させているのだ。
四隅に限らず、どの釣り座にもチャンスがあるので、みんなの士気も上がる。
良いこと尽くめと言えるのが、この〝横流し〟の釣りなのだ。
80 号オモリが基本も120号まで用意して挑もう

仕掛けは市販のヒラメ用でOK。宿のオリジナルは、捨て糸40㎝と短めなのが特徴。オモリは80号が基本

まだ暗い朝イチに効果的だったのがこの水中ライト。ブルー、パープルにアタリが集中した
〝横流し〟での釣りで注意したいのが、オモリだ。
通常、この海域では80号オモリを使用するが、状況で120号まで使うので用意することを忘れないようにしよう。
ピンポイントの釣りでは、道糸が真っ直ぐに落ちるが、こちらは船体に風を当てて流す。
どうしても道糸が斜めに入り、仕掛けを浮き上がらせてしまいがちになるのだ。
特にガンガン風を受けた時の風下側では、これが顕著となり、ヒラメが潜む底付近に仕掛けをキープしようと、どんどん道糸を出すと、今度は風上側の人とオマツリを起こす事態にもつながってしまう…。
こんなことを回避する時に、風下側の釣り人が通常より重い100号、120号オモリを使用するのだ。
ちなみに、オモリを変えるタイミングは、底取りが何回できるかで、2度程度しかできない場合は即交換。
号数を上げるようにしよう。
次に使用タックルだが、当然ながら竿は、このオモリに対応できるヒラメ専用竿が望ましく、長さは2.4m〜3m前後が一般的となっている。
また、最近では細糸(潮切りが良いので道糸が立つ)をリールに巻いたLT(ライトタックル)を推奨する船宿も多く、2m前後のゲームロッドで楽しむ釣り人もいる。
リールは、中、小型の両軸か同様の電動リール。道糸はLTならPE2号以下。
ノーマルなら4号までとなっている。
仕掛けは、イラストで紹介している通りで、市販されているヒラメ仕掛けでもOKだ。
なお、今後は大判ヒラメが登場してくるので、通常よりワンクラス太めを持って挑むことをオススメしておく。
底の取り直しを行い、常に仕掛けを底付近にキープ


エサは、ハナ掛けに。親バリをハナの固い部分に抜き刺し、孫バリは背ビレの際に刺して止める
現在、攻めている水深は船によってまちまちも、おおよそ水深30mラインから50mくらいに集約されている。
そして今後は浅場の灘(岸)寄りを攻め出すことになるが、仕掛けが浮き上がりがちな〝横流し〟での釣りでは、水深に関係なく仕掛け=付けエサの生きイワシを底付近にキープさせ、広く探ることが最重要課題になると覚えておこう。
何度も言うが、この釣りは仕掛けが常に引っ張られている。
道糸を出さずにいると、仕掛けが徐々に浮き上がり、ヒラメがエサを見つけられない位置まで上がってしまう。
また逆に、底ダチばかりに気を取られていると、道糸を出し過ぎて、船は動いているのに、仕掛けがその場から動いてない状態になる。
ヒラメがいない場所でイワシをいつまでも泳がせていても釣れないし、さらには風上側の人とのオマツリの原因にもなってしまう…。
こんな負のスパイラルから脱出するには、イラストでも紹介している底の取り直しと適度な入れ変えを行うことがキモになってくるのだ。
一連の流れで説明すると、手持ちでも置き竿でも、基本は、オモリが海底をたまにトントンと叩く感じが望ましく、仕掛けを投入し、オモリで底を確認したら糸フケを取り、まずはそのままの位置をキープして底をトレースするように流すのだ。
そしてオモリが浮き上がった際は、底の取り直しを行い、再度オモリを底に落とし、トレースしながら広範囲を探っていくという感じだ。
入れ替えのタイミングは、風下側では竿先が海面に入り込むくらい内側に入った時で、風上側は竿と道糸の角度がだいたい120度を越えた時と覚えておこう。
これ以上浮き上がっては勝負にならない
今後はイワシに付いた大物 〝渡りのヒラメ〞狙いに移行

風下側は道糸が船下に入り、釣りにくいと考える人もいるが、理論的には釣れる側にいるのでガマン。オモリを重くして対応。なるべく仕掛け=イワシを底付近に留める努力をして攻めて行こう!
今期のヒラメは活性が高く、アタリは頻繁にやってくるが、そのパターンは実にさまざまで、竿先がもたれることもあれば、明確に穂先を叩く時もある。
いずれも早アワセは禁物で、ガツガツと強めの手応えを感じるまで待ってアワセを入れるのがセオリーとなるが、横流しの釣りでは、アタリを捉えた後も風で船が流されて行く。
当然、仕掛け(イワシ)を引っ張るので、ヒラメは違和感を覚える。
つまり、離してしまうリスクが生まれるワケだ。
ちなみに、もともと仕掛けを引っ張っている状態で食ってきたので、あまり神経質にならなくても良いという考えもあるが、ここは念には念を入れた考えで釣果につなげていこう。
確実にイワシを食わすなら、食ってきた位置にイワシをステイさせ、そのまま食い込ますのがイチバンだと実は各船長たちも考えている。
アタリを捉えたら、イラストにあるようにリールのクラッチを切ってサミング状態を保ち、まずは道糸の放出を止める。
そして引かず、送り込み過ぎずの道糸の演出を、スプールを滑らせて行い、鋭い食い込みを待つのだ。
ヒラメがギュンギュン引くようなアタリを出したら、ようやくフッキングの準備に入ろう。
そしてそのアタリを2、3度捉えた時点で、竿をゆっくり起こすように持ち上げて、フッキングに持ち込こむのだ!!
今期は水温が高く、北からのイワシの南下がまだ読めないが、例年のパターン通りなら水温の低下に伴い、浅場の沿岸を通って間違いなくやってくる。
そうなると、そのイワシを捕食しながら一緒に移動してくる〝渡りの大判ビラメ〟がターゲットになるので、楽しさが倍増するのだ。
なんたって奴らはメタボ。
アベレージで3㎏前後。中には、5㎏を優に超すモンスタークラスがまじる。
ファイトも圧巻で、グイグイ引くので心してその準備に入って欲しい。
狙う水深は10〜20m前後の浅場で、ポイント周辺は、前記同様で、根掛かりすることが、ほとんどない場所となる。
釣り方も〝横流し〟の釣りをそのまま行うが、こちらは水深が浅い分だけ、潮の抵抗が弱くなる。
つまり浮き上がりが押さえられるので、それほど神経質に底の取り直しをしなくても良くなるのだ。
また、よりイワシを目立たせるタナの切り返しや広範囲にアピールできる大きな聞き上げや高ダナ設定も可能になるので、アクティブに攻めてみよう。
大型に備え、仕掛けをワンクラス上げて挑み、孫バリも伸ばされにくい1本バリに交換して、しっかり掛けて取り込みましょうね!!

まれに魚礁や根周りをピンポイントで狙う場合もあるが、その場合はタナを切ってアタリをまとう
部分解禁スタートダッシュ!神栖沖ヒラメラッシュ釣行レポート!

今後も数釣りに期待が持てる茨城海域だが、数を伸ばすには、中小型を確実に獲ることも重要となる。ちなみに小型は引ったくるような明確なアタリを出すが、ココでアワせるとスッポ抜ける。必ず再度の引き込みを待って、アワせること!

この日の活性は、すこぶる高く、エサをひと飲みにするようなハリ掛かりを見せた。こんな食い方の時は、ハリスを歯で切られないように太めにチェンジだ

これぞビギナーズラック!ヒラメ釣行2度目の女性が、この日最大3.4㎏をゲット。「解禁直後は釣れますね。全面解禁も期待です」とのこと

良型は、エンガワパワーでロッドをギュンギュン絞り込むのでドラグ調整もしっかり行っておこう

3㎏弱の良型を仕留めた常連サンだが、「まだまだですよね。ここにはモンスタークラスが潜んでますからね」と

ヒラメラッシュ濃厚!じっくり食わせてから締め揚げよう!!

全面解禁後もラッシュ必至!

朝イチに効果覿面なのがブルー系のフラッシュライトと常連サン

取材日は部分解禁したエリアのちょうど真ん中の位置にあたる鹿島寄りの神栖沖30mダチを中心に攻めた

午前船乗船者には女将さん特製スペシャルブレンドのカレーライスが振舞われる。これが実に美味しい!のだ

今回、取材にご協力いただいたのは、茨城・波崎港「信栄丸」
例年同様、今期の部分解禁も好釣果でスタートダッシュを決めた茨城海域のヒラメ釣り!
その釣れっぷりは、なんと船中60枚以上というすさまじい釣果を叩きだした船が多くあったというから圧巻だ。
「うちも初日から2ケタ釣果のお客さんが何人も出てね。その後も、ツ抜けする人が必ずいて、ボウズもまずなし。絶好調と言えるんだけど、今期は例年に比べて、若干、型が小さい感じがしてね」とは、12月1日の全面解禁の見通しをお伺いに出掛けた波崎港「信栄丸」の大船長・浮島和雄さんの声だ。
確かにこの日も、釣りあげられた最大サイズが3.4㎏までと、茨城海域が持つポテンシャルとは少々違う気がした。
しかしながら、その分、アタリは活発で、いつ大物が顔を出すか?の期待感はアリアリだった。
「今期は水温が高く、その影響があるのかも…。まぁ、これから寒さと共に水温も低下する。そうなればイワシが沿岸筋の浅場を回遊し〝渡りのヒラメ〟が入るころから大型の期待も上がるよ」と船長。
イワシを捕食しながら一緒に移動をする〝渡りのヒラメ〟。
メタボな奴らを狙うので必然的にデカイのが釣れるってワケだ。
以上の記事は「つり丸」2016年12月15日号の掲載記事です。
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