東伊豆・初島周りの 冬の風物詩 イカブリ釣りの楽しみ方

メインは5㎏前後ワラサ イカが回遊すればブリクラスも

昨シーズンはロングランで楽しめたイカブリ。
その影響か、開幕二日目の夜もこのとおり。船団が形成されていた
例年であれば、初島周りのイカブリのシーズン開幕は11月半ば。
昼間のコマセ釣りのワラサ釣りがひと段落してから開幕する。
今期は昼間のワラサはなんと10月からポツポツと釣れ出した。
爆釣デイも少なく、例年に比べれば、ワラサの群れは少なかったといえよう。
その理由はさまざまだが、やはり高水温の影響がある。
イカブリと書くように、この釣りは釣ったイカを泳がすもの。
だが、今期は12月10日の夜に開幕したものの現場でヤリイカはほとんど釣れない。
しかし、冷凍イカを使ってワラサ釣りを始めるとのっけからワラサがヒットした。
開幕直後こそ、トップ3〜4本だったが、寒さが増すにつれ、日に日に状況がよくなり、トップ10本釣果も珍しくなくなってきた。
昨年は、ワラサがメインだったが年明けまでロングランで楽しめていた。
今期も開幕が約1ヵ月遅れたが、ロングランで継続することを期待したい。
夜ヤリイカが乗りだせば、ブリクラスも釣れるようになるという。
12月後半には7㎏、8㎏といったブリクラスもまじりだしている。
タックルはワラサ用 泳がせ用もオーケー

タックルは昼間のワラサ用でオーケー。
だが、これよりもう少しパワーのあるものが理想ともいえる。
どうしてか。オモリ120号、テンビン使用で、ハリスは20号以上を使用するからだ。
夜なので細ハリスは必要ない。
太めのハリスで強引なやり取りが正解の釣りだ。
具体的には、仕掛けはハリス20 号以上。
長さは3〜4.5mで食い渋り時は長め、入れ食い時は短めがいい。
イカをエサにするので、親バリ孫バリの2本バリ仕様が基本。
生きイカを基準にした仕掛けなので、親バリのチモトに6〜8号の中通しオモリが固定されているのが特徴だ。
リールはこの太いハリスのため、PE 5号以上を収納する中型リールが適合。
ワラサ用と言ったが、キハダ用やカンパチ用などのスタンディングタックルを使うこともできる。
むしろ、強引にやり取りすることが前提なので、こちらのタックルのほうがベターともいえよう。
冷凍イカは20㎝前後。タナは ハリス長さ+2m底から上

エサは冷凍の小ヤリイカやヒイカ、マルイカなどを使用。親バリ近くにナツメオモリを固定

さて、使用するエサについてだが、大きさは小さめのものに実績がある。
具体的には小ヤリイカやマルイカなどの20㎝前後のもの。
親バリをエンペラ中央部に刺し、孫バリを水菅、もしくは目と目の間に刺す。
沈下中にくるくると回らないように付けることが大事だ。
生きイカの場合は、エサを弱らせないような付け方を心がけよう。
タナは、ハリスの長さ+2m。
エサが底上2m前後に漂う計算だ。
ハリス長が3mなら底上5mがタナだ。
ワラサが入れ食いになったら、タナはもう少し高くなることも覚えておこう。
基本は置き竿だが、誘い動作も効果大。
それは、マメな底ダチとりだけでオーケー。
もしくはいったん、タナから10mほどあげてから底ダチ取りをするのも効果的だ。
アタリは意外と小さいことが多い。
「モゾモゾ」としたあとにグングンと竿先が引きこまれる。
ここであわててアワセを入れるのではなく、ヒラメなどと同じように2度3度強く竿が引きこまれてから、
ゆっくりと竿を聞き上げよう。
この聞き上げで再び強く引いたら、少し強めのアワセを入れる。
やり取りはドラグは強めで強引な巻き上げでよい。
ハリスは太いので切れることはほとんどない。
むしろ、入れ食いならオマツリするほうが心配だ。
だから、早い巻き上げがここでは大事だ。
釣り上げた魚はおいしく食べるためにすぐに絞めて血抜きをしたくなるが、サメが寄ってきてしまうので、
血をポイント周辺で流すのは極力控えよう。
大型クーラーのなかに海水氷を作っておき、そのまま魚を入れてしまうか、絞めてからそのままそのクーラーに入れるようにする。
クーラーのなかは血だらけになるのでその海水は、沖揚がり後、帰りの道中で海へ流そう。
魚がヒットすれば、身体も温かくなる。
しかし、冬の夜釣りである。しっかりとした防寒対策は必須。
船には、ポットも電子レンジもある。
暖かい食べ物や飲み物を身体に入れながら冬の夜釣りを楽しもう。

東伊豆初島周り 夜釣り ワラサ&イカブリ釣行レポート

太陽が天城の山に沈むころ、夜釣りがスタート

「秀正丸」は19tの大型船。釣り座は広々。平日の釣行がおすすめ

ヒットしたらドラグは強めが基本。ほぼ強引なやり取りでオーケーだ

5㎏前後のワラサがヒット中

6㎏近い良型もキャッチ。ブリはこれからだ

水深はさまざまだが、ポイントはだいたい水深60〜70mが多い海のなかはワラサとブリだらけ

パワーのある電動で巻き上げる! が正解

紅一点の所沢市の栗田さん。順調に釣り上げる

栗田さんは堂々の竿頭だった

カンパチなどの青物泳がせタックルももちろんベターだ

オマツリはつきものなので、タモ入れは全員協力体制で

乗船日はこのサイズが多かったが、すでに7㎏オーバーもキャッチされている。年末以降は大型ブリシーズン中だろう

脂がほどよくのっていておいしいワラサだ

今回、取材にご協力いただいたのは、静岡・宇佐美「秀正丸」
東伊豆初島周りの冬の夜の風物詩、イカブリ釣りが始まった。
読んで字のごとく、イカエサでブリを捕らえる釣りだが、
今期は水温が高く、夜イカは不調。
しかし、12月10日に冷凍イカエサ使用で試したところ、各船4〜6㎏のワラサがヒット。
その後、日に日に食いがよくなっているのだ。
魚の状態もよく、身には脂がのっていてかなりおいしいという。
「島周りのヤリイカが釣れだせば、サイズがよくなってブリサイズが釣れだすはずです。なにせ、昼のワラサの開幕も遅かったし、これからがシーズンですよ。防寒対策をして気軽に釣りに来てください!」とは、宇佐美「秀正丸」の森秀正船長。
昨年は、年明けまでロングランで楽しめたこのイカブリ釣り。
今期は開幕が遅れた分、1月いっぱい楽しめることを期待したい。
ヤリイカが開幕すると、まずはヤリイカ釣りから始まる。
仕掛けは11㎝プラヅノサビキ。
水深が昼間と比べて浅い分、ライトなタックルで楽しめる。
イカブリの仕掛けは、テンビン吹流しだが、船宿ではハリスは最低でも20号以上を推奨している。
細ハリスは夜釣りでは必要ないのだ。
以上の記事は「つり丸」2017年1月15日号の掲載記事です。
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初島が夕日で赤く染まる。この島周りにワラサやブリが回遊する